コロナ渦によってライフスタイルが大きく変わった。テレワークの普及に伴って毎日の通勤が必要なくなり、自宅だけでなくどこでも仕事ができるようになった。それも一過性のものかと思いきや、こうした習慣が日常的になったなんて人は少なくないハズだ。
ただ、自宅で仕事が可能になったのは良いけれど、なかなか専用のスペースが持てず家族やペットの乱入を気にしなければならない、なんて話も珍しくない。そんな時、“専用スペース”として真っ先に思いつくのがクルマだ。ただ、普通の乗用車だと座ることはできても、仕事をするのはなかなか難儀。そもそも机がないし、PCを使うなら電源も欲しい。
そんな需要もあって盛り上がっているのがキャンピングカーの市場。“キャンピングカー”と聞くと本格的なアメリカンサイズのモデルを思い浮かべるかもしれないけれど、ミニバンをベースに組み立て式のベッドなどを備えた簡易的なモデルがイマドキの主流。さまざまなモデルがビルダー(キャンピングカー製造業者)からリリースされている。
とはいえ、テレワークで使う程度ならテーブルがあれば良く、仮眠ができるベッドがあれば十二分というパターンも多く、「DIYで手軽に、なおかつ低コストでなんとかしたい」といった要望も生まれてくる。「でも、素人だし場所も工具もないし」なんて時にうれしいのがシェアガレージ、つまりレンタルスペースのガレージ版だ。
キャンピングカーのレンタルやカーシェア、車中泊スポットの予約フォーム事業を展開するCarstay(カーステイ)がサービスを開始したバンライフ・ガレージ「Mobi Lab.」は、改造するスペースを提供するだけでなく工具のレンタルが可能なほか、キャンピングカー製作に長年携わっているスタッフからのアドバイスを受けられるなど、ビギナーにもうれしいスポットとなっている。
[バンライフ・ガレージ Mobi Lab.]
住所:神奈川県横浜市旭区東希望が丘15番1
最寄り駅:相模鉄道 希望ヶ丘駅 徒歩約10分
料金:5000円(シェアガレージ1日利用の場合、10時~17時、工具は別途)
また、シェアガレージのほか、「キャンピングカーのメンテナンスや修理」「キャンピングカー用装備の取り付け」「キャンピングカーの体験や予約」「キャンピングカーに特化したカーシェア登録」「バンライフユーザーの交流会」などのサービスをしていく予定だという。
10月2日には地元議員やバンライファーを招いたオープニングイベントを開催。Carstay株式会社代表取締役の宮下晃樹氏による挨拶が行われたほか、神奈川県議会議員の須田幸平氏、衆議院議員の青柳陽一郎氏、横浜市議会議員の大岩真善和氏が挨拶を行った。
DIYならではのオリジナリティが光る車両を展示
オープニングイベント当日は、バンライファーを招いて座談会が行われ、宮下代表のほか、DIYで愛車を仕上げた宮本芽依さん、鈴木大地さんのクルマが展示された。クルマのプロではなく一般ユーザーが手がけたモデルだけに、キャンピングカーに興味があるなら参考になるハズだ。
最初に紹介するのは、宮本芽依さんがキャラバンの特装車をベースにDIYでコツコツと作り上げた1台。宮本さんは大学生だが、コロナ禍で授業がオンラインになったことで、「それならどこにいても授業を受けられる!」とキャンピングカーをレンタルしたのが最初のきっかけだったとか。インテリアは「ジャパンディ」(日本と北欧が融合したスタイル)をテーマに、自作のベッドなどに北欧テイストの家具を組み合わせることでスッキリとシンプルな仕上がり。このクルマはMobi Lab.でレンタカーとして借りることが可能だ。
続いて紹介するのは、映画などでよく見るアメリカのスクールバスを改造したモデル。オーナーの鈴木大地さんはクルマのプロではないものの、フリーの大工とあって内装は素晴らしい仕上がりとなっている。わずか1か月ほどで作り上げたというが、広い車内を生かして半独立したベッドルームとダイネット(居住部分)を持つほか、家庭用エアコンの装着など「いかに快適に過ごせるか」を念頭に作り込まれている。
最後は、中古キャンピングカーをベースにDIYでカスタムされたモデル。オーナーはCarstayの代表である宮下氏。バンクベッド(ルーフ上)を含めて大人4人の就寝が可能。ワーケーションを意識しており、リチウムイオンのサブバッテリーを搭載。走行中の充電はもちろんソーラーパネルや外部充電にも対応し、インバーターによりAC100V電源の使用が可能。
なお、この車両はレンタカー登録されており、今後、Mobi Lab.を拠点にレンタカーとして貸し出すという。宮下氏曰く、ボディサイズがキャンピングカーとしてはコンパクトなので、初めてキャンピングカーを借りると言う人にもオススメとのことだった。