ウェッブ宇宙望遠鏡から、5億光年かなたの銀河の画像が届きました

GIZMODO

語彙力消える美しさ…。

ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)からの最新画像が公開されました。今回の被写体は5億光年離れた天体、2つの銀河が高速で衝突したことで形成された車輪銀河です。

JWSTは本格稼働を始めたばかりですが、木星の新画像や初のフルカラー画像など驚かされるようなデータを送ってくれています。最新の画像は鮮やかなピンク、赤みオレンジ、そしてくすみブルーが特徴的なショット。車輪銀河はリング状銀河で、ちょうこくしつ座の方向にあります。NASAいわく、天の川銀河のような渦巻銀河と違って、リング状銀河は非常に珍しいんだとか。

ウェッブプロジェクトの科学者Klaus Pontoppidan氏は、「車輪銀河を捉えたJWSTの最新画像は、銀河同士の激しい衝突が新たな星々の波を引き起こす様子の内部を示しています。これのおかげで、私たちは初期宇宙における銀河の発展への理解を深められます」と米Gizmodoへのメールで答えていました。

車輪銀河を形成した衝突は、NASAいわく「池に石を投げたあと水面にできる波紋のように」二重のリング状の構造を生み出したそう。車輪銀河の内側のリングには高温の塵が含まれていて、リングのもっとも明るい領域には若い星たちの巨大星団が存在します。外側のリングは4億4000万年にわたって膨張し続けていて、周りのガスにぶつかりながら星の形成を引き起こしているとか。

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荷馬車の車輪のように見えなくもない、車輪銀河
Image: NASA, ESA, CSA, STScI

ハッブル宇宙望遠鏡も車輪銀河を撮影していましたが、JWSTは近赤外線カメラNIRCamと中赤外線観測装置MIRIでもって、銀河の細部まで捉えることに成功しています。これは星間塵のせいで不鮮明だった若い星々が、赤外線で観測するとはっきり見えるからです。近赤外線カメラは0.6~5ミクロンの波長を撮影し、車輪銀河を青、オレンジ、黄色で表現。中赤外線観測装置は5~28ミクロンの波長を撮影し、データを赤色で示しています。

私たちの宇宙の謎に満ちて入り組んだ部分を解明するというJWSTのミッションはまだ始まったばかり。地球外生命体の探索までもサポートします。科学者たちが送られてくるデータを研究する間、私たち一般市民は今回のような美しい画像の数々を味わうとしましょう。

Source: NASA, ESA/Hubble,

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