DIGIDAYリサーチ: インスタグラム 、パブリッシャーのブランディングパートナーに

DIGIDAY

世の中にあるすべてのソーシャルメディアが、すべての業界に適しているわけではない。これは特にパブリッシャーに当てはまる。先日は米DIGIDAYで、パブリッシャーたちがFacebookをどのように利用しているかを詳細に調査した。本稿では、Metaのもうひとつの主要なプラットフォームであるインスタグラムについて見ていきたい。

DIGIDAYリサーチは6月、72人のパブリッシャー勤務のプロフェッショナルを対象に調査を実施し、彼らのメディアのソーシャルメディア戦略におけるインスタグラムの位置付けを調査した。

パブリッシャー業界では誰もがよく分かっていることだが、メディアタイトルに関していうとインスタグラムは、Facebookほど誰しも例外なく使っているというわけではない(DIGIDAYの調査によると、過去1カ月間にFacebookに何らかの投稿をしたパブリッシャーは全体の99%に当たる)。しかし、それでもパブリッシャーのインスタグラム利用は大きく、昨年からわずかに増加している。今年の調査回答者の86%が、先月インスタグラムに何らかの投稿をしたと答えており、昨年の84%から増加している。

投稿の頻度に関しては、パブリッシャーは昨年からあまり戦略を調整していないようだ。実際、自社のメディアタイトルが毎日インスタグラムに投稿しているとDIGIDAYに語った調査回答者の数は、昨年も今年も全く同じ64%だった。少なくとも週に一度は投稿すると答えたパブリッシャー幹部は、2021年の34%から2022年の31%へとわずかに減少し、月に一度は投稿すると答えたパブリッシャー幹部は、昨年の2%から今年は6%へと少し増加した。

パブリッシャーのインスタグラムコンテンツの投資アプローチは昨年から変化を見せているが、傾向はやや複雑だ。パブリッシャーがインスタグラム向けのオリジナルコンテンツの制作にどれだけ投資しているかについては、DIGIDAYの調査の回答者の大多数が、昨年と同様に少しから中程度の金額を投資していると答えた。しかし、今年はその中間が小さくなり、多く投資した、あるいは全くしなかったと答えた人の数が増えている。

今年はパブリッシャー勤務のプロフェッショナルの58%が、オリジナルのインスタグラムコンテンツに多少ないし中程度の投資をしていると答えており、昨年の72%から大きく減少している。一方、15%が今年はインスタグラムのオリジナルコンテンツに全く投資していないと答え、昨年の9%から増加している。26%が多額の投資をしていると答え、昨年の19%から増加している。

Facebookと比べると、インスタグラム上の広告に投資しているパブリッシャーははるかに少ない。(先週わかったことだが、パブリッシャーの3/4がFacebook広告を購入している)。DIGIDAYの調査によると、パブリッシャーの半数近く(46%)が先月インスタグラム広告を購入したと答えた。しかし、Facebookと比較すると小さくとも、この数字をほかのソーシャルメディア・プラットフォームの広告に費やしている金額と比較すると(これについては今後さらに詳細に調査する予定)、46%は多い。これはおそらく、メタが所有するプラットフォーム(Facebook)で広告を購入しているパブリッシャーにとって、同じく同社のプラットフォームであるインスタグラムで広告を追加したり購入することは簡単な拡張作業であるという事実による。

パブリッシャーがインスタグラムコンテンツにどのような投資をしているかに関わらず、同プラットフォームの価値は、パブリッシングのプロたちの目には著しく高まっていることが、DIGIDAYの調査で明らかになった。ソーシャルメディアプラットフォームを比較すると、Facebookは昨年のパブリッシャーの収益牽引という点では1位だった。しかし、インスタグラムは形勢を逆転させている。

メディアタイトルの売上を伸ばすためにFacebookに価値がある、あるいは非常に価値があると答えた回答者は、昨年の49%から今年は38%へと大幅に減少した。その一方でインスタグラムに価値がある、あるいは非常に価値があると答えた回答者は、昨年の27%から今年は39%へと大幅に増加し、インスタグラムがトップとなった。

ブランド構築に関してインスタグラムは、今年パブリッシャーのあいだでトップの座を維持しているだけでなく、それ以上の立場としてさらに存在感を増しつつある。今年は回答者の3/4以上(76%)が、インスタグラムはメディアタイトルのブランド構築に価値がある、あるいは極めて価値があると答えている。この数字は昨年は64%だった。パブリッシャーたちが、インスタグラムが彼らのビジネス戦略にどのように適合するかを本当に理解し始めていることは明らかだ。

パブリッシャーがインスタグラムを利用していることは、彼らがインスタグラムを自分たちのメディアにふさわしいと考えていることを示している。DIGIDAYの調査ではインスタグラムは自社ブランドに全く適していないと答えた回答者はゼロだった。これはFacebookも同様であった。また、インスタグラムがブランドとして適切だと答えた人の割合は昨年から変わらず、パブリッシャー勤務のプロフェッショナルの70%が、自社ブランドにとって極めて適切または適切だと回答している(前年は71%)。注目すべきは、インスタグラムがあまりブランドにふさわしくないと答えた人が、昨年の1%から今年は8%に急増したことだ。

[原文:Digiday+ Research deep dive: Instagram makes some meaningful gains with publishers

Julia Tabisz(翻訳:塚本 紺、編集:黒田千聖)

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