「いま消費者が考えているのは 寿命 や免疫、長生きできる方法」:オーラリングで知られるオーラ社のトム・ヘイル氏とカリーナ・コーガン氏

DIGIDAY

ヘルストラッカーは、決して新しいデバイスではない。だが、300ドル(約43,500円)のオーラリング(Oura Ring)で知られるオーラ社(Ōura)はテクノロジー、ウェルネス、デザインをシームレスに融合させ、キム・カーダシアン氏、ジャック・ドーシー氏、ヘンリー王子などがリングを愛用している。オーラ社のCEOであるトム・ヘイル氏によると、同製品が注目されるようになったのは睡眠にフォーカスしているからだという。

「ほとんどのフィットネストラッカーはより多くの活動を行うことや、運動を始めること、外に出ることに重点を置いている。リラックスして回復しよう、しっかり休もうというのが私たちの姿勢だ」と同氏はGlossyビューティ・ポッドキャストの最新エピソードで語った。

CMOのカリーナ・コーガン氏も「いまは疾病のケアではなく、疾病を予防するセルフケアに移行するムーブメントが起きている。これまでは健康関連のトラッキングというと、カロリーや歩数が注視される傾向にあった。減量が主な目的だったからだ」と語る。「今、消費者が考えているのは寿命や免疫、長生きできる方法だ」。

オーラリングの親会社であるフィンランドのオーラ社は2013年に設立し、キックスターター(Kickstarter)で出資金を集めた。他のテクノロジーと同様、第一世代のオーラリングは大ぶりなデザインだったが、技術の進歩により洗練されていった。同社は現在までに約150万個の指輪を販売し、企業価値評価は25億5,000万ドル(約3,700億円)に上る。

9月末に同社が発表した最新型の第3世代オーラリング「ヘリテージ(Heritage)」は結婚指輪を彷彿とさせる形で、今回からカラーバリエーションにローズゴールドが加わった。心拍数、体表温、血中酸素飽和度などの測定機能を引き継いだ他、より多くのオプションが提供されている。

以下はポッドキャストで語られた内容を読みやすさのために要約し、編集を加えたものである。

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カルチャーのシフト

コーガン氏:「健康の定義が広がり、歩数や消費カロリーだけを意味するものではなくなった。どれだけ良く眠れたか、レム睡眠や深い睡眠はどれだけ含まれていたか、身体面あるいは感情面のストレスをどの程度抱えているか、そして身体から取得したさまざまな数値や指標に注意を払うといったことも含むようになった。消費者は指標に慣れており、スコアにはゲーム的な要素もある。オーラが提供するスコアは、コンディション、睡眠、アクティビティの3種類で、これらはガイドとして役に立つ。消費者が求める指標は、範囲が拡大している。消費者は、自分たちの生活を最適化したいと考えているのだ」。

お金を払う価値があるデバイス

ヘイル氏:「ウェアラブルの価格は200ドル(約28,800円)から1,000ドル(約144,000円)までと幅広い。私たちの商品はウェアラブルの、まさにスイートスポットにあるといえる。ファッションリングと比較すると、それほど高額ではないことがわかる。そして何に対してお金を払っているかと考えてみると、対価として得られるものは自分自身の健康だ。これは、健康はプライスレス、という例のひとつで、自分の健康を維持し、向上するためにいくら支払うだろうか? ほとんどの人にとって299ドル、あるいはカラーバリエーションによって価格が多少上がったとしても、自分の健康と比べればわずかな額だろう。だから消費者はその価値に対して、お金を払う。私たちはユニークかつ特別な価値を、ゆっくり時間をかけて提供している。今年の初めにグッチ(Gucci)とコラボレートしたリングは大成功だったが、誰もが少し驚いたことだろう。価格は1,000ドルもするのに、1年分の在庫を6週間で売り切ったのだから」。

不確実な未来に備える

ヘイル氏:「COVID、戦争、経済の動揺、インフレなど、さまざまなことが世界で起こっている。人々はこれまで以上にストレスを感じており、私たちのミッションはますます重要になった。人々が今置かれている状態を理解することを助け、彼らのニーズを満たし、サポートすることができれば、それは非常にやりがいがあること。大きな成果を求めているわけではなく、いまこの地球で本当に多くのストレスに直面している人々のためになることをしたいと考えている」。

[原文:Oura’s Tom Hale and Karina Kogan: ‘Consumers are thinking about longevity’

PRIYA RAO(翻訳:田崎亮子/編集:山岸祐加子)

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