macOS Venturaの目玉機能といえるのが、新たなウィンドウ操作を実現する「ステージマネージャ」です。ここではMacでのステージマネージャの基本的な使い方に加えて、ウィンドウのグループ化や設定のカスタマイズなど、ステージマネージャを使いこなすためのテクニックも紹介していきます。
複数のウィンドウをスッキリと管理する「ステージマネージャ」。macOS Venturaにアップデートすればどのマシンでも利用できます
ステージマネージャってどんな機能?
ステージマネージャは、macOS Venturaから搭載されたウィンドウ管理機能です。Macを使っていると、画面がウィンドウだらけになってしまうことがあります。
画面がごちゃごちゃしていると集中力が削がれ、作業効率も低下してしまいがち。そんな状況を回避できるのがステージマネージャです。
コントロールセンターからステージマネージャをオンにすると、作業中のウィンドウ以外のものが画面の左側にサムネイルで表示されます。
そして、サムネイルをクリックするとそのウィンドウが画面中央に展開。まるで画面中央が「ステージ」となり、役者(ウィンドウ)が入れ替わりで出入りするようなイメージです。
最前面のウィンドウを切り替える方法は、これまでもいくつか存在しました。しかし、ステージマネージャは、これまでのどの機能よりも直感的でスマートなインターフェイスを実現しています。
いわば、これまでmacOSが培ってきたウィンドウ管理機能の「到達点」と言ってもいいのではないでしょうか。まだVenturaにアップデートしていない人は、ぜひアップデートしてステージマネージャの良さを実感してみてください。
macOS Venturaにアップデートすると、コントロールセンターにステージマネージャのアイコンが追加されます。クリックするとアイコンが青くなり、機能がオンになります。オンになったら、試しにいくつかのアプリを起動してみましょう
新しいアプリを起動するとウィンドウが画面中央で開き、それまで開いてたウィンドウは画面左側にまとめられます。別のアプリで作業したい場合はサムネイルをクリックすれば、画面中央のウィンドウが切り替わります。なお、表示されるサムネイルの数は最新5つまでです
ウィンドウ以外の部分をクリックするとすべてのウィンドウがステージマネージャに格納され、デスクトップが表示されます
ウィンドウを画面いっぱいに広げたときなどは、邪魔にならないようサムネイルが隠れます。このとき、ポインタを左側に移動させると、端からサムネイルが姿を表わします
フルスクリーンモードやSplit Viewで表示しているウィンドウは、ステージマネージャ上には表示されません
ステージマネージャを解除したいときはコントロールセンター上のアイコンを再度クリックしましょう。アイコンの色がグレーになり、元の表示に戻ります
ステージマネージャを使いこなす6つのテクニック
ステージマネージャには、快適に使いこなすためのテクニックがいくつか存在します。ここでは、誰もが押さえておきたい6つの活用テクニックを紹介しましょう。
1. 複数のウィンドウをグループ化
複数のアプリを1画面に表示したいときは、ウィンドウをグループ化しましょう。たとえば、Safariで調べ物をしながら「メモ」にアイデアを書き留めたい、というときに利用するといいでしょう。
操作はいたって簡単です。1つのウィンドウを画面中央に表示したあと、ステージマネージャ上のほかのウィンドウのサムネイルを画面中央にドラッグするだけです。
また、グループから切り離したいときは、切り離したいウィンドウを画面左側にドラッグしてステージマネージャに戻しましょう。
ステージマネージャでは、複数のウィンドウをグループ化できます。操作はサムネイルを画面中央にドラッグするだけです
2. ステージマネージャをメニューバーに表示
「システム設定」(「システム環境設定」から名称変更)を開いて［コントロールセンター］項目を表示させ、「ステージマネージャ」の横にあるメニューを［メニューバーに表示］へと切り替えましょう。
すると、メニューバーにステージマネージャのアイコンが表示され、よりスピーディに機能を呼び出せるようになります。
ステージマネージャのアイコンは、コントロールセンター内だけでなくメニューバーに直接表示することが可能です
3. ワンクリックでステージマネージャをオンに
メニューバーにステージマネージャのアイコンを表示させている状況なら、［option］キーを押しながらアイコンをクリックすることで機能のオン/オフを切り替えられます。この方法なら、アイコンからメニューを開くよりも手順を短縮できます。
［option］キーを押しながらアイコンをクリックするとオン/オフを切り替えられます。オフになっているときはアイコンが薄いグレーになります
4. アイコンクリックでウィンドウを選択
ステージマネージャでは、ウィンドウのサムネイルの脇にアプリのアイコンが表示されます。このアイコンをクリックすると、そのアプリで開いているウィンドウが一覧表示されます。
1つのアプリで複数のウィンドウを開いていて、特定のウィンドウを最前面に持ってきたいときに便利です。
ウィンドウのサムネイルではなくアプリのアイコンをクリックすると、このようにウィンドウ一覧が表示されます
5.ステージマネージャ利用中もデスクトップのアイコンを表示
標準設定では、ステージマネージャをオンにしている間はデスクトップ上のアイコンが隠れます。しかし、設定を変更することで、デスクトップ上のアイコンを常に表示し続けることも可能です。
設定を変更するには、「システム設定」の［デスクトップとDock］項目を表示し、［ステージマネージャ］エリアにある［カスタマイズ］ボタンをクリック。現れたウィンドウ内にある［デスクトップ項目］のスイッチをオンにしましょう。
デスクトップ上のアイコンを常に表示させることも可能です。たとえばデスクトップに置いた画像ファイルなどを文書に次々と挿入したいときに役立つでしょう
6.同じアプリのウィンドウをまとめて表示しない
1つのアプリで複数のウィンドウを開いていた場合、通常はステージマネージャでも全部のウィンドウがまとめて画面中央に表示されます。しかし、これだと画面が雑然としてしまうなら、1度に表示するウィンドウを1枚に絞ることができます。
設定方法は、1つ前のトピックと同様に［カスタマイズ］ボタンをクリックして開いたウィンドウで［アプリケーションウインドウの表示方法］を［ウインドウを1つずつ表示］に変更すればOKです。
上が［ウインドウを一度にすべて表示］にした場合、下が［ウインドウを1つずつ表示］に設定した場合の画面です。Numbersで3枚のウィンドウを開いていますが、［ウインドウを1つずつ表示］に設定すると1度に表示されるウィンドウは1枚だけになります
新世代のユーザーインターフェイスを乗りこなそう
ステージマネージャは、気をそらすような要素が目の前から消え、やるべきことに集中できます。しばらく使えば、きっと誰もがその良さを実感できるでしょう。
また、ステージマネージャはmacOSだけでなく、iPadOS 16でも利用可能になりました。iPadとMacの両方を使っている人にとっては、互いの操作感を一致させられるというメリットもあります。
新しい操作方法は慣れるのに時間がかかるかもしれませんが、「Appleが提供するこれからのユーザーインターフェイスの形」とポジティブに捉え、積極的に活用してみてはいかがでしょうか。
コメント