ショック。『フォートナイト』が地球を苦しめていたなんて。

GIZMODO

2020年8月30日の記事を編集して再掲載しています。

ゲームは楽しい、だけじゃない。

テレビゲーム大好きです。あ、でも『フォートナイト』はこのところやってません。最近までハマってたのですが、今ちょっとお休み中(Epic Gamesさんもいろいろ大変そうですし…)。だけどこれ、地球にとっては良いことみたいです。

実は最新のデータにより、ゲームは意外と炭素集約度が高いということが判明しました。炭素集約度というのはつまり、二酸化炭素を排出しやすい度合いのことです。全国のプレイヤーや、今日もバトルロワイヤルに励む我が息子たちには残念なお知らせです。

おさらいになりますが、『フォートナイト』はマップ上で100名のプレイヤーが生き残りをかけてバトルを繰り広げるオンラインゲーム。いわゆるバトルロワイヤルブームの先駆けとして生まれたゲームの1つです。

リリースされたデータ(21日にEartherと共有)によると、2020年4月の1カ月間で『フォートナイト』が排出した炭素量はなんと、14万800トンにのぼったそうです。データ提供元はSlots Online Canadaという、カナダで主にカジノのレビューを配信する企業。Slots Online Canadaはゲーム内イベントに関するデータも取り扱っており、4月に世界的人気ヒップホップシンガーのTravis Scottが『フォートナイト』のライブイベント”Astronomical”に参加して大勢のプレイヤーを獲得したことから、このゲームに注目するようになりました

大勢のユーザが『フォートナイト』にアクセスすると、地球に電力負荷がかかる

ふたを開けてみれば、単一のイベントに1230万人ものグローバルプレイヤーが参加したことで、炭素放出量に深刻な影響を及ぼしました

動画ストリーミングからインターネットに至るまで、すべてのデジタルデバイスには電力が必要です。デバイスそのもの(コンピュータやゲーム機、テレビなど)も電気を使いますが、オンラインゲームを実行するにはデータサーバもまた電気で稼働します。ですから、プレイヤーがインターネット接続することで、地球に電力負荷をかける恐れがあるのです。特に一度に大勢がログオンしてゲームイベントをストリーミングし、新たなデジタルアイテムをダウンロードするとなれば、なおさらです。

ただ、『フォートナイト』にとっても世界的ヒップホップスターのイベントが開かれた4月は少々特別で、通常の炭素放出量はそこまで多くないはずです。とはいえ、何らかの手立てを考える必要はあるでしょう。

デジタル業界の炭素排出量は、見落とされがち

残念ながら、これは『フォートナイト』だけの問題ではありません。Slots Online Canadaでは、YouTubeやNetflix、そしてポルノ系動画についても同様に炭素排出量を調査しています。もしもあなたがPCでゲームしているなら、残念ながらNintendo SwitchやPlayStation 4でプレイするよりも悪い意味で貢献してしまっています。PCの方がゲーム機よりも電力使用量が多く、二酸化炭素排出量も多いのです

分析データによると、PCがキロワット時あたり0.057キログラムの二酸化炭素を排出しているのに対し、(前出の3デバイスのうち最もクリーンな)Nintendo Switchはキロワット時あたりの二酸化炭素排出量が0.051キログラムにとどまっています。

今回の分析が示したように、『フォートナイト』が排出した炭素量14万800トンは、ガソリン消費量1,500万ガロン(5678万1180リットル)以上、あるいは石炭燃焼量1億5,500万ポンド(7,030万6820kg)に相当します。世界のリーダーは、自動車や発電所での電力消費量に関して(若干のんびりと)対策を講じていますが、デジタルの分野はほとんどスルーされています。

持続可能なオンライン環境を整備することが必要

インターネットはますます広がり、2030年までには世界の人口の約90%が何らかの方法でオンラインにアクセスできるようになる見込みです。もちろん、公平性と民主主義の観点では非常に良いことなのですが、こうしたサービスが持続的に拡大していくためには、データセンターに電力供給するエネルギーがクリーンでなければいけません。しかし、現在のところ、世界中のデジタル関連炭素総排出量は2025年までに8%増、前年比では4%増で推移すると予測されています。

今すぐ対処しなければ、「フォートナイトにログオンできるかなー」なんてのんきこと言っていられなくなってしまいます。

タイトルとURLをコピーしました