RS-232C機器とEthernet経由で通信できるPoE対応コンバーター「RS-ET62」、ラトックシステムが11月中旬発売 

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「PoE to RS-232Cコンバーター(RS-ET62)」。Ethernet側のRJ-45ポートは、PoE(IEEE 802.3at Type1)による受電に対応している

 ラトックシステム株式会社は、RS-232C信号をTCP/IPプロトコルに変換するコンバーター「PoE to RS-232Cコンバーター(RS-ET62)」を11月中旬から出荷すると発表した。標準価格は3万6080円。

 バックアップ電源、磁気カードリーダー、シリアルプリンター、電子天秤など、RS-232Cポート搭載のシリアル機器をEthernet経由で接続し、IPデバイスとしてPCなどから利用できる。コネクタは、RS-232C機器側がD-Sub 9ピン、Ethernet側がRJ-45でPoE(IEEE 802.3at Type1)による受電に対応している。なお、シリアルマウス、モデム、TAはサポートしていない。

RS-232C機器側のコネクタはD-Sub 9ピン(オス)

 デバイス(DCE)側のシリアル機器を接続するための「TCP Clientモード」と、ホスト(DTE)側のシリアル機器を接続するための「TCP Serverモード」という2つのモードをサポート。それぞれClientモードとServerモードに設定した2台のRS-ET62を対向通信させることにより、RS-232C機器同士の通信も可能だ。両モードの切り換えはWindows向けの設定アプリ「ConfigTool」で行う。

 RS-ET62の出荷時のデフォルトはServerモードとなっており、例えばバーコードリーダーや電子天秤などのシリアル機器をRS-ET62に接続することで、PCなどからネットワーク経由でそれらの機器を利用できる(標準モード)。

標準モードでの接続。同じネットワーク上のPCなどから、RS-ET62を介してシリアル機器を利用できる

 対応OSはWindows、Android、iOS、Linuxのほか、Raspberry Piなどと幅広いが、RS-ET62と通信するための専用アプリはユーザーが開発する必要がある。そのサンプルとして、Windows向けのプログラムとソースコードを含むSocketAPI、WinAPIがウェブサイトで提供される。

 また、Windows向けには、PCに仮想的なCOMポートを作成できるエミュレートドライバー「RATOC-VSP(Virtual Serial Port)」が提供される。このドライバーをインストールすると、ServerモードのRS-ET62に接続しているデバイスをCOMポートデバイスとして認識。専用アプリを開発しなくとも、COMポートデバイス用アプリをそのまま使用し、接続されたシリアル機器が利用できるとしている(ただし、全てのCOMポートアプリの動作を保証するものではない)。

Windows向けのエミュレートドライバー「RATOC-VSP」をインストールすると、仮想のCOMポートを経由してRS-ET62に接続されたシリアル機器を利用できる

 2台のRS-ET62をそれぞれClientモードとServerモードに設定することで、シリアル機器同士での対向通信も可能(対向モード)。例えば、電子天秤と各種測定装置、バーコードリーダーとバーコードプリンターなどを接続できる。

対向モードでは、ネットワーク経由でシリアル機器同士を接続できる

 シリアル機器とPLC(Programmable Logic Controller)などのネットワーク機器との通信を、PCなどを介さずに行うことも可能(M2Mモード)。例えば、荷物の仕分けにおいて、シリアル接続の荷物の読み取り装置をClientモードのRS-ET62に接続し、PLC機器からネットワーク経由で仕分け制御を行える。

M2Mモードで、荷物を読み取るシリアル機器の仕分け制御をPLCから行う例

 RS-ET62の大きさは約100×67×23mm(奥行×幅×厚さ、突起部を除く)、重量は約230g。

 ラトックシステムではこれまでも「Ethernet to RS-232Cコンバーター(REX-ET60)」を提供していたが、「AC電源に接続しなくても使える製品が欲しい」との要望に応え、PoE対応モデルの新機種としてRS-ET62を開発したという。LANケーブルで電源供給できるため、電源の確保が難しい場所への設置にも対応できるとしている。なお、PoE給電デバイスが接続されていない環境では、別売のACアダプター(RS-AC05)からRS-ET62へ給電することも可能だ。

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