「顧客の パーソナライズ されたニーズを満たすのは、データとヒューマンタッチ」スティッチフィックスのロレッタ・チョイ氏

DIGIDAY

パーソナルスタイルサービスのスティッチフィックスのチーフマーチャンダイジングオフィサー、ロレッタ・チョイ氏によると、データは顧客のパーソナライズされたニーズを満たす上でもっとも重要な要素のひとつであるという。またデータを適応させて分析するチームの能力が事業を維持できた鍵だったと述べている。

パーソナルスタイルサービスのスティッチフィックス(Stitch Fix)のチーフマーチャンダイジングオフィサー、ロレッタ・チョイ氏によると、データは顧客のパーソナライズされたニーズを満たす上でもっとも重要な要素のひとつであるという。

チョイ氏は2019年に同社に入社したが、その数カ月後にパンデミックが職場の混乱を引き起こした。同氏は、データを適応させて分析するチームの能力が事業を維持できた鍵だったと述べている。チョイ氏のチームは何十億ものデータポイントを使って、導入すべき製品や新しいカテゴリーについて理解した。同氏のリーダーシップによりスティッチフィックスは消費者のショッピングトレンドの変化に気づいて、アスレジャーとアクティブウェアを追加した。

チョイ氏はGlossyポッドキャストの最新エピソードで次のように述べている。「『パンデミックのあいだ、(消費者に)ふさわしいアパレルを提供するにはどうすればよいか?』と考えていた。顧客からの(要望の中には特定の)アイテムについてのものもあったが、エンドユースについてのものが多かった。つまり『外見やワードローブをどうシフトできるか』ということだった。そのようなことが受け取った重要なデータインプットだった」。

チョイ氏には従来の小売環境で20年近い経験があったが、スティッチフィックスに入社した際には新たに学ばなければならないことが多少あったそうだ。だが、転職によって個人的な成長が可能になったという。現在では自分の任務に慣れてきたチョイ氏は同社のメンズ、キッズ、ウィメンズウェアをもっと多くのアパレルカテゴリーに拡大することに注力している。

拡大へのチョイ氏の取り組みはスティッチフィックスの成長戦略に沿ったものだ。同社は9月20日に行われた第4四半期決算報告で、小売市場の激動により同四半期の純収益とアクティブな顧客は予想を下回ったと発表した。しかし、チョイ氏は意図的にデータを活用してサービスが十分行き届いていない層にリーチして多くの顧客獲得を目指している。

以下、読みやすさのために若干編集してポッドキャストからの追加のハイライトを紹介する。

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パンデミック中の対応

「(パンデミックが始まって以来)あらゆる業務を進化させなければならなかった。スティッチフィックスの品揃えについて考えてみると、我々はプライベートレーベルの独占的な複数のブランドを作っているわけだ。なので、デザインチームと製品開発チームは(直接会って)製品に触れる必要がある。パンデミックのあいだはすべてを自宅に持ち込んで、優れたフィット感や手触り、美しいスタイルを提供するという期待事項を確実に満たせるようにした。在宅勤務だったチームはお互いに製品を送り合って(その期待事項を)満たすことができた。当社が購入していたブランドについては、豊富な選択肢を顧客に提供できるようにチームとクリエイティブに協働した。デジタルルックブックを見たり、オンラインで当社のマーケットウィークを開催したりした。あらゆることが変化したが、また対面で仕事ができるようになって嬉しい」。

ヒューマンタッチとデータドリブンデザインのバランス

「チームと話し合い、(データを)評価して理解し、それを実際に起こっていることに関連づける。新型コロナウイルス感染症は(ヒューマンな要素の重要性を示す)優れた例だ。製品について非常に多くのポイントを学んで、うまく機能していることは何か、そうではないことは何か、フィット感の詳細を(データを通じて)理解することができる。だが、パンデミックになったときに顧客が全身の服装をどのように変更するかはデータからはわからない。(データが)トップスだけにフォーカスすることはできるかもしれない。そのような状況では洞察のバランスを取るためにヒューマンタッチがやはり必要な場合がある。スティッチフィックスの強みはまさしくアートと科学であると繰り返し言ってきた。ヒューマンタッチは当社が行うすべての決定に関与している」。

サイズインクルーシビティの重視

「米国では、女性の70%、または約70%がサイズ14以上だ。この集団、そして十分なサービスを受けていない顧客の数を知っているがゆえに、(サイズのインクルーシビティに)適切に対応して、それをブランドパートナーと実行するという大きなチャンスを理解している。当社だけで違いを生み出すことはできない。ほかのブランドがサイズインクルーシビティを実現するサポートをしたいと思っている。ただし、(プラスサイズの)フィットや顧客が必要としているものを十分に把握しておらず、このコア顧客ベースからすでに利用されていない場合にはこれは難しい提案だが。これは(スティッチフィックスの)秘訣の一部だ。(プラスサイズの)顧客をどう支援できるかについて、またビジネスのその部分を成長させるためにお互いをどう支援できるかについて、多くのブランドと話し合っている。(プラスサイズ向けの)プラス(plus)を2017年にローンチした。この部門には毎年投資しており、ローンチ以来前年比で一貫して成長を遂げている。顧客からの意見やフィードバックはこの部門を成長させるのに役立っており、(戦略の方向づけには)データポイントをいつも活用している」。

[原文:Stitch Fix’s Loretta Choy: ‘Every part of the work we do has had to evolve’

TATIANA PILE(翻訳:ぬえよしこ、編集:山岸祐加子)


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