簡易NASに作業データをバックアップすることで、メインマシンがシャットダウンしていても、ファイルにアクセスすることが可能になった。せっかくなので、この簡易NASをもっと色々と便利に使ってみたい。
……この記事を書いている時点で、東京都でまん延防止等重点措置が解除されてから186日が過ぎた。
私が勤めている新宿にある中小企業では現在、各スタッフが可能な範囲でリモートによる業務を行っている。その中で、今回は家中にある色々なデバイスから、簡易NASにアクセスしてみた。
9月14日(水):簡易NASからファイルをDL、iPhoneがUSBメモリ代わりに
我が家で利用しているWi-Fiルーター「Archer AX73」に外付けHDDを接続。作業データバックアップ用の簡易NASとして使い始めてから1カ月近くが過ぎた。接続したPCから電源制御している時とは違い、HDDの電源が長時間つけっぱなしのように見えるのが気になるが……、いちいちPCを起動しなくても、LAN経由でファイルにアクセスできるのは便利だ。
中でも気に入っているのが、iPhoneからもファイルにアクセスできること。筆者はオンラインストレージへのアクセスに「Documents by Readdle」というアプリを使っているが、これにアドレス情報などを登録することで、簡易NASにワンタップでアクセスできるようになった。
今日もメインマシンをシャットダウンした後、外出時に持ち出すファイルがあったことに気が付いたのだが、「Documents by Readdle」から簡易NASにアクセス。ファイルをiPhoneにコピーすることで、メインマシンを再び起動しなくて済んだ。iPhoneをUSBメモリのように利用でき、ちょっとしたファイルならそのまま画面で確認できるので重宝している。
9月15日(木):「Fire TV Stick」経由で、リビングからも簡易NASにアクセス
iPhone以外にも簡易NASに接続できたら便利そうなデバイスとして、「Fire TV Stick」を利用することを思いついた。リビングのテレビにパパッと作業中のファイルが表示できれば、食事中などに急な仕事の電話があった時にも便利そうだ。
「Fire TV Stick」からLAN上のデータにアクセスするには、ファイルエクスプローラーのアプリが必要になる。今回はAndroidタブレットでも利用している、「ES File Manager | File Explorer」を利用することに。さっそくインストールして、簡易NASのアドレスを登録すると、画面上にフォルダ型のアイコンが表示された。以降はこれをタップすることで、素早く保存ファイルにアクセスできるようになった。
ただ、「ES File Manager | File Explorer」では、WordやExcelなどのMS Officeファイルを開くと文字化けしてしまった。アプリストアにMS Officeファイルを開けそうなアプリが見当たらなかったので、Androidスマホ向けのアプリをAPKファイルからインストールする必要があるかもしれない。
また、動画の再生については有料版の機能のようだが、「VLC for Fire」――メディアプレイヤーアプリ「VLC media player」の「Fire TV Stick」版などをインストールすれば、ファイルの再生が可能になった。とはいえ、この構成では動画をWi-Fi経由でダウンロードしながら再生するため、端末とWi-Fi環境にある程度の処理速度が求められる。筆者の手持ちの「Fire TV Stick」では、4K画質の動画を再生しようとすると、コマ落ちが発生してしまった。
9月16日(金):「PlayStation4」でも簡易NASの動画が再生できた
簡易NASに保存した動画資料をいろいろな場所で観られると便利そうなので、他にも再生できるデバイスがないか探してみたところ、「PlayStation4」での視聴も可能だった。
「PlayStation4」には標準で「メディアプレーヤー」というアプリが用意されており、これを起動するとLAN上のデバイスを表示。そこに保存された画像や動画を接続したテレビで視聴できる。アドレス情報などを登録する必要もないので、これまで紹介した中でも“一番簡単に簡易NASの動画を再生する方法”といえるかもしれない。
なお、メディアプレーヤーの画面にはHDDレコーダーの「DIGA」も表示されたが、録画ファイルを再生することはできなかった。これは、PCの「Windows Media Player」でストリーミング視聴しようとした時も同じだったが、やはりDTCP-IPによるプロテクトが効いているらしい。
9月21日(水):「popIn Aladdin」で簡易NASの動画を大画面視聴!
今日は自宅でテレワーク。仕事が終わった後、リビングでテレビを観ようと「popIn Aladdin」を起動すると、「利用可能なサーバー」画面に簡易NASが表示された。どうやら、ここからも簡易NASに保存した画像や動画を視聴できるらしい。
なお、TP-LinkのルーターはDLNAに対応しており、「PlayStation4」や「popIn Aladdin」は簡易NASをDLNAサーバーとして利用している。このため、文書ファイルなどは表示できないが、アドレス登録などの初期設定が必要ないので、導入のハードルは低いと言えるだろう。
アクセス環境を整備したことで、家中の色々な場所から簡易NASにアクセスできるようになった。PCをシャットダウンしてから仕事部屋を出ても、バックアップしたデータにアクセスできるので、いろいろなシーンで活躍してくれそうだ。