Google社内には未成年への性的虐待疑惑がある「新興宗教」が巣くっていると元社員が告発

GIGAZINE
2022年06月17日 19時00分
メモ



Google傘下の制作会社に勤務していた元プロデューサーが、「Fellowship of Friends」という宗教団体とGoogleの癒着について警告したため解雇されたとしてGoogleを起訴していたことが分かりました。

How a Religious Sect Landed Google in a Lawsuit – The New York Times
https://www.nytimes.com/2022/06/16/technology/google-fellowship-of-friends-sect.html

The Cult in Google. I worked for Google for about three and… | by Kevin Lloyd | Jun, 2022 | Medium
https://medium.com/@kwilliamlloyd/the-cult-in-google-3c1a910214d1

今回Googleを告発したのは、Google Developer Studio(GDS)の元従業員のケビン・ロイド氏です。同氏は2017年にGDSに入社し、Google社内向けの広告や教育映像の制作に携わっていましたが、2021年2月に解雇されました。ロイド氏によると、Googleは「Fellowship of Friends」という宗教団体と癒着しているとのことで、解雇されたのもこのことを問題として提議したからだとロイド氏は考えています。

Googleによる処遇を不当解雇と考えているロイド氏は、同氏を契約社員としてGoogleに派遣したAdvanced Systems Group(ASG)とともに、Googleを提訴しました。GDSのメンバーのほとんどはASGから派遣された社員で、その中にはFellowship of Friendsのメンバーも多数含まれているとのことです。

Fellowship of Friendsとは、1970年にサンフランシスコの元教師であるロバート・アール・バートン氏が設立した団体で、「精神的な目覚めの働きを追求することに興味がある人なら誰でも入れる組織」と説明されています。会員は世界で1500人で、カリフォルニア州オレゴンハウスの周辺には5~600人ほどの会員が住んでいるとのこと。会員には、毎月の収入の10%を団体に寄付することが義務づけられています。

教祖であるバートン氏は、レオナルド・ダ・ヴィンチ、バッハ、ウォルト・ホイットマンなどの歴史上の芸術家らが天使の化身として自分の前に現れたと主張し、破滅的な運命の後に新しい文明を作ることが自分たちの使命であるとの教義を唱えています。ただし、予言が外れる度に終末の日付は変更されてきたとのこと。バートン氏はまた、当時未成年だったメンバーを含む複数の元メンバーから性的虐待で訴えられていますが、いずれも示談で解決しています。


ロイド氏の訴訟を契機にFellowship of Friendsについて調査したNew York Timesにより、Fellowship of FriendsとGoogleの関係が報じられています。例えば、GDSの創設者であるPeter Lubbers氏は、Fellowship of Friendsの古参メンバーとのこと。

ASGからの派遣により2015年からGDSで働いているシニアビデオプロデューサーであるエリック・ジョハンソン氏は、New York Timesの取材に対し「チームのリーダーは労働者を契約社員として集めるGoogleの雇用システムを悪用しています」と証言して、ロイド氏の主張に同調しました。

ロイド氏の訴状では他にも、Googleがサウンドデザイナーとして働いていたFellowship of Friendsのメンバーