ウォーカースレーターが VR を使ってZ世代の顧客を惹きつけている方法

DIGIDAY

創業33年のスコットランドのファッションブランド、ウォーカースレーターでは若い消費者が同社のサステナブル素材に関心を寄せていることが顧客調査でわかった。Z世代にサステナビリティについてさらに教えるために、10月12日から19日にかけてVRインテグレーションをローンチした。

創業33年のスコットランドのファッションブランド、ウォーカースレーター(Walker Slater)では、パンデミックが始まって以降、若い消費者が同社のサステナブル素材に関心を寄せていることが顧客調査でわかった。Z世代にサステナビリティについてさらに教えるために、同社では10月12日から19日にかけてVRインテグレーションをローンチ、店舗ではオキュラス クエスト(Oculus Quest)のヘッドセットを通じて、オンラインでは専用プラットフォームからアクセスできるようになっていた。

VR体験を通じて顧客に製造工程や職人技を伝える

ウォーカースレーターのパートナーシップとウィメンズウェアの責任者クレア・ペントニー氏は、「若い人たちは、ものがどこから来るのかを知ることに興味があり、VR体験はそれを実際に目に見えるものにする」と述べている。ウォーカースレーターでは店舗にVR体験を導入するにあたって、貿易組織のブリティッシュウール(British Wool)や素材企業のハリスツイード・ヘブリディーズ(Harris Tweed Hebrides)と提携した。この没入型の体験を通じて、顧客は羊から素材にいたるまでのウールの製造工程を見ることができると同時に、必要な職人技についても学ぶことができる。

コンサルティング会社PwCが6月に行ったグローバル消費者インサイト調査によると、消費者の3分の1が過去6カ月間にVRを利用したことがあり、そのうちの32%がVRプラットフォームで初めて商品を発見し、購入したという。ほとんどの生産と流通を停止せざるを得なかったCovid-19の最中、ウォーカースレーターは購買習慣が急速に変化したことを身をもって体験している。現在、同ブランドは、年齢層が高めの既存の顧客層に加えてより若い買い物客をターゲットに、VRインテグレーションやインスタグラムマーケティングを活用している。

Z世代や若者は知識を求めている

「Z世代や若者は、年齢層の高い消費者にはあるような基本的な情報や知識を持っていないとして切り捨てられるが、知識に対する渇望はいつでもそこに存在する」と話すのは、ハリスツイード・ヘブリディーズのクリエイティブディレクター、マーク・ホガース氏だ。10年にわたりホガース氏は、長持ちするサステナブルな同社の素材を使用しているストーンアイランド(Stone Island)、シュプリーム(Supreme)、トムブラウン(Thom Browne)など、グローバルなストリートウェア企業とのコラボレーションを強化してきた。

「ハリスツイードのストーンアイランドのジャケットには手が届かないかもしれない若い顧客を獲得できる。そうした顧客は自分たちでリサーチを行い、(ハリスツイードの)シュプリームのキャップなど、もっと手頃な価格のものを購入する。そして、そのアイテムを保管したり、StockXでリセールしたりする」。

消費者は製品がどこで生産されたかに興味を持っている

若い世代のあいだでサステナブルな素材に対する興味が高まっていることを、より多くのファッション企業が目にするようになれば、現地生産への長期的な投資がもっと一般的になるだろうと、ホガース氏は話す。現在ハリスツイードでは、サプライチェーンが将来的に持続するよう、工場や織物職人として若い労働者を募集している。また廃棄物を減らすために、サンプリングはデジタルのみに移行している。

ブリティッシュウールのマーケティングディレクター、グレアム・クラーク氏は、ブランドの伝統とクラフトマンシップをVR体験と融合させることは、Z世代を惹きつける有効な方法だと述べている。ブリティッシュウールとウォーカースレーターは、それぞれのソーシャルチャネルでこの体験をプロモーションしている。一方、ウォーカースレーターのロンドン旗艦店の店員は、興味を持った顧客を地下1階にある専用の広いエリアに案内し、VR体験に参加させている。

「確かに消費者は製品がどこで生産されたものかを問うことに、より興味を持つようになっている」と彼は言う。「より若い世代に対して、一度しか買わない、あるいは少なく買う、そしてよい買い物をするというメッセージを伝えることが重要なのだ」。

[原文:How Walker Slater is using VR to engage Gen-Z customers]

ZOFIA ZWIEGLINSKA(翻訳:Maya Kishida 編集:山岸祐加子)


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