ヘアケア の次のトレンドは、白髪予防や白髪対策ブランド:脱毛よりも悩む人のほうがはるかに多い

DIGIDAY

2020年以降ヘアケアはイノベーションに対する準備ができている。注目のもっとも新しいサブカテゴリーは白髪だ。現在、インディーズブランドのヴェガモア(Vegamour)やアレイ(Arey)など白髪対策を専門としたりその分野に拡大しているブランドや製品が登場している。

2020年以降ヘアケアはイノベーションに対する準備ができている。注目のもっとも新しいサブカテゴリーは白髪だ。

白髪対策ブランドの台頭

白髪を元の色に戻したり白髪を予防したりするなんて疑わしいと思うかもしれない。しかし、酸化ストレスや感情的なストレスなどの非遺伝的要因と早すぎる白髪との関連性は研究では示されている。実際、トラウマになるような出来事を経験して一晩で白髪が生えたとかすべて白髪になってしまったという話は何世紀にもわたって存在する。現在、インディーズブランドのヴェガモア(Vegamour)やアレイ(Arey)など白髪対策を専門としたりその分野に拡大しているブランドや製品が登場している。また、メイラキ(Mayraki)、ファイト(Phyto)、ヘイヘア(Hey Hair)のようなヘアケアブランドは再色素沈着に対応している。50歳の時点で少なくとも頭髪の半分が白髪になる人は世界で6〜23%だという。

白髪用サプリのアレイ

アレイは2021年3月、ノットトゥデイグレイ(Not Today Grey)というサプリメントでローンチした。この製品はビタミンD、ビタミンB6とB12、銅、ビオチン、そして特許出願中のパラアミノ安息香酸、黒ゴマ抽出物、ツルドクダミの根のブレンドが売りだ。アレイはシャンプーやコンディショナーを含む6製品を販売している。サプリメントは60カプセル入り(1カ月分)が40ドル(約5700円)、サブスクリプションは34ドル(約4900円)。アレイの共同創業者、アリソン・コンラッド氏によるとサブスク購入者は5500人だという。アレイは今月カナダでローンチしたが、2023年1月には英国やオーストラリアなどの国際市場に進出する予定がある。ターゲット顧客は若くして白髪が生えてきた人たちで、男女比は半々だ。しかし、アレイは対処法的なブランドとしてではなく予防的なブランドとしての地位を確立したいと考えているという。

「アレイは、ヘアケにおけるシワ対策クリームとして、つまり白髪が増える前に関与したいと思っている。なぜなら、(白髪が増えてしまった人には)苦しい闘いが待っているからだ」と述べているのは、共同創業者のジェイ・スモール氏だ。「ヘアケアの多くは対処的だ。健康な髪は頭皮から生まれるのだから、白髪になってから(何らかの製品の)使用を薦めるのではなく予防的なヘアケアの教育が重要だ」。

白髪予防へのフォーカスのシフト

白髪についての話題をその「予防」へと変えてゆくことは、脱毛、ボトックスのような神経伝達物質SPFなどのアンチエイジング製品としてリブランディングされたほかのカテゴリーの変遷を彷彿とさせる。アンチエイジングのスキンケアは特に予防にフォーカスしているため、ある意味、ヘアのスキニフィケーション(ヘアを肌のように扱うこと)はこの予防という新しいアプローチのおかげであると言える。2016年に脱毛ブランドとしてローンチし、6月には再色素沈着に拡大したヴェガモアの場合、これは「プリリジュビネーション(若返りの前段階)」という発想に含まれる。

再色素沈着を促すヴェガモアの製品

「少量の予防は大きな治療に値する。メラニンの機能障害を回復させるよりも自然な髪の色を維持するほうがはるかに簡単だし、抜けた毛髪を再生するよりまだある髪を維持するほうが簡単だ」と述べているのは、ヴェガモアのCEO、ダニエル・ホジドン氏だ。「(グロウエイジレス(Gro Ageless)は)(長期的な販売にとって)非常に重要で、特に国際市場に拡大する際には重要である」。

グロウエイジレスと称するヴェガモアは再色素沈着製品2点を販売している。セラムとサプリメントは単品でそれぞれ78ドル(約1.1万円)、またはD2C eコマースのサブスクリプションでは月額68ドル(約9700円)。この2製品はSephora.comでも購入できる。アレイの製品と同様、サプリメントには銅やパラアミノ安息香酸、さまざまなビタミンBが含まれている。

ヴェガモアは4月にプライベートエクイティの大手、ジェネラルアトランティック(General Atlantic)社から 8000万ドル(約114億円)の少数株資金を受けた。そのときのGlossyレポートによると、ヴェガモアの2021年の予想収益は9000万ドル(約129億円)、売上の51%がサブスクリプションによるものだということだった。ホジドン氏は、顧客の45%が18歳から34歳の女性であり、55%が35歳以上であると述べている。

アレイの場合は、健康とウェルネスの内面と外面という要素について、そしてライフスタイルの習慣と感情的なウェルネスが体調の不調や白髪といった形で身体に現れることについて顧客を教育しようと試みている。企業の社会的責任を超えてビューティ業界とメンタルヘルスの関係は明らかに発展しつつあり、これはセルフケアと美容習慣の良好な関係に見ることができる。

コンラッド氏は次のように述べている。「白髪は巨大な市場だ。カテゴリーを立ち上げるときには、それがカテゴリーになるのかと問われるので作成は難しい。だが、脱毛よりも白髪に悩む人のほうがはるかに多い」。

[原文:The next ‘it’ trend in hair care is reversing and preventing gray hair

EMMA SANDLER(翻訳:ぬえよしこ、編集:山岸祐加子)


Source

タイトルとURLをコピーしました