インド美容 が英国へ進出。アーユルヴェーダがラグジュアリービューティであることをアピール:フォレストエッセンシャルズの戦略

DIGIDAY

アーユルヴェーダの美容ブランドであるフォレストエッセンシャルズは、2001年の創業以来、インド全土に100軒を超える直営店を展開するまでに拡大しており、オンラインビジネスも堅調だ。現在、フォレストエッセンシャルズは英国に初の海外店舗をオープンし、2024年までに英国に12店舗をオープンする計画がある。

アーユルヴェーダの美容ブランドであるフォレストエッセンシャルズ(Forest Essentials)は、2001年の創業以来インド全土に100軒を超える直営店を展開するまでに拡大しており、オンラインビジネスも堅調だ。また、製品の輸出は世界120カ国以上に及ぶ。現在、フォレストエッセンシャルズは英国に初の海外店舗をオープンした。2024年までに英国に12店舗をオープンする計画がある。

フォレストエッセンシャルズは毎年2桁の成長を遂げており、2008年にエスティ ローダー カンパニーズ(Estée Lauder Companies)から資金提供を受けた。英国に住むインド人は約140万人であり、同国内で最大の少数民族グループとなっている。フォレストエッセンシャルズは英国の全消費者にアーユルヴェーダがラグジュアリーな施術であることを理解してもらうことに注力している。

店舗展開で目指す理解と需要の拡大

フォレストエッセンシャルズの店舗は、11月3日(木曜日)、ロンドンのコヴェントガーデンにオープンした。コヴェントガーデンはビューティ関連で人気の地区だ。店舗では、アーユルヴェーダのコンサルテーション、同社の主要製品群、フォークアートを施した特製ボックス入りの限定版「魔法の森(Enchanted Forest)」ギフトアイテムなどが提供される。フォレストエッセンシャルズのエグゼクティブディレクター、サムラス・ベディ氏は「ロンドンは極めて国際的な都市であり、さまざまな人々が存在しているので、最初に進出するのには良い市場だ」と述べている。「インドと英国のあいだには長い歴史があるので、インドとその伝統についてある程度の知識と理解が存在している。この店舗により、当ブランドと当社が意味すること、そしてアーユルヴェーダへの理解を支援することができる」。

「インド美容の市場は英国ではまだ初期段階だ」と述べているのは、(消費者トレンド予測企業の)WGSNの小売・ビジネスインサイトストラテジストであるロヒニ・ワヒ氏だ。「英国では『サードカルチャー』の美容ブランドが多く登場してきている。特にスキンケアやヘアケア分野で伝統的なアーユルヴェーダと高機能を融合させた革新的で洗練された製品を生み出しているブランドだ。天然成分への関心や定評ある伝統的な習慣への欲求が高まっているために需要が拡大している。消費者の気持ちは応急的な対処よりも長期的な改善へと動いている」。

フォレストエッセンシャルズは、2021年10月にeコマースサイトのルックファンタスティック(Lookfantastic)を通じて初めて英国に進出した。同社は売上高を公表していないが、ベディ氏によると業績は非常に好調で、また店舗プレゼンスへの可能性が示されているそうだ。「英国の現在の経済状況には不安を感じているが、長期戦略としてローンチを考えているのは変わらない。店舗のオープンによって当ブランドの牽引力が加速するだろう」。

英国で最近ローンチした多くのブランドと同様に、フォレストエッセンシャルズは店内体験の差別化にフォーカスしている。「店舗ではアーユルヴェーダの原則のひとつである五感すべてがカバーされる。店舗の香りや受けるサービスの種類、顧客に提供するティー、デモンストレーションなどだ。アーユルヴェーダとは何かを理解してもらうために、ストレスや睡眠、食事について顧客と対話できるようになる」とベディ氏は述べている。

アーユルヴェーダ製品の世界市場は2026年までに125億ドル(約1.8兆円)を超えると予測されている。英国ではスペースNK(Space NK)やカルトビューティ(Cult Beauty)などのeコマース美容サイトがフェイブル&メイン(Fable & Mane)、ウマ(Uma)、ラナヴァット(Ranavat)のようなインドのブランドやアーユルヴェーダブランドを取り扱っている。フォレストエッセンシャルズやマウリリチュアルズ(Mauli Rituals)のようなインド拠点のアーユルヴェーダブランドの多くは世界の一流ホテルにも取り入れられている。

今後の市場

フォレストエッセンシャルズは、主要製品群のほかにもオーダーメイドのスキンケア製品群とメイクアップ製品群を来年英国市場に投入する予定である。また、ドバイ、アブダビ、サウジアラビアでの2023年前半の店舗展開について話し合っているところだ。そのあとにはシンガポールに進出する計画がある。当社はシンガポールを東南アジアへの玄関口と見なしている。

Glossyは9月に、インドの美容市場は他国の美容市場よりは小規模であるが、現地の創業者や海外移住したインド人が成功するための準備が整っていることを取り上げた。現在インド市場を支配しているのはエスティ ローダーとロレアルであるが、両社は国内ブランドの波が押し寄せているのに気づいている。エスティ ローダーは、最近、インドの次世代美容ブランドらに注力・推進するビューティインキュベーターにおいて、インドを代表するオムニチャネルの美容・ライフスタイル小売業者の1社であるナイカ(Nykaa)と提携している。

[原文:Forest Essentials opens first international store in London

ZOFIA ZWIEGLINSKA(翻訳:ぬえよしこ、編集:山岸祐加子)


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