安いうなぎって、皮目の部分がブヨブヨしがち。だからこそ安いわけだけど、出来ればブヨっているものは避けたいと思うのが うなぎラバーの率直な気持ちであろう。
そこで! 今回私は有名チェーンの格安うな重(うな丼)を5種購入。うなぎを全部ひっくり返して “ブヨりチェック” してみたので報告したい。結論から先に言うと、安いのに全然ブヨってないうなぎがあったぞ。
・購入した5種の格安うなぎ(うな重)
最初に、購入したうなぎ(うな重)のラインナップについて紹介しよう。こんな感じだ。
・吉野家「鰻重 一枚盛(1077円 ※テイクアウト価格。以下同)」
・なか卯「うな重(880円)」
・すき家「うな丼並弁当(850円)」
・ガスト「うなぎ弁当(1079円)」
・オリジン弁当「うな重 中国産うなぎ(1069円)」
──さすがは うなぎ。格安とはいえ1000円前後のものがほとんどである。牛丼とは別次元の価格帯。
なお、格安うなぎ(うな重)をいくつも頼んだところで食べ切れなさそうだったので、絞りに絞って上の5つになった次第。個人的な事情で申し訳ないが、私の胃袋キャパシティーにご理解いただければ幸いだ。
・重さチェック
さて、せっかく価格を出したのだからボリュームも量ってみようというわけで、それぞれを容器ごとスケールに載せてみた。容器等が含まれるので厳密ではないものの、吉野家だけが頭1つ抜けて優勢。
続けて、うなぎ単体の重さも量ってみよう。こちらもご飯つぶやらタレやらの関係で厳密ではないが、やはり吉野家がトップ。また、オリジンとガストは全体に対してうなぎの量が多いとも言えそうだ。
・ちょい閲覧注意
では、ここでいよいよ本題。ブヨりチェックといこう。ただし……! それぞれの「うなぎ」をひっくり返しまくった画像はやや閲覧注意。中には「気持ち悪い」と感じる人だっているかもだから、OKな人だけ以下に進んでくれ。
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すき家
ガスト
吉野家
なか卯
オリジン弁当
何て “映えない” 光景だろう。表はあれほど美味そうなのに、裏側だけ見たら食欲がかきたてられるとは言い難い。なんならグロテスクでさえある。
また、ひっくり返した時点でわかったこととしては、前回紹介した「宇奈とと」のように “しっかり焼かれている感” が窺(うかが)えるものは1つもなかったということ。
悪い言い方をすれば、上の5つにはオペレーションの効率化を何よりも最優先して作られた感が漂っていた。まぁ、安いので当然といえば当然。
よって味もそれ相応……とは言い切れなかったのである。全部が全部ではないものの、中には「コスパ的にかなり優秀なのでは?」と思うものもあった。
それを以下で紹介しよう。個人的な好みとなって恐縮だが、私のオススメするベスト5を5位から順に紹介すると、こんな感じだ。
5位:吉野家「鰻重 一枚盛(1077円)」
残念ながら、もっとも うなぎがブヨっているのは吉野家だった。表面はしっかり弾力があるだけに、裏側とのギャップがすごい。ただ、5つの中でもっともボリュームがあったので、とにかく腹いっぱい食べたい人はいいかも。
4位:ガスト「うなぎ弁当(1079円)」
味的にも可もなく不可もなく。この価格のうなぎで「普通」だと思うってことは、コスパが高いとも言える。ブヨブヨ感は特に気にならなかったが、(たまたまかもだけど)ご飯がちょいパサついていたので4位に。あと、タレがもう少しあると嬉しいかも。
3位:なか卯「うな重(880円)」
5つの中で唯一錦糸卵が添えられていて、もっとも見た目が華やか。だけど個人的には、そこにコストをかけるならもっとタレが欲しい……と思ってしまった。うなぎの食感は柔らか目。ブヨり具合で言うならば、吉野家の次かな。
2位:すき家「うな丼並弁当(850円)」
もっともブヨってない。良いように言えば “弾力がしっかりしている” となるのだろうけど、 “パサっと方向に振れている” とも言える。ブヨってもないが、ふっくらとは対極にある。なんというか、ストイックなうなぎ。
1位:オリジン弁当「うな重 中国産うなぎ(1069円)」
2位のすき家と比べると うなぎはややブヨってる気がするが、“ふわっと系” と言えなくもないブヨり具合。それだけうなぎが肉厚だ。そして何より素晴らしいのが、タレが別添えってところ。
このくらいの価格のうなぎはタレが生命線なだけに、あとがけシステムはもっとも合っている気がする。加えて漬物が添えられている点や、「中国産」ってのがめっちゃ分かりやすい点も高ポイント。
全体的に「安いうなぎでも出来るだけ楽しんでもらえるように提供しますよ」という気持ちが垣間見えるようで、大変ありがたい。
──以上!
ちなみに、以前に紹介した「宇奈とと」をランキングに加えるならば、1位宇奈ととで、2位はオリジン弁当となるだろうか。それだけ、うなぎの焼けた香りがしっかりと感じられた宇奈ととは印象的であった。
逆に言うと、1000円くらいのうな丼(うな重)に多くを求めること自体が酷。よって、色々と試食するくらいなら高い店に行く方が効率的にうなぎを楽しめるのかもしれない……が!
「安くて美味いヤツ」を求めてしまうのもまた悲しき人間のサガ。この本能に抵抗することなく、私は今後も安いうなぎを買い漁っていきたい。良いものがあったらまたレポートしよう。
執筆:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.