「AWSを知らない人に、AWSを知って欲しい」、CEATECのリアル会場で、AWSは何を見せるのか? テーマは「持続可能な社会をAWSのクラウドで」、AWSの活用企業18社と出展、ソニー、クックパッド、ナビタイムからスタートアップまで

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 CEATEC 2022への出展企業のなかで注目を集めているのが、アマゾン ウェブ サービス ジャパン(以下AWSジャパン)である。

 2020年、2021年に続き、3回目の出展となるが、過去2回は完全オンライン開催だったため、幕張メッセ会場への出展は今回が初めてとなる。CEATEC初の試みであるパートナーズパークのエリアに出展。18社の企業とともに、持続可能な社会に向けた取り組みを訴求する。

 AWSジャパンの展示テーマは、「持続可能(サステナブル)な社会をAWS のクラウドで」である。AWSのクラウドサービスを活用しているパートナー企業のサービス、製品、テクノロジーイノベーションを通じて、持続可能な社会の実現を目指す取り組みを紹介することになる。

 AWSジャパンのCEATEC 2022への出展の狙いなどを聞いた。

「サステナビリティやDXへのAWSの貢献を知って欲しい」

 AWSは、世界最大のクラウドプロバイダーである。世界中のデータセンターから、コンピュートやストレージ、データベース、機械学習、アナリティクス、AIなど、200以上のフル機能のサービスを提供し、大企業や政府機関から中小企業、スタートアップ企業まで数100万の顧客が利用。さらに、10万社以上のパートナーエコシステムを構築している。

 AWSジャパンの長崎忠雄社長は、「CEATEC 2022のテーマである“経済発展と社会課題の解決を両立するSociety 5.0の実現を目指し、 あらゆる産業・業種の人と技術・情報が集い、共創によって未来を描く”は、クラウドサービスによりお客様や社会の課題解決およびイノベーションを支援するAWSが目指していることと重なると感じています。クラウドの活用は、オンプレミスに比べて温室効果ガスの排出量を削減できるなど、サステナビリティにも貢献しながらDXの実現を支援します。CEATEC 2022では、AWSのクラウドサービスでどういった成果が生まれているのか、展示協力企業18社の具体的な事例などを通じてぜひ御覧いただきたいと思います」と語る。

AWSジャパンの長崎忠雄代表取締役社長

CEATEC 2022の開催趣旨と、AWSジャパンの目指す方向性が合致

 そもそも、なぜAWSジャパンが、CEATEC 2022に出展するのか。

 アマゾン ウェブ サービス ジャパン マーケティング統括本部イベントマーケティング本部の佐藤孝部長は、「CEATEC 2022の開催趣旨と、AWSジャパンの目指す方向性が合致していたことが理由のひとつ。AWSのクラウドサービスが、Society 5.0の実現や、サステナビリティの取り組み、日本企業のDXの推進にどう貢献をしているのかを、多くの人に知ってもらいたいと考えた」と語る。

 CEATEC 2022の開催趣旨は、「経済発展と社会課題の解決を両立するSociety 5.0の実現を目指し、あらゆる産業・業種の人と技術・情報が集い、共創によって未来を描く」となっている。

 「AWSは、インフラであるクラウドサービスを提供しているが、Society 5.0やサステナビリティの実現を担うのは、クラウドサービスを利用しているAWSのお客様およびパートナー様。これらの企業とともに出展することが、AWSのサステナビリティへの貢献を理解してもらうことにつながる」

「AWSはこんなこともやっているんだ、と思ってほしい」会場中心部のパートナーズパークに出展

 AWSのブースは、会場のほぼ中心部に用意されたパートナーズパークに設置され、AWSジャパンの趣旨に賛同した18社のパートナー企業が共同で展示を行う。

 パートナーズパークは、CEATEC 2022で初めて用意されたエリアであり、「デジタル田園都市」をテーマに、あらゆる産業や業種のパートナーが一緒に展示を行うSociety 5.0による未来社会を体現する「共創エリア」と位置づけている。

ブースイメージ

 「出展を検討していたときに、パートナーズパークの企画が進んでいることを知った。これはAWSジャパンが目指す方向性と同じであると考え、AWSのお客様との共同出展という形で進めることにした」

