賃貸で住みたい街1位は大宮…プチ郊外人気を支える“安売り天国”の物価事情

ビジネスジャーナル

大宮駅西口(「Wikipedia」より)
大宮駅西口(「Wikipedia」より)

 不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME’S」が発表した『住みたい街ランキング』2023年版中間結果によると、首都圏で借りて住みたい街の1位に「大宮」が踊り出たばかりか、ランキング上位を占めるのは準郊外エリアがすらりと並ぶ事態になったという。

 当調査はイメージ頼みの人気投票ではなく、実際の物件問い合わせ数をもとにしたランキングのため、「本気」で住みたいエリアを示すと説明されている。同じ調査でも「買って住みたい街」の方は資産価値の高い都心部が顔を出すものの、賃貸となると2022年版で1位になった「本厚木」(2位)のほか、八王子(3位)、柏(4位)など、「憧れの街」とは言い難い地名がずらりと並ぶ奇妙な光景となるのだ(「LIFULL HOME’Sコロナ第7波下で変化の兆候?住みたい街ランキング<2023年版中間結果>」より)。

 一つには、ご想像通りコロナ禍の影響がある。テレワークが定着し、必ずしも毎日通勤電車に揺られる必要がなくなったため、職住近接の都心部を選ぶインセンティブが薄まったこと。また、寝に帰るだけなら十分だったワンルームや1LDKも、そこで働くとなるとさすがに手狭で息がつまる。それならばと、郊外でも広めの物件を求める人が増えたとの要因もあるだろう。

 コロナ前はベスト4に入っていた池袋や中野、高円寺はコロナ禍が顕在化した2020年調査から順位を落とし、今回の2023年版中間結果ではベスト10からも脱落している。年後半の数字を入れた最終結果は来年に発表されるが、ここから大きく変化するのかまだわからない。

ランキング上位はコスパがいい街?

 今回上位となった街には共通の強みがあるという。「大宮」は都心部へは電車で30分程度、2位以下の「本厚木」「八王子」「柏」「三鷹」はいずれもJR山手線のターミナル駅まで乗り換えなし、最短20~40分程度でアクセス可能だ。駅周辺に生活に必要な施設が整っており、都心アクセスも便利な「コスパがいい」街が選ばれているというのだ。

 しかし、“人気エリアの郊外化”の理由はコロナ禍だけではないと、LIFULL HOME’S総研副所長・チーフアナリストの中山登志朗氏は分析する。このところ我ら生活者を悩ませている物価高がそれだ。

 上位4エリアの平均家賃(専有面積50㎡以下)は、5万円台後半から7万円未満。都心に比べると割安だ。とにかく東京23区に住むには住居費がかかる。人気エリアではワンルームでも10万円超えとなり、収入の半分近くが家賃に消えてしまうという若者も少なくないだろう。住居費を1万でも2万でも圧縮できれば、そのぶん支出に回せる。しかも、食品をはじめ生活必需品の値上げが止まらない中、今のうちに少しでも固定費を削りたいというのは人情だろう。

郊外エリアはディスカウントストア天国という一面も

 コスパという面で、もう一つ触れておきたいのが大型ディスカウント店の存在だ。都心部では家賃や床面積、駐車場等の問題があり、大規模なディスカウントショップの出店は難しい。そうした店は、埼玉県や千葉県、神奈川県のロードサイドに向かう。土地が広く確保できるので、店の規模も大きくでき、品ぞろえも豊富だ。

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