米AMDは8日(現地時間)、2023年以降に投入するモバイルプロセッサについて新しいモデルナンバーシステムを導入すると発表した。
新しいモデルナンバーシステムでは、4桁目の数字は投入した年を表し、3桁目の数字は市場セグメント、2桁目の数字はアーキテクチャ、1桁目の数字は機能分類(必要な場合のみ)、最後のアルファベットはフォームファクタ(TDP)を表すようになった。順に追って説明すると以下の通り。
4桁目は、“7”であれば2023年、“8”であれば2024年、“9”であれば2025年に投入したモデルを示す。
3桁目は、“1”がAthlon Silver、“2”がAthlon Gold、“3”と“4”がRyzen 3、“5”と“6”がRyzen 5、“7”がRyzen 7、“8”がRyzen 7または9、“9”がRyzen 9となる。
2桁目はアーキテクチャを表し、“1”がZen 1またはZen+、“2”がZen 2、“3”がZen 3またはZen 3+、“4”がZen 4、“5”がZen 5となっている。
1桁目は機能による分類で、0は同セグメントにおける下位モデル、5は同セグメントにおける上位モデル。
最後のアルファベットは、HXは55W以上の最高性能モデル、HSが35W前後の薄型ゲーミング/クリエイター向けモデル、Uが15~28Wがプレミアム超薄型モデル、Cが15~28WがChromebook向け、eが9WのUのファンレス向け製品となっている。
これまでのRyzen 5000モバイルプロセッサでは、Zen 2アーキテクチャとZen 3アーキテクチャのものが混ざっており区別がしにくかったが、アーキテクチャの世代を気にするのであれば3桁目に注視すれば良い、ということになる。
逆に言えば、AMDは旧アーキテクチャのものを7000番台として導入するということでもある。具体的に「Ryzen 3 7420U」というモデルを挙げており、2023年に投入されるものではあるものの、2020年に投入したZen 2アーキテクチャを採用する。余談だが、このCPUのコードネームは“Mendocino”で、一世を風靡したCeleron 300A(128KB L2キャッシュ内蔵版Celeron)のそれと同じだ。
また1桁目の機能の違いについて、同社は例としてZen 4アーキテクチャを採用した超薄型向けの704“0”シリーズ(コードネームPhoenix)と、究極ゲーミング/クリエイター向けの704“5”シリーズ(コードネームDragon Range)という、異なるSoCを提供する予定であり、5は0にはない独自機能を備える。
もっとも、Zen 3とZen 3+の間にはVega GPUなのかRDNA 2 GPUなのかという大きな隔たりがあるため、この区別に1桁目を用いるかどうかは不明ではある。
コメント