AppleがiPhoneからヘッドホンジャックを排除したのは正解だったのか?

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記事作成時点で3.5mmポートのヘッドホンジャックを搭載するのは第9世代iPadのみで、あとはすべてイヤホンやヘッドホンを直接接続することはできません。イヤホンやヘッドホンを使うためにはワイヤレスイヤホン/ヘッドホンを接続するか、LightningポートあるいはUSB Type-Cに挿す変換コネクタを使う必要があります。そんなAppleのヘッドホンジャックについて、Apple関連ニュースメディアのAppleInsiderが解説しています。

Seven years later, Apple was right to kill off the 3.5mm headphone jack | AppleInsider
https://appleinsider.com/articles/22/08/17/seven-years-later-apple-was-right-to-kill-off-the-35mm-headphone-jack

iPhone 7以降、Appleは主要な製品からヘッドホンジャックを排除してきました。発表当時、Appleのこの決定は業界全体を驚かせ、批判の声も多くありました。例えばGalaxyシリーズを展開する競合企業のSamsungは、iPhoneのヘッドホンジャック廃止を揶揄(やゆ)するような広告を何度も出していますが、Samsungは結果としてGalaxy S20からイヤホンジャックを排除しています。

Googleも、「iPhoneと違ってPixel 5aにはヘッドホンジャックがある」というApple風の広告を展開しましたが、結局Pixel 6aではヘッドホンジャックを排除しています。

The Circle Comes Full Circle, with the new Google Pixel 5a with 5G – YouTube
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Appleがヘッドホンジャックを廃止した理由として、同社は「Lightningの方がオーディオ規格として優れている」ことを挙げています。また、ヘッドホンジャックを排除したことで、デバイスの内部により多くの部品を追加できるスペースができたとも述べています。

アナリストやジャーナリストの中には、Appleがヘッドホンジャックを廃止したのはワイヤレスヘッドホンであるBeats by Dreシリーズを売り上げるためだという意見を主張する人もいます。しかし、Appleはヘッドホンジャックをこっそりと排除したのではなく、むしろ2016年の新製品発表会でiPhone 7の売りとして大きく取り上げています。

「iPhone 7」と「iPhone 7 Plus」がついに登場、耐水機能を搭載しイヤホンジャックが消える – GIGAZINE


AppleInsiderは「AirPodsやその他のワイヤレスイヤホン/ヘッドホンが今日大成功しているのを見ると、2016年にAppleがヘッドホンジャック排除にかじを切ったのは間違いだったと主張するのは難しい」と評価しています。同時に、「今日のスマートフォン技術の進歩は、少なくとも一部は老朽化した規格の撤廃のおかげともいえる」とも述べています。

もちろんワイヤレスイヤホン/ヘッドホンは、有線のものに比べると比較的高価なものが多いため、ヘッドホンジャックを搭載した方が消費者にとってシンプルで安価なソリューションとなるという反論もあります。有線のイヤホン/ヘッドホンはワイヤレスのものよりも遅延が少なく、より良い音質を求めるのであれば有線の方がよいといえます。


しかし、これらのプラス面は、Appleにとっても消費者にとっても、ヘッドホンジャックを廃止したことで得られるメリットを上回るものではない、とAppleInsider。今日の業界を見渡すと、ほとんどのメーカーがAppleと同じようにヘッドホンジャックを排除しており、他メーカーは、Appleのアイデアを理解するのに時間がかかっただけだと、AppleInsiderは述べています。

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