【注意】ペイペイのキャンペーンを目当てに練馬区へ行ったら信じられないほど大赤字になった! それでも私がニコニコで帰宅した理由

ロケットニュース24

中野の美容院でペイペイを使おうとしたら「会計を2回に分けます?」と聞かれた。話によると「支払額の30%がポイントバックされるキャンペーンが実施中」とのことで、回数を分ければそのぶん多くポイントがもらえる仕組み(1回の付与上限が3000ポイント)のようだ。

気恥ずかしさもあり「大丈夫です!」と断ったのだが、そのあと立ち寄った雑貨屋、居酒屋、果てはタバコ屋でも「ペイペイ使えるよ」と声をかけられた。中野区民の優しさを痛感するとともに、考えてみれば “2万円で6000円戻ってくる” って尋常ならざるバック率だよな?

調べたところ、ペイペイは自治体単位で同様のキャンペーンを随時行っているらしい。ってことはキャンペーン地域を回って買い物すれば……かなりおトクに生きていけるんじゃ!?

(※ 会計を分ける行為は公式には推奨されていないが、蔓延しているのが実情)

・やってみた

さっそく私は中野区と同時期にキャンペーンを実施していた江東区へ。期間内の付与上限は、なんと1万2000ポイント(中野区の2倍)。タバコを6〜7カートンまとめ買いするだけで簡単に回収できてしまう……はずだった。しかしタバコ屋とコンビニを10軒以上回った結果……


どこもキャンペーンに対応していない!!!


ペイペイアプリには “店舗を検索する機能” が備わっていて、本キャンペーンが「コンビニも対象」ということは事前に確認済みだった。しかし実際に訪れてみると、どの店にも「ただしタバコは対象外」という張り紙がされているではないか。中野がイケたので大丈夫と思い込んでいたが……ウカツだった。

なじみのない土地で急に4万円分の買い物などできるはずもない。私はこの日ドラッグストアで化粧品やシャンプーなど約9000円分を購入し、どうにか2638円分のポイントをゲット。少なくとも交通費は取り返した計算になり、また「次回はもっと計画的に利用しよう」という気づきも得たのだった。

(※ 中野区・江東区ともに10月末でキャンペーン終了)


・いざ、練馬へ

かくして経験を積んだ私は今月、意気揚々と練馬駅へ降り立った。

11月1日から練馬区で始まったキャンペーンの内容は「支払額の最大20%がポイント還元」と、中野や江東よりやや威力は劣る。ただし事前にアプリで調べたところ、練馬駅周辺にキャンペーン対象のタバコ屋とドラッグストアがあるようなのだ。タバコとコスメさえイケれば恐るることはない。5万円使って1万円ゲット計画……今日こそキメるぜ!


ちなみに私が練馬駅周辺を歩くのは今日が初めて。なぜなら自宅から練馬までは交通の便が悪く、バスを3本乗り継いで行かねばならないから。

閑静だけど一通りのものは揃っていて、練馬ってなかなかいいところだな〜! さっそくアプリを頼りに、対象のタバコ屋へ向かうとしよう。


すると…………



「ウチ、ペイペイやめたんだよね〜」と言われてしまった!!!!


タバコ屋の主人の話によると「以前はペイペイに対応していたが、手数料が高すぎるのでやめた」とのこと。実は先月お世話になった中野のタバコ屋の主人も「ペイペイは手数料がヤバイ」とボヤいておられたのである。タバコ屋さんたちは相当憤っておられるのだろう。

とはいえペイペイアプリ上では現在も確かに「20%還元が受けられる店」と表示されており、客にしてみればムダ足この上ない。わずかに芽生えるアプリへの不信感……それは練馬駅周辺をウロつくうち、決定的な不信へ変わっていくのだった。


・流れる不毛な時間

例えばペイペイのアプリ上で『ドラッグストア』と表示された店に向かうと、そこは小さな調剤薬局や健康サプリの販売所であったりする。またアプリ上では「現在営業中」と表示されているのに、実際に行ってみると営業時間外や休業中……といった事例も相次いだ。

その後アプリを頼りにタバコ屋やドラッグストアを探すも、半日歩き続けた結果、ついに見つけることは叶わなかった。他に使えるアテがあるとすれば飲食店なのだが、「ペイペイが使える」だけを理由に食べたくないものを食べるってのも、なんだか本末転倒な気がする。

新たな店へ入るたび「ペイペイのキャンペーン使えますか?」と尋ねる自分が、だんだんミジメに思えてきた。いつもお世話になっているペイペイの悪口はあまり言いたくないが……このマップ機能、いくらなんでも当てにならなさすぎるぜ!!!


・だが、しかし

アプリとにらめっこしながら歩くうち、富士見台駅周辺にたどり着いた。

おやっ……あれは!?


「おいしい」という噂を幾度も耳にしつつ、「遠い」という理由で一度も訪れたことがなかった焼肉の名店『牛蔵』じゃないか! 営業時間外のためこの日は入店できなかったが、よもや富士見台駅にあったとは嬉しい発見である。また後日出直すことにしよう。

そこから練馬駅に戻る途中で、大好きな『地産マルシェ』を見つけたことも嬉しい。生産者から直接仕入れた新鮮な野菜、果物、手作りお菓子など珍しい品が安く買える店。店舗数が少ないため滅多に利用できないが、まさか練馬にもあったとは!

さらにさらに、私が都内で一番好きなスーパー『オオゼキ』も近くで営業中! どちらもペイペイのキャンペーンには非対応だが、そんなことは関係なく野菜や魚など計1万円ほどを購入した。これまでノーマークだったことが悔やまれるほど、アツいぜ練馬。


・そして最高の店に出会う

そんなこんなで出発から6時間、すっかり日も暮れてしまった。ここまで20%バックが適用された買い物は、カルディでむりやり買ったスパイス1800円と、休憩がてらに飲んだレモンサワー780円。合計516円分のポイントバックだ。バス代にも満たない額だが、しかし不思議と「来てよかった」と感じている自分がいる。

そして極めつけは偶然立ち寄った焼き鳥店。18時を回り飲食店の選択肢も増えていたが、疲れ果てた私はテイクアウトのみの店をチョイスした。ペイペイどころか現金以外は使えない小さな店である。

お店の名前はあえて書かない。宣伝しなくても十分繁盛している様子だったし、私自身「あまり他人には教えたくない」と感じるほど気に入ったからだ。店主の人柄、店の雰囲気、味、価格……どれをとっても最高の名店だった。おそらく練馬の人ならすぐにピンとくるだろう。

近くの公園で焼き鳥をかじり、もはやバスを待つ体力もなくなった私はタクシーで帰宅した。1万円もうけるはずが、結果的には大赤字。しかし全く後悔はない……なぜなら練馬という素晴らしい街を知ることができたのだから。



今回の調査の結果、ペイペイのキャンペーンは自治体によってルールや範囲が異なり、よ〜く調べてからでないと「こんなはずじゃなかった」となりかねないことが判明した。「街ブラついでにお得に買い物できたらラッキー」くらいの気持ちで臨むことが大切である。

参考リンク:PayPay
執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.

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