 AWSジャパンは、独自イベントのAWS Summitを毎年開催しているが、約2年前に、AWSの技術展示だけでなく、パートナー企業による展示を増やすことを検討していたという。だが、コロナ禍で完全オンライン開催へと移行したことで、その取り組みは実現しないままだった。

 「AWS Summitで実現できなかった2年越しの思いが、CEATEC 2022で実現できる」と、AWSジャパンの佐藤部長は笑う。

 こうした背景もあり、AWSジャパンでは、パートナーズパークにおいて、「持続可能(サステナブル)な社会」という切り口で出展することを決めた。

 AWSジャパンの出展形態は、CEATECが目指す「共創によって未来を描く展示会」という趣旨とも合致したものになっているというわけだ。

ブース内のレイアウト

 その一方で、CEATEC 2022への出展について、こんな狙いも明かす。

 「年次イベントのAWS Summitへの来場者はAWSに関心を持っている企業が中心になる。それに対して、CEATECの場は、AWSのことを知らないという人たちも数多く来場する。AWSはこんなこともやっているんだ、ということを理解してもらえる場にしたい。そして、一緒に出展するパートナー企業のサステナビリティなどへの取り組みについても、これまで接点がなかった来場者に訴求できると考えている」

 過去2年間の完全オンライン開催では、企業名やテーマから検索し、バーチャル空間の展示ブースを訪問することが中心となっていたため、AWSの名前を知っていたり、最初からにAWSに関心を持っていたりする来場者の訪問が多かった。だが、幕張メッセ会場でのリアル展示では、会場のなかを歩きながら、関心を寄せてフラっと立ち寄るといったケースが多く想定される。

 「そうした来場者に対しても、AWSのクラウドサービスと、パートナー企業による成果を訴求し、クラウドをもっと身近に感じてもらえることを期待している」

 AWSを知ってもらうきっかけを生むことは、CEATEC 2022に出展する大きな狙いとなっている。

パートナー企業は18社、ソニーやクックパッド、ナビタイムからスタートアップまで幅広く

 AWSジャパンのブースに出展するのは、石坂産業、CalTa、DATAFLUCT、ENECHANGE、i Smart Technologies、TBM、UPDATER、アスエネ、ウイングアーク1st、エムスクエア・ラボ、クックパッド、グリッド、ゼロボード、ソニーグループ、ナビタイムジャパン、リデル、日置電機、日立製作所の18社である。

 顔ぶれは、大手企業からスタートアップ企業まで幅広く、BtoBやBtoCを問わず、業種も、業界も様々である。展示内容はサステナビリティにフォーカスしているが、それでも、脱炭素ソリューション、気候変動、エネルギー、IoTなど多岐に渡る。

 たとえば、ENECHANGEでは、電気自動車向けの充電設備を導入できるオールインワンサービス「エネチェンジEVチャージ」を出展し、ナビタイムジャパンでは、EV専用カーナビアプリ「EVカーナビ by NAVITIME」を展示するが、このサービスを組み合わせることで、目的地までの距離から逆算してバッテリー残量を予測。適切なタイミングと場所で、EVの充電ができるようにドイラバーを支援するサービスを紹介する。

 いずれもAWSのクラウド上でサービスを展開しており、エネルギーの未来を示すことができる内容だ。

電気自動車向けの充電設備を導入できるオールインワンサービス「エネチェンジEVチャージ」

EV専用カーナビアプリ「EVカーナビ by NAVITIME」

農業分野向けスマートモビリティ四輪台車「モバイルムーバー」

 また、エムスクエア・ラボでは、NEDOの委託業で開発中の農業分野向けスマートモビリティ四輪台車「モバイルムーバー」を初めて参考展示する予定であり、台車幅を自動で伸縮できることから、温室のような屋内の狭い幅でも無理なく走行できる特徴などを訴求する。

ソニーのペットロボット「aibo」

 そのほか、AmazonのEchoシリーズを活用した見守りサービスや、ソニーのペットロボットであるaiboを利用した家庭のなかで人とつながることで生まれる喜びの提案なども行う予定だ。

