Intel、EvoブランドのノートPCとAndroid/iPhoneを連携させるツール「Unison」

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Intelが公開したUnisonの利用イメージ

 Intelは9月27日(現地時間)より米国カリフォルニア州サンノゼ市で開催されている同社のプライベートイベント「Intel Innovation 2022」の開催に合わせて報道発表を行ない、同社が定めているユーザー体験を実現している製品に付与している「Intel Evo」のブランドをつけたノートPC向けに提供する新ツール「Unison」(ユニソン)を発表した。

スマートフォンがかばんの中にあっても、PCからSMSや電話がかけられ、ファイル転送を可能にするUnison

 Intelは第12世代Coreモバイル・プロセッサー(以下第12世代Core)を搭載したノートPC向けのプログラムとして「Intel Evo」を展開している。Intelが規定している、バッテリ駆動時間、応答性などのよりリッチなユーザー体験を満たした製品にだけつけることが許されるブランド名で、Evoのロゴシールが貼られたPCはそうした要件を満たした高性能なPCであることを示している。

 今回Intelが発表されたUnisonはそうしたEvoブランドのノートPC向けに提供されるソフトウエアで、PCとスマートフォンを接続して連携する機能を提供する。具体的には以下のような機能が提供される。

  1. スマートフォンに触らなくてもSMSのテキストメッセージをPCから送受信できる
  2. PCから電話の送受信が行なえる
  3. スマートフォンへの通知をPC上に表示することができる
  4. PCとスマートフォンの間で写真や動画、さらにはそのほかの形式のファイルを相互にやりとりできる

Unisonが動作している様子、スマートフォンのSMSがPC上からも見えている

 いずれもグラフィカルなユーザーインターフェイスが用意されており、ファイルの転送などはスマートフォンのストレージのデータをPC上に表示し、ドラッグ&ドロップでファイルを転送することなどが可能になる。例えば、動画や静止画をPC側のツールで編集し、その後それをスマートフォンに戻し、SNSにスマートフォンからアップデートする、そうした使い方が想定されている。

Unisonではスマートフォンの写真などをPCから確認し、ドラッグ&ドロップでPowerPointに取り込んでなどが可能に

PCから電話で通話したりも可能に

 第12世代CoreのEvoブランドPCには、WindowsとChrome OSの2種類があるが、UnisonでサポートされるのはWindowsのみ。また、スマートフォン側のOSはAndroidないしはiOSとなり、今後発表されるサポート要件を満たすバージョンのAndroidやiOSに対応している必要があるとIntelは説明している。

Windows標準「スマートフォン連携」との最大の違いはiOSサポートで、iPhoneでも利用できる

Unisonはまずいくつかの第12世代Core搭載Evoシステムに搭載され、第13世代Evoではさらに広範囲に採用される予定

 Intelがこうした製品を発表した背景には、昨年(2022年)の12月にイスラエルのスタートアップ企業であるScreenovate Technologiesを買収してIntelの内部に取り込んだことがある。

 Screenovate Technologiesは、Dellが提供している「Dell Mobile Connect」(ないしはAlienware向けのAlienware Mobile Connect)の開発元などとしても知られており、Dell Mobile ConnectのAndroid OS、iOSアプリなどは同社の名義で提供されている(既にDellは2023年1月31日をもってDell/Alienware Mobile Connectのサービスを終了すると発表している)。今回発表されたUnisonはそうしたScreenovate Technologies由来の技術を利用したもので、Unisonの元になったこうしたマルチデバイスソフトウエアのデモは、今年の1月にIntelがオンラインで行なったCES 2022の記者会見で紹介されていた。

 同じような機能は既にMicrosoftのWindows 10/11向けに提供されている「Microsoft スマートフォン連携(英語名:Microsoft Phone Link)」アプリがあるが、Windows標準のスマホ同期とUnison(そして同じ技術が元になっているDell Mobile Connect)の最大の違いは、iOSデバイスのサポートにある。スマホ同期は基本的にAndroidスマートフォン向けの機能で、iOSに同期用のアプリなどは用意されていない。日本のスマートフォン市場で最大シェアのiPhoneが利用できることがUnisonの大きなアドバンテージとなる(ただ、Intelは現時点では詳細を明らかにしていないが、Dell Mobile ConnectでもiOS側の制限でAndroid版ではできたが、iOS版では実現されていない機能があったので、それは同様である可能性は高い)。

 なお、このUnisonは、これから発売される計画の、選択されたEvoブランドのノートPCにバンドルされる形で提供され、既に発売されているEvoブランドのPCに提供される予定は現時点ではないという。Intelによれば、今年(2022年)の年末に向けて発売されるAcer、HP、Lenovoの第12世代Core搭載EvoブランドのノートPCにバンドルされる計画。そして2023年に発売が予定されている第13世代Core搭載のEvoブランド・ノートPCではより多くのモデルで搭載される計画だ。

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