「Galaxy Watch5/Pro」レビュー–Proのスポーツ関連機能や大型バッテリーは魅力的

CNET Japan

 「Galaxy Watch5」と「Galaxy Watch5 Pro」は、日々の相棒となるAndroidスマートウォッチを目指して、サムスンが投入した最新のウェアラブル端末だ。「Galaxy Z Fold4」、「Galaxy Z Flip4」と共に、8月26日に発売が開始された。2021年に発売された「Galaxy Watch4」シリーズと比べるとバッテリー容量が増え、堅牢性が向上したほか、新しい体温センサーも搭載された。

 新しいGalaxy Watch5シリーズには2種類のモデルが用意されている。基本モデルのGalaxy Watch5と、少し大きく、より頑丈なProモデルのGalaxy Watch5 Proだ。ただし、物理的な構造、スポーツモード、バッテリー容量を除けば、両者に違いはほとんどない。また、すでにGalaxy Watch4シリーズを持っている場合、ソフトウェア面はほとんど変わっておらず、新しい体温センサーもまだ利用できないため、Watch4から買い替える必要性を感じるほどの明確な違いはない。1つ重要な点があるとすれば、「Galaxy Watch4 Classic」で採用されている、ファンも多い回転式ベゼルが廃止され、タッチベゼルが搭載されたということだ。

Galaxy Watch5とGalaxy Watch5 Pro
提供:Lexy Savvides/CNET

 しかし、頑丈さやバッテリー駆動時間を重視するなら、Galaxy Watch5 Proを選ぶ価値はある。近くGoogleが発売する「Pixel Watch」、Montblancが販売中の「モンブラン Summit 3」など、「Wear OS」搭載のスマートウォッチは続々と登場しており、Galaxy Watch5は2021年には存在しなかった競争にさらされている。もう1つ忘れてはならないのは、サムスンのスマートウォッチに搭載されている主要なヘルスケア機能の一部は、サムスンのスマートフォンがなければ使えないということだ。

装着感は改善したが、回転式ベゼルが消滅

 Galaxy Watch5は、2021年のGalaxy Watch4の基本モデルと見た目はほとんど変わらないが、背面のフィット感が高まり、手首と密着するようになった。これは快適さだけでなく、センサーの精度向上にもつながっている可能性がある(センサーの精度はテスト中だ)。サイズはWatch4同様、40mmと44mmが用意されている。

 ハードウェア面での最大の変化は、2018年に初代「Galaxy Watch」が登場して以来、このシリーズには定番で存在した物理的な回転式ベゼルが廃止されたことだ。その代わりにソフトウェアベースのタッチベゼルが採用され、タッチスクリーン、側面の2つのボタン、そしてディスプレイのふちに触れることで操作できるようになった。Galaxy Watch4も同様の仕様だったが、Watch4シリーズには物理的なベゼルが付いた「Classic」モデルがあった。今回のラインアップにClassicモデルはない。

Galaxy Watch5とWatch5 Pro
Galaxy Watch5(左)とWatch5 Pro
提供:Lexy Savvides/CNET

 Proモデルは基本モデルよりも堅牢なデザインを採用しており、隆起したエッジ、チタン構造、基本モデルより堅牢なサファイアクリスタルガラスを採用している。サイズは45mmのみなので、手首が細い人は装着しづらいかもしれない。筆者は以前、Garminの「Epix Gen2」の47mmモデルなど、もっと大きい腕時計も使ったことがあるが、筆者より手首が細い人には45mmは大きすぎると感じるだろう。

 実際に使ってみると、Proモデルはフェイス部分のエッジが高くなっているため、タッチベゼルの使い勝手がさらに増している。指を置けば、ベゼルを回しているような感覚がするほどだ。しかし、正しい位置に合わせればカチッとはまる物理的なベゼルと比べると、やはり精度は劣る。特に厄介なのは指が水や汗で湿っている時だが、スポーツ用途で使う場合、こうした状況は避けられない。過酷な環境で使用されることを考えた場合、物理的なベゼルのような可動式のパーツは破損や詰まりを起こしやすいため、サムスンが回転式ベゼルを廃止したことは理解できる。それでも選択肢がなくなったのは残念だ。

 基本モデルもProモデルも、プロセッサーにはQualcommの新型チップ「Snapdragon W5」ではなく、旧モデルと同じものが採用されている。ただ、実際問題としてスマートウォッチでは処理能力はあまり大きな問題にならない。実際、Galaxy Watch4と同じプロセッサーでもGalaxy Watch5シリーズはきびきびと動き、アプリの読み込みも速い。

Wear OSは快適だが、旧モデルとの違いは特になし

 デザイン面は、旧モデルのGalaxy Watch4シリーズとほとんど見分けがつかない。どちらもWear OS 3上でサムスンの「One UI」を搭載しており、「YouTube Music」、「Googleマップ」、「Googleアシスタント」といったGoogleアプリを利用できる。

 「Google Play」ストア経由でGoogleやサードパーティー製のアプリにもアクセスできるが、Galaxy Watch5シリーズのヘルスケアセンサーの一部(例えば心電図)は、Galaxyシリーズのスマートフォンがなければ使えない。Galaxy Watch5はAndroidスマートウォッチだが、それでもGalaxyデバイスとの親和性が最も高いようだ。

 他にソフトウェア面で気付いたことは、フルキーボードの有用性だ。小型の40mmモデルであっても、メッセージのスワイプがしやすい。通話時は相手の声がクリアに聞こえ、マイクは筆者の声をしっかり拾っている。

Galaxy Watch5 Proのトラックバックとスポーツモード

 基本モデルもProモデルも、90種類以上のエクササイズに対応している。ランニング、水泳、エリプティカル(フィットネスマシン)など、特定の運動は自動検出も可能だ。Proモデルには他にもスポーツ関連の機能が搭載されており、「Pro」と呼ぶにふさわしい魅力を備えているように見える。

Galaxy Watch5 Pro
提供:Lexy Savvides/CNET

 まず紹介したいのは「トラックバック」だ。これはハイキングやサイクリングなど屋外でのワークアウトで使用する機能で、行きと同じルートで出発地点に戻ることができるようサポートしてくれる。設定画面に行ってトラックバックを選択すると、現在地とナビや距離が示された地図が表示される。往路は青色で表示され、その上に重ねるように復路が緑色で表示される。

 ルートをインポートしてナビとして利用することも可能だ。現時点ではハイキングやサイクリングでしか使えないが、GPXファイルの取込みは非常に簡単だ。筆者は「Strava」(アクティビティ記録アプリ)から過去のライド記録をエクスポートし、Galaxy Watch5 Proにアップロードしてみたが、かかった時間は数秒だった。トラックバックと同様に、地図(Googleマップを使用)は鮮明で、視認性は非常に高い。

 他の一部のスポーツウォッチのように、近くのルートを提案してくれる機能はないが、地図のインターフェースが抜群で、過去に使ったことのあるスポーツウォッチより見やすいので気にならない。

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