 アマゾン ウェブ サービス ジャパン マーケティング統括本部イベントマーケティング本部の山下香欧氏は、「出展するパートナー企業には、モックアップではなく、できるだけ実機を展示してもらうようにお願いし、実機を使ったデモストレーションを行えるようにしている」という。

 AWSジャパン独自の取り組みとしては、ブース上部にカメラを設置し、機械学習による物体検知を用いてブース内への来場者の混雑状況を可視化する仕組みを開発。リアルタイムで混雑状況を示すことで、感染症における安全性を来場者自身でコントロールが可能になる仕組み。この成果は、次回のAWS Summitにおいて、サービス内容を進化させて活用する予定だという。これをAWSジャパンの今年度の新卒者が中心になって開発したという点もユニークだ。

サステナビリティに寄与する新素材を使った製品例。TBMの資料より

 さらに、サステナビリティの観点では、AmazonとGlobal Optimismが2019年に共同で立ち上げた「The Climate Pledge」についても紹介。パリ協定の目標より10年早い2040年までに、ネットゼロカーボンの達成を約束するこの取り組みには、日本の企業として、石坂産業、TBM、花王、NECの4社が参加している。

【そのほかの出展ブース(抜粋)】

「現場監督や設備管理などのコスト削減」を主題としたCalTaのサービス

日立の地中可視化サービス

電力の生産者と消費者をブロックチェーンでつなぐ仕組み。UPDATERが出展

グリッドが出展する、脱炭素経営シミュレーター

 「AWSジャパンのブースにくれば、来場者の生活やビジネスになにかしら関係があるものに出会うことができる。クラウドはすべての人が利用できるものであり、クラウドによってDXが推進できることを体感してもらいたい」とする。

 ちなみに、ブースづくりにおいても、リサイクル材料を活用したり、できるだけ廃棄物が出ないように配慮しているという。こうした取り組みも、サステナブルをテーマに掲げたAWSジャパンならではのものだといえるだろう。

ブースづくりそのものでもサステナビリティ向上に取り組んでいる

「実は多くの人がAWSを活用していることを知ってもらいたい」

 CEATEC 2022は、ハイブリッド開催となっており、幕張メッセ会場のAWSジャパンブースに出展する各社の展示内容は、オンライン展示会場でも見ることができる。

 「会期中に会場に足を運ぶことができなかった人たちはもちろん、幕張メッセ会場に行ったが、時間がなくて、ゆっくり見ることができなかった場合や、もう一度見てみたいという場合、あとから話題になっていたことを知り、会場では見逃してしまった場合なども、ぜひオンライン展示会場を訪れてほしい。すでに、各社の展示内容も確認できるので、幕張メッセ会場を訪れる前のチェックにも活用してほしい」とする。

 一方、開催前日となる10月17日のオープニングイベント(招待制)では、AWSジャパンの長崎忠雄社長が登壇するほか、パートナーズパーク内のトークステージでは、AWSジャパン パブリックセクターによる「地域を繋ぐデジタル田園都市構想の実現~クラウドが紡ぐ共創」をテーマにしたセミナーを開催。さらに、AWSジャパンブース内では、1日14回のセッションが用意され、AWSジャパンやパートナー企業各社による説明が行われるという。

 このように、CEATEC 2022におけるAWSジャパンのブースは、「持続可能な社会をAWSのクラウドで」という出展テーマに合致した展示が目白押しになっている。

 AWSジャパンの佐藤部長は、「クラウドサービスはお客様のビジネスを支えるテクノロジーであるが、AWSのクラウドサービスがすでに多くの企業で利用されていることや、知らないところで多くの人がAWSのクラウドサービスを活用していることも知ってもらいたい。また、サステナビリティにおいても幅広く活用され、クラウドサービスが大きく貢献していることも知ってもらいたい。そして、CEATEC 2022の会場を、AWSジャパンやパートナー企業と、来場者とのマッチングできる場になることにも期待している」と語る。

 AWSジャパンのブースは、クラウドサービスが様々なシーンで使われ、サステナブルにも貢献していることを強く感じることができる内容になりそうだ。

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