YouTubeで「感電死亡事故を引き起こす危険なライフハック動画」を非難する投稿が公開停止されてしまう

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YouTubeやTikTokなどのムービー投稿サイトでは日常で役立つテクニックをまとめたライフハック紹介ムービーが高い人気を得ていますが、紹介ムービーの中には火災や死亡事故につながる危険な行為を収録したものも存在しています。特に、木材に高電圧を加えてフラクタル図形を描く「Fractal burning」と呼ばれる手法は、少なくとも33人の死亡を引き起こしたことが報告されています。ところが、YouTubeでは「Fractal burning」の危険性を周知する投稿が削除されてしまう事態が発生しており、大きな話題となっています。

YouTube removes criticism of dangerous fractal wood burning instructions, but leaves up the lethal tips | Boing Boing
https://boingboing.net/2022/07/01/youtube-removes-criticism-of-dangerous-fractal-wood-burning-instructions-but-leaves-up-the-lethal-tips.html

「Fractal burning」とは、木材に炭酸ナトリウム水溶液(重曹水)などの導電性を液体を付与して電圧を加えることで、木材に複雑な模様を焼き付ける手法です。高い電圧を必要とする「Fractal burning」は素人が実行するには危険すぎる作業であり、アメリカの木工業界支援組織「American Association of Woodturners」は「Fractal burning」による死亡事故が少なくとも33件発生していることを報告しています。しかし記事作成時点では、YouTubeで「Fractal burning」を検索すると作業手順を解説する投稿が大量に見つかってしまいます。


YouTubeに投稿されている「Fractal burning」の解説ムービーには、10分以上にわたって「Fractal burning」の手順を解説するムービーや、木材を用いた複数のライフハックの1つとして「Fractal burning」を紹介するムービーなど、多くの種類が存在。中には、絶縁手袋を装着せず素手で「Fractal burning」を実行する危険極まりないムービーも存在しています。


料理系YouTubeチャンネル「How To Cook That」を運営するアン・リアドン氏は、「『Fractal burning』が多くの死亡事故を引き起こしている現状を伝えて危険性を周知するムービー」を2022年6月にYouTubeに投稿しました。リアドン氏が投稿したムービーは「ポップアップトースターで肉を焼くライフハックムービーを参考にした結果、火災が発生した事例」など、「Fractal burning」以外の危険なライフハックも周知するものでしたが、YouTubeはリアドン氏のムービーを「有害なムービー」と判断し、公開を停止してしまいました。

YouTubeによる公開停止措置の詳細な理由は不明ですが、海外メディアのBoing Boingは、YouTubeのアルゴリズムが「リアドン氏がムービーに含まれる危険な内容を推奨している」と誤認したことが原因ではないかと推測しています。

リアドン氏のムービーが公開停止されたことを報じたニュースには、「私の12歳の子どもは、ライフハック紹介ムービーで見た『チーズトーストの作り方』のマネをしてポップアップトースターにパンとチーズを入れました。その結果、(火災が発生して)子ども自身が『チーズトースト』になりかけました」といったライフハック紹介ムービーの危険性を指摘するコメントが寄せられています。


なお、YouTubeによって公開停止措置を受けていたリアドン氏のムービーは、記事作成時点では再生可能な状態に戻っています。

Debunking DEADLIEST craft hack, 34 dead | H2CT Ann Reardon – YouTube
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