「景気後退に備えた、長い作業の終わりが見えてきたところだ」: BuzzFeed CRO エドガー・ヘルナンデス氏

DIGIDAY

BuzzFeedのCROであるエドガー・ヘルナンデス氏と同氏のチームは、今年5月から景気後退の可能性に備えてきた。

「私たちは景気後退への対策を行い、6月にそれを上級役員たちに提示した。その点では私たちはまるで実際に不況に陥っているかのように取り組んできた」と同氏はDIGIDAYポッドキャストの最新エピソードで述べた。

同社の不況対策は、BuzzFeedの広告ビジネスのふたつの焦点に集約される。それは「効率性とイノベーション」だと同氏は語る。彼はコンプレックス・ネットワークス(Complex Networks)が上場してBuzzFeedに買収される前、同社のCROであった。

「効率性」とは、広告主がBuzzFeedに投資しやすくし、それに対するリターンを確認しやすくすることを意味する。「イノベーション」とは、同社の営業チームがここ数週間で広告主に向けて提供を開始した新しい動画プログラミングのように、消費者の購買意欲が低下している時に、ブランドが目立ち、視聴者の注目を引くのに役立つような広告機会を売り込むことを意味する。

同社は最近の四半期決算報告に見られるように、景気後退の影響を受けているが、広告市場には回復の兆しが見え始めている。BuzzFeedが現在受け取っている、第4四半期の広告に関する提案依頼書(RFP)の量は、昨年と同程度だ。これには、2022年を通して軟調だった家電や小売などの広告主カテゴリのRFPが含まれる。

「市場には今、第4四半期に入るにあたり、事業機会が増える可能性が高まっていることを示す良い兆候が見られる。特に家電製品のようなこれまで困難を抱えてきたカテゴリーは、ほかの四半期よりも活況を呈している」とヘルナンデス氏は語った。

ここでは、会話の要点をいくつか紹介する。長さと明瞭さのために編集が加えてある。

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2022年下期見通し

1年の半分を終えたところで、(第3四半期が)最も厳しい四半期になるかどうか判断するのはまだ難しい。だが、どの企業にとっても厳しい状況であるのは間違いないだろう。また、第4四半期については、RFPの量という点では判断材料があるが、四半期末にどこに到達するかを正確に予測することはできない。

視野に入ってきた第4四半期

第4四半期が第3四半期と比較して好調である可能性を示す良い指標がいくつかある。特に、家電など年間を通して苦戦している分野では、第4四半期は彼らにとって大きな意味を持つ。通常見られるような、大手ブランドからの予約が入り始めている。小売に関しても、主要パートナーだけでなく、市場に参入しようとしているほかの小売業者からも多くの動きが見られている。

両社が持つ強み

どちらにも強みがある。BuzzFeedはコンプレックスよりもプログラマティックな面で強みを持っていたが、コンプレックスを使ってくれているブランドたちにどうやってプログラマティックのプロダクトを使ってもらうのか。両社の事業は20%から30%重複している。ここには、自然でオーガニックな素晴らしい成長機会が存在している。同じことが動画のスポンサーについても言える。

私たちは、「スニーカーショッピング(Sneaker Shopping)」や「ホットワンズ(Hot Ones)」のような番組のスポンサーとして、コンプレックス側で成功をおさめてきた。そこですぐに「BuzzFeed全体として、これをどのように考えるのか」ということについて話し合った。そして私たちは数週間前に新しい動画プログラムを立ち上げ、現在、営業チームは顧客への教育を開始している。

基礎を作る年

今年はまさに「基礎を作る年」だ。統合がほぼ完了し、長い作業の終わりが見えてきたところだ。(4月にBuzzFeedとコンプレックスの営業チームを統合してから)この4カ月間、私たちは多くの仕事をしてきたが、実際にはその上のイノベーションの構築は2023年に始まる。そしてこれは、景気後退があるなか、完璧なタイミングだと考えている。なぜなら、ブランドたちが求めるのは非常に簡単かつ効率的な方法でアクセスできるイノベーションだからだ。

[原文:How BuzzFeed Inc.’s Edgar Hernandez is preparing for a recession while seeing signs of recovery

Tim Peterson(翻訳:塚本 紺、編集:黒田千聖)

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