チラシだけ演劇祭

デイリーポータルZ

演劇を見に行ったときにもらうチラシの束。

あれが全部うそだったら面白いと思うのだ。

「そんなのない演劇」だけでチラシの束を作った。

チラシだけ作りたい人のための演劇祭

開演前の劇場、チラシの束が席の上においてある。入り口でもらうこともある。
アンケートで挟んであるのが定石
開演まで20~30分、特にやることもないのでチラシをじっくり読む

モノクロコピーのアングラ演劇もあれば、テレビにも出ている芸能人が出演する芝居のチラシもある(カラーで堅い紙)。
あきらかに内容が決まってないことがわかるチラシもある。 

だが、今回は全部内容がない

すべて「そんなのない演劇」である。チラシの束が好きな有志が集まってチラシだけを作った。チラシだけ演劇祭である。

本当にラスクルで印刷してセットしたのだ。

この写真はカルカルの空き時間にひとり撮らせてもらった。実際に開催されたわけではなくイメージ写真である。

チラシだけ演劇祭・ウェブ開催です

チラシだけの19作品を紹介していこう。まずこういうフォーマットものは得意な北向ハナウタさんから。

「おとなり」北向ハナウタ
「Webライターのある最高な一日」(おもて)北向ハナウタ
「Webライターのある最高な一日」(うら)北向ハナウタ

二束三文というところに発注側として胸が痛む(すこし)。スケジュールのフォーマット(1日休演があったり)などディテールにいちいちリアリティがある。チケットが高い。

「なめくじ男と食卓塩」べつやくれい

「客が入らなさそうな地味な演劇」「地味なんだけどずっとやってる」のイメージとのこと。

「レターパックで現金を」林雄司

1枚ぐらい入っている子ども向けの演劇のチラシのイメージ。

「エルム街の初夢」林雄司

ワードアートは1周まわって超クールである。当然コピー用紙だ。内容はまったく決まってないという設定。

「園芸センターの窓辺に造花」とりもちうずら

とりもちうずらさんからは「いつか本当に人形劇でやりたい演目」のチラシ。
「人形劇のチラシで人形の写真が一切ないと、美術全然間に合ってないんだな……というヤバさが滲み出て、現場のヒリヒリ感が伝わってくる気がします。」とのコメントをいただいた。リアル。

「東京子守唄同盟」つりばんど岡村 (おもて)
「東京子守唄同盟」つりばんど岡村 (うら)

さきほど客演していたつりばんど岡村さんのソロライブ。
表がカラーで裏がモノクロの王道パターン。と思ったら文字が黄色で結局カラー印刷になった。そういう点もあるある。 

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食べ物3連発

食べ物をテーマにした演劇が3つ集まった。まずはパンケーキ。

「パンケーキ屋になりたかった」米田梅子

市民まつりの特別公演。そういうのもあるのか、というチラシがやってきた。QRコードはどこに飛ぶか試そう!

そして次はプリン。

「なめらか」(おもて)ジーン
「なめらか」(うら)ジーン

学生演劇のビラです、とのコメントともに入稿された。学生演劇集団puddings、本格人情会話劇、アフタートークあり、というディテールがくどい。

食べ物3部作の最後はパン。

「ばんごはんは、パン」安藤昌教

パイプ鉄也という名前が想像しなかったタイプの名前で気になる。パイプ鉄也の別作品もある。

「きのうの夜の夢」安藤昌教

連絡先が作家の携帯だ。

100文字ぐらいの短文

チラシにリードのようなあらすじのような短文があるとチラシっぽくなる。

「UFOを確認せよ」べつやくれい

「若くて、作家が注目されはじめている劇団のイメージ」とのこと。

「とまりますの逆襲」べつやくれい

このチラシだけデータではなく、白黒コピーに脅迫状のように文字を貼り付けた原紙での入稿だった。

「ファミリーレストランへようこそ」林雄司

上板橋に駅前劇場はない。

「舞台版ソリティア」林雄司

きっと映画版ソリティアがヒットしての作品。 トルーはソリティア状に重なっているのが似合う。

「巨人の刃 THE STAGE 」林雄司

2.5次元も入れとかないとと思って作った。「新宿NSビルより大きい」というわかりにくい比較。 

「古墳に来るつもりじゃなかった」林雄司

スケジュールの印を前方後円墳にしたところが工夫。 

「転・校・生」 林雄司

鬼と女子高生が入れ替わるお話。

「行けたら行く」林雄司

演劇のチラシのなかにたいてい1枚だけアート系の映画のチラシが入っているのでそのイメージ。演劇のチラシよりも小さい。

アンケート

チラシの束を挟んであるアンケート。クリップ付きの小さい鉛筆がついている。

1枚ずつ紙質を変えて印刷した

冒頭はイメージ写真だが、実際にチラシの束があるのだ。ウェブだと一切伝わらないが、チラシごとに紙も変えてある。

いろんな種類の紙が束になっているバラバラさが妙にリアル

リアルでニヤニヤしてしまうが、どうすんだこの束という困惑もまた本物のチラシ束と同じだ。

次回はリアル開催で

今回は僕だけだったが、次回は多くの人に入場して着席、チラシだけもらって帰っていく演劇祭を開催したい。

カバンにチラシの束が入っていると演劇を観たような気分になるかどうかを一緒に検証しましょう。

劇場で座ってチラシだけ眺めてるとなにが嘘なのか分からなくなる

チラシ作りたい人は腕を磨いて待っててください。

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