神経を直接冷却する小型インプラント冷却器を研究者が開発

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痛みを緩和する方法として、「痛みを感じる部分に冷たいものを当てる」というのは非常にシンプルな手法の1つ。このメカニズムを利用して、「神経を冷やす」ことで痛みを和らげる新型の埋め込みデバイスを研究者が開発しました。

Soft, bioresorbable coolers for reversible conduction block of peripheral nerves
https://doi.org/10.1126/science.abl8532


Miniature, Implantable Nerve Coolers for Targeted Pain Relief – Neuroscience News
https://neurosciencenews.com/colling-pain-implant-20957/

鎮痛神経冷却は、関節や筋肉が痛いときに氷をあてがうように、神経を直接冷却することで痛みの信号の伝導を遮断し、一時的に痛みを和らげる手法で、神経移植などの痛みを緩和する効果的かつ可逆的な方法として期待が寄せられています。

しかし、従来の神経冷却装置はかさばる上に硬く、冷却しても著効をもたらすとは限らず必要な電力量も多いという問題があり、臨床において実用化が阻まれていました。

また、慢性的な痛み(慢性疼痛)の管理ではオピオイド系鎮痛薬に頼るケースが多いのですが、オピオイドは有効ではあるものの依存性が高く、死に至る事例もあるため、局所的で非オピオイドかつ中毒性のない代替手法の開発は魅力的です。

オレゴン大学や大連理工大学、ノースウエスタン大学などの研究者らは、柔軟性があり小型のインプラント冷却器を開発しました。研究チームの作った冷却器は、神経に巻き付けるカフ型電極のデザインをもとに、電気配線の代わりに生体不活性冷却剤を含むマイクロ流体チャンネルを搭載したもので、カフに内蔵された熱薄膜センサーで温度をリアルタイム監視し、閉ループ制御を可能にしています。

ラットで実験したところ、局所的な冷却に成功したとのことで、研究に取り組んだShan Jiang氏とGuosong Hong氏は「局所鎮痛機能を持つインプラント冷却装置は、長期的な疼痛管理のゲームチェンジャーとなるでしょう」と語りました。

この研究は、非オピオイドで長期的に疼痛管理を行う鎮痛デバイスを開発するための、有望な道筋になるものだと期待されています。

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