ボディケアブランド、ソフトサービシズは、なぜ TikTok ではなくリールで成功を収めたのか?

DIGIDAY

今日のマーケティング環境はやや予測不可能だ。インスタグラムではなくTikTokにすべての努力を傾けろ、とブランドは言われてきた。しかし最近、ボディケアブランドのソフトサービシズ(Soft Services)は、あるインフルエンサーと彼女のインスタグラムのリールの投稿がバイラルになり、大成功を収めたのだ。

今日のマーケティング環境はやや予測不可能だ。インスタグラムはもう終わってる、TikTokにすべての努力を傾けろ、とブランドは言われてきた。だが最近、そこには例外もあるということに、ボディケアブランドのソフトサービシズ(Soft Services)は気づいた。あるインフルエンサーと彼女のインスタグラムのリールの投稿が大成功を収めたのだ。

その投稿では、インフルエンサーのサラ・パルミラ氏(インスタグラムは@sarah.palmyraでフォロワー数24万人、TikTokでは@sarahpalmyraでフォロワー数85万人)が、ソフトサービシズのスムージングソリューション(Smoothing Solution)を推している。背景に流れるトレンドとなった音声は次のようなセリフだ。「100万人のファンがいるなら、私はその1人。ファンが1人なら、それは私。ファンがゼロなら、私は死んでる」。インスタグラムでは、この投稿に5万4000以上の「いいね!」がついている。

パルミラ氏はTikTokの方がフォロワー数が多く、同じ動画はTikTokでは100万ビュー以上となっているが、ソフトサービシズでは、新規顧客と売上を促進したのは、実際には彼女のインスタグラムであることがわかった。

「スムージングソリューションは、スキンケアジャンキーのコミュニティで本当に人気に火がつくまでには時間がかかるだろうと考えていた。この製品は、ボディ用のすばらしいケミカルエクスフォリエントだが、特殊な製品だ。しかし4月には、その勢いが増してきたのを目にするようになった。スムージングソリューションの(販売された)在庫が、本来あるべき姿の2倍から3倍のペースで推移していることに気づき始めた」と語るのは、ソフトサービシズの共同創業者でCEOのレベッカ・チョウ氏だ。

求めているのは製品のメリットを実感したインフルエンサー

現在では一般的に行われているように、ソフトサービシズもパルミラ氏に製品提供は行ったが、投稿に対する報酬は支払っていない。チョウ氏は、同社のソリューションに基づいた製品のメリットを実際に体感してくれるインフルエンサーを探しているという。製品を提供するというアプローチについて彼女は、「たとえば実際に体のにきびや毛孔性苔癬のないインフルエンサーが、その人にとって意味のない製品を販売することを、私たちはまったく望んでいない」と説明した。

パルミラ氏は次のように言う。「この製品について投稿しようと決めたのは、季節によって角質が毛穴に詰まって肌がザラザラになったり、デコボコになったりする人にとって、これはとてもユニークな製品だと思ったからだ。ジェルのような質感なのに、ベタベタしない。保湿成分だけでなく角質ケア成分もたっぷり入っていて、これまで私が試してきたほかの製品と違って嫌な香りもない。そして結果が予想外だった。数週間で私の脚の見た目に明らかに大きな違いが出たので、このことを話さなければと確信した。ビューティコンテンツのクリエイターとしての私の仕事は製品をレビューすることだが、それだけではなく、もっと評価されるべきなのに人々が話題にしていないブランドや製品に光を当てることでもある」。パルミラ氏はこの動画を制作する前に、3カ月ほど製品を試したという。チョウ氏いわく、ブランドは9月頃にこの製品をプレゼントした。

チョウ氏は、パルミラ氏の投稿を見た際に「スポンサーがついているのか」と多く人がコメントしていることに気がついた(実際スポンサーはついていない)。またコメントした人々は、パルミラ氏が投稿で披露した脚の透明感や滑らかさを「体の上のガラスの肌」と評価していた。

下火になっているインスタグラムで異例のバイラルに

製品をプレゼントしても投稿してもらえるかどうかの保証はなく、ましてや売上に影響を与えるポジティブな投稿をしてもらえるかもわからないなかで、結果的にパルミラ氏の投稿には、ブランドがインフルエンサーに製品を送る際に思い描くある種の夢のようなインパクトがあった。3月から4月にかけて、ソフトサービシズはスムージングソリューションの売上を5.3倍に伸ばし、4月には同ブランドの売上トップの製品となった。また、同製品のランディングページは4月にもっともアクセス数の多いページとなり、検索トラフィックでは「スムージングソリューション」が最大のキーワードとなっている。

「サラ(パルミラ氏)のインスタグラムの投稿が、TikTokでしか聞いたことのようないような形でバイラルになったのは本当に興味深いことだ。インスタグラムは、ほとんど下火になっている。マーケティングでは、お金を払っていない限り、オーディエンスを増やしたり、ブランドを見たことのない新しい人にヒットさせたりするためにインスタグラムを活用することはあまりない」とチョウ氏。「私たちはラボに電話して『足りなくなりそうなので、次の出荷を早くしてもらう必要がある』と言わなくてはならなかった」。

[原文:Soft Services is seeing viral success through Instagram Reels, not TikTok]

SARA SPRUCH-FEINER(翻訳:Maya Kishida、編集:黒田千聖)


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