「七面鳥グルグル」再現マシーン

デイリーポータルZ

癒しの、禍々しきアイテム

5年ほど前、七面鳥の不思議な習性をおさめた動画が出回り、ネットがざわついたのをご存知か。ある物を囲んで、集団で輪になってグルグルと回っているのだ。

当時、不思議な行動だなぁと思っていたのだけれど、今になっても不思議な光景だなあという気持ちを抑えがたく、こうして再現してみるにいたった。

あの光景を、手軽におうちで!

そのときの動画を引用するので見といてほしい。そしてやはり「不思議だなあ」と思っておいてほしい。

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当時私が見たのは、ネコさんのご遺体の周囲を回っている映像で、まるで黒魔術の儀式のようだとか騒がれていたものである。だがこうして、木の周りでもいいのだ。墓石の周りを回っていたという報告もある。なんでもいいのか。

でもすでに当時、学者のコメントがいろいろな記事に出ており、要約すると「脅威になるようなものを遠巻きに警戒→誰かが避けつつ歩き始めるとそれに付いていくうち輪になってしまった」という単純かつ微笑ましい結論であった。なんなんだ。

さて、それはそれとして再現メカである。メカといいましても、円盤の中心に別の円盤をはめ込み、その2つの円盤がベアリングでくっついていれば良いと思うのだが。図に書いてみるか。

ブラックホールに吸い込まれるYogiboでもなければ、すいとんが直に乗った中華テーブルでもない。

自分でも信じられないが、これで設計スタートである。

そして当然、成果物は、こういう簡単なものになる。

だいたいこれくらいかな〜という大きさの円、うちにあったスチレンボードとベアリングで事足りた。

上の写真のように、中心にベアリングをはめて回転を潤滑にするわけだが、そのはめる先の部品(円盤+軸)をきれいに設計せねばならない。

ここでは3D CADで簡単に設計し、積層型プリンタで出力する。と書くとたいそうなもんを作っている気になるが、気のせいである。

ほれほれ、3Dラフだとそれらしく見えるだろう。
無駄に、金属風フィラメントで剛性高そうに出力してみたりなんかして。

余談だが、たまたま調整がうまくいって、この2つのパーツ、「パチン!」と音を立ててはまりましたのでございますのよ。

さて土台はこれでいいとして、問題の七面鳥である。

全長50mmくらいの小さいものでいいので、私くらいの素人でも、データはなんとかそれらしくできあがった。

あまり彫り込んでも再現されないだろ、と適当なところで完成とする。

だが、ここからは少し余談になるが、これを出力するときである。今度は光造形プリンタの登場なのだが、どうもうまくいかない。くちゃくちゃになったり、そもそも動かなかったり。

いろいろ試すが、どんどん消耗品と気力が消耗していくよ。

同じプリンタを使っている松本圭司大先輩に、思いもよらぬ裏技を聞いて実践したら、1回だけなんとかうまくいった。そのやりとりだけでも1本書けるくらいあったので、いつかお話します。

つかのまの喜びであった…

しかしその後また出力を試みるも、どうにも動かなくなった。

どうやら本格的に壊れたらしい。もう詳しく書くまい。新しいの買うことにした。暑いしやってらんない。

で、今回の残りの七面鳥をまずはどうするか。締め切り迫る中、出した結論は、「粘土で1個1個作る」だ。それしかない。

まあ、そうなるよね。

というかこれ、最初から粘土でいいくらいのゆるい造形だったな、わはは。

足を爪楊枝で。いつもの工作っぽくなってきた。
彩色。こうすると本当に魔術っぽくなっていけない。
そして彼らを場見る。

真ん中の直径50mmのステージに何か置くと想定し、七面鳥たちが緊張感を持って回るであろう位置を決め、固定していく。

「七面鳥たちが緊張感を持って回るであろう位置」についてこんなに真剣に考えることになるとは、人生、生きてみるものである。

ジオラマ用の草を貼り付ける。絵の具、もっと馴染む色にするんだった!

こうして、七面鳥グルグルステージは出来上がってきた。

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新たな魔法陣の誕生 

枕元に置いておきたい。

それなりにそれっぽく作れた。では元ネタのように木の周りを回らせてみるか。

これはこれで牧歌的な、童話的な雰囲気ある。

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おお、あの映像が、わりかし再現されておる!

 さすがにネコさん横たわらせるにしのびないので、手前味噌だがケルベコスを置いてみる。

あきらかに異質な存在に、こうして輪になるのも納得だ。
ベコがキョトンとしてるのが良き。

1粒100円ほどもする高級チョコを置いたらどうか。どうかってこともないか。

あがめたてまつる、みたいにならないか。
古代、人類が隕石の周りでこうして回っていた頃のようです。しらんけど。

 

契約書用の4000円もする収入印紙を畏れているところ(著者の実感をもとにしました)。
「ヨンセンエン〜ヨンセンエン〜天に捧げるヨンセンエン〜…」

 

自分を置いて回ってもらった。「さあ、お前たちの力を我に集めるのだ…」みたいな。

がんばって高速で回してみた。バターになっちゃう!とはこのこと。

それでは今日のホームラン。あのBGMを思い浮かべながら、どうぞ。

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まとめ

動力が「指」なのでどうにも動画が短くなってしまった。電気的にゆっくり継続して回せられれば、お部屋のインテリアにもぴったりなのに。今後の課題である。

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