パナソニック、ベトナムでの電設資材事業拡大へ–現地の社会課題に向き合い新価値提供

CNET Japan

 パナソニック エレクトリックワークス社は、ベトナムにおける電設資材事業の拡大を加速すると発表した。開発、製造、販売一体で事業を強化し、パナソニック エレクトリックワークス ベトナムの売上を2030年度に500億円まで増やす方針だ。

パナソニックエレクトリックワークスベトナムの事業概要
パナソニックエレクトリックワークスベトナムの事業概要

 「パナソニックでは東南アジアに6つの拠点を持っているが、ベトナムは住宅、非住宅ともに成長が見込まれ、新たな市場にチャレンジしていけるポテンシャルの高い国」(パナソニック エレクトリックワークス社海外事業本部東南アジア大洋州統括部統括部長の松本亙氏)とし、重点市場と位置づける。

配線器具の各国シェア
配線器具の各国シェア

 主な戦略として据えるのは「現地商品開発体制の構築」「配線器具およびIAQ機器の現地生産体制の強化」「現地企業との共創による商品カテゴリー横断のソリューション提案」の3つ。

 現地商品開発体制の構築では、現地の課題、ニーズに合った製品を迅速に展開するため、配線器具、照明器具、IAQ機器のカテゴリーで現地向けの商品企画、開発体制を順次構築。照明器具では、日本国内の基準に即した品質管理部門を設けるほか、現地サプライヤーへ品質管理基準の共有とノウハウを提供し、2023年度までにODMでの開発調達体制の構築を目指す。IAQ機器ではビンズオン省の新工場に研究開発部門の開設を目指していくとのこと。一方、2021年度に開始した配線器具事業の現地開発体制は、順次新製品開発を進めているとしている。

 配線器具およびIAQ機器の現地生産体制強化では、2023年度稼働を目指して新建屋の建設を進めているとのこと。既存棟における製造ラインの最適化も進め、2029年度には現状の1.8倍となる年間1億5000個の生産を目標に据える。また、2021年に立ち上げた天井扇や換気扇などのIAQ機器の新工場では、東南アジアにおけるIAQ機器の生産数として、2020年度の約1.5倍にあたる約300万台の生産規模を2025年度に目指し、生産設備強化を進める。

 現地企業との共創による商品カテゴリー横断のソリューション提案では、ベトナム現地デベロッパーなどと共創関係を築き、現地の社会課題解決のためのソリューション提案を、商品カテゴリーを横断して実施。高効率照明とセンサーを組み合わせた省エネ化や、空間除菌脱臭機「ジアイーノ」や熱交換気などによる空気環境の提供、住宅向けIoTプラットフォームを活用した家中の機器のコントロールによる利便性の提供などの展開を目指すとしている。

 7月12~15日には、ベトナムの現地デベロッパー、建築事務所、施工会社とパートナー企業を招き、展示会を実施。事業認知度向上を図っていくとのこと。150を超える企業などから入場申込みを集めているという。

 新規事業開発については「世界各国の社会課題と向き合い、現地パートナーとともに新たな価値を提供していく。これはベトナムにおいても同様」(パナソニック エレクトリックワークス ベトナム 社長の竹宇治一浩氏)とし、ウイルス、大気汚染や電気代の高騰、物流コスト高騰、資源不足などを社会課題として挙げた。

 ベトナムにおける社会課題解決のため、パナソニックが提供する新しい価値としては「安心・安全な空間を築くテクノロジー」「心も身体も健康に過ごすための快適空間」「持続可能な社会に向けた省エネ」を3つのキーワードに据え、住宅IoTプラットフォーム、空質・空調機器、太陽光発電、蓄電池、スマートライティングなどに取り組んでいく計画。これらの取り組みにより、2021年度約140億円の売上を2030年度には500億円まで拡大することを目指す。

ベトナムにおける社会課題に対応する3つのキーワード
ベトナムにおける社会課題に対応する3つのキーワード

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