【モダンリテール・リサーチ】「卸売」販売に目を向ける D2C ブランドが増加中

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D2C 専業ブランドは公式に消滅した。新たな主流は卸売だ。企業は、消費者の支出の抑制、マーケティングの情勢の困難さ、マクロ経済的な圧力などに直面し、これまで依存してきた販売チャネルを再考しつつある。現在は、多様化のためにほかの種類の販売パートナーシップに投資するブランドが増え続けている。

こちらは、小売業界の最前線を伝えるメディア「モダンリテール[日本版]」の記事です
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D2C専業ブランドは公式に消滅した。新たな主流は卸売だ。

企業は、消費者の支出の抑制、マーケティングの情勢の困難さ、そのほかのマクロ経済的な圧力に直面し、これまで依存してきた販売チャネルを再考しつつある。ほんの数年前までは、オンライン専業であることを誇らしげに語っていたブランドが数百も存在していた。現在では、多様化のためにほかの種類の販売パートナーシップに投資するブランドが増え続けている。

米モダンリテールとグロッシー(Glossy)が最近行った調査で、この現象を解明している。両社は37のブランドに対して、ビジネスの成長をどこで感じているか質問した。これらのブランドの3分の2以上は、自社を「ダイレクト」と形容している。そして、これらのブランドが最大の影響を感じているチャネルは卸売だった。

過去12カ月の業績についての質問では、卸売での収益がほかの選択肢よりも伸びたと回答したブランドが多く、62%はこのチャネルの収益が多かれ少なかれ増加したと回答している。ちなみに、同じ期間にダイレクト販売が増加したと回答したのは53%だった。

各ブランドは、卸売が今後も自社のビジネスを推進する主要な要素になるとも考えている。今後12カ月についての考えを問われたとき、回答したブランドの80%は卸売の増加を予測していると回答した。一方、ダイレクト販売の収益が増加することを予測したブランドは62%にすぎない。

この調査結果は、いくつかの最大手D2C企業の最近の戦略転換と一致する。たとえばオールバーズ(Allbirds)は今年前半、以前はD2C専業だった同ブランドが卸売ビジネスを拡大することを発表した。同様に、以前はDNVB(デジタリーネイティブバーティカルブランド)分野の寵児とされていたペロトン(Peloton)が、ディックススポーティンググッズ(Dick’s Sporting Goods)との販売契約を発表した

グロシエ(Glossier)はもっとも先見の明がある例かもしれない。同社は今年前半に、一連のレイオフと経営陣の交代を行った。この戦略的再編成の一環として、自社のウェブサイトやテクノロジーへの集中を弱め、卸売ビジネスに力を入れることになった。

CEOのカイル・リーヒー氏は、当時の米モダンリテールへの声明で次のように述べている。「グロシエの第1章は、ほぼ単一の流通チャネルだけに特化したものだった。現在、我々は成長し、市場が進化し、我々の消費者は、店舗、オンライン、小売パートナー、そして世界中のどこでも、自分たちの望む場所で我々と結びつくことを望んでいる」。

[原文:Modern Retail Research: More DTC brands are setting their sites on wholesale]

CALE GUTHRIE WEISSMAN(翻訳:ジェスコーポレーション、編集:戸田美子)
Image via Ivy Liu


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