CGにおけるノイズはどのように処理されているのか?

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ノイズ除去」とは、画質の劣化を抑えながら、画像の粒状感や変色を低減させる高度な技術です。半導体メーカーであるNVIDIAが、コンピューターグラフィックス(CG)におけるノイズ除去について解説しています。

What Is Denoising? | NVIDIA Blog
https://blogs.nvidia.com/blog/2022/11/09/what-is-denoising/

デジタルカメラなどで写真を撮影した際に、写真の鮮明さやシャープさが失われるような「ノイズの多い」画像を目にしたことがある人は多いはず。ノイズを軽減するためにはレンズの設定を変更したり、照明を変えて撮影したりといった工夫が写真撮影には求められます。

NVIDIAによると、写真だけでなくCGでもノイズが発生することがあるとのこと。CGにおけるノイズとは明るさや色のばらつきのことで、画像からノイズを除去することを画像処理やコンピュータービジョンの分野では「ノイズ除去」と呼びます。

CGにおけるノイズは鮮明さを低下させるため、除去することが理想的だとされています。また、画像のノイズ除去を行う際には、エッジやコーナー、テクスチャ、その他のシャープな構造などの視覚的な詳細や構成要素を維持することも重要です。以下の画像はノイズの多い画像の例です。


違和感を出さずにノイズを減らすには、画像内の3種類の信号をノイズ除去の対象にする必要があるとされています。「拡散」とよばれるあらゆる方向に反射する散乱光、「スペキュラ(反射)」とよばれる鏡のように特定の方向に反射する光、「無限の光源と影」とよばれる太陽光や影、その他の可視光線です。

リアルタイム・レイトレーシングでは、比較的少ない工程でノイズ除去を行うことが可能だとされています。

ノイズ除去の仕組みとしては、空間フィルタリング、時間的蓄積、機械学習とディープラーニングによる再構成の3つの技術に基づきます。以下の画像はノイズ除去された最終的な画像です。


空間フィルタリングでは、隣接する類似のピクセルを再利用することで画像の一部を変化させることができます。一方で空間フィルタリングでは、ぼやけや濁り、画像のちらつき、視覚的な欠陥といった不安定さが生じます。

時間的蓄積では、前のフレームのデータを再利用して、現在のフレームに補正可能な異常があるかどうかを判断することができます。そのため、複数のフレームにまたがるちらつきや異常を低減するための安定性が生まれます。以下の画像は時間的蓄積の処理を20フレーム行った際の画像です。


機械学習やディープラーニングによる再構成では、さまざまなノイズ信号を用いて学習されたニューラルネットワークを使用して、信号を再構成することができます。

NVIDIAリアルタイム・デノイザー(NRD)のようなシステムは、開発者がノイズ除去技術を使いやすくします。NRDが用いられた例として、「ダイイングライト2」や「ヒットマン3」などがあるとのこと。

以下のムービーで、NRDがリアルタイムでどのように動いているかを見ることができます。

Stunning Denoising in Watch Dogs Legion with NVIDIA Real-Time Denoiser – YouTube
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NRDは拡散信号や鏡の反射信号、影の反射信号のノイズ除去をサポートしており、「ReBLUR」「SIGMA」「ReLAX」といったノイズ除去ツールを搭載しているとのこと。

NRDがどのように精細な画像を生み出しているかは以下のムービーを見るとよくわかります。

NVIDIA Real-Time Denoisers Showcased in Hitman 3 – YouTube
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