Intel Arc GPUはDirectX 9サポートを切り捨て。変換レイヤーで対応へ

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 米Intelは8月10日(現地時間)付けで、第12世代Core内蔵グラフィックスおよびIntel ArcブランドのディスクリートGPUで、DirectX 9(DX9)ベースのDirect3Dのサポートを行なわないとする文書を公開した。DX9ベースのアプリケーションやゲームなどは、Microsoftの「D3D9On12」と呼ばれるインターフェイスを介して動作させるという。

 第11世代Core以前の内蔵グラフィックスではDX9をネイティブサポートする。これらのプロセッサではIntel Arc搭載ビデオカードと組み合わせることもできるが、Intel Arcを無効にしない限りはIntel Arc側が描画するため、同様にDX9On12を介した動作になるとしている。

 DX9はMicrosoftの所有物となっているため、アプリおよびゲームで問題が生じた場合はMicrosoftのサポートを通じて問い合わせれば、次回のOSアップデートまたはDirectX APIの更新で修正できるだろうとしている。

 D3D9On12はMicrosoftが公開したマッピングレイヤー。これを使用するとD3D9デバイスが新たに作られ、DX9ゲーム内からは「D3D9On12」というデバイスが選択できるようになる。すると「d3d9.dll」の代わりに「d3d9on12.dll」がD3D9ランタイムによってロードされ、イニシャライズされる。

 その後、D3D9ドライバと同じようにD3D9 DDI(Device Driver Interface)コマンドを受け取り、D3D9On12に送信。D3D9On12でD3D12のAPIコールに変換され、D3D12ランタイムの検証を経てから、D3D12 DDIとなってD3D12ドライバに送信する。

 IntelはArcにおけるDX9のサポートを切り捨てることで、ドライバ開発における互換性や最適化の問題から解放されると思われるが、変換には当然リソースを消費するため、性能のボトルネックになる可能性がある。もっとも、DX9自体は2002年12月にリリースされたほぼ20年前のAPIであり、現代的なハードウェアならある程度実用的な性能で稼働させられると見込んでのことだろう。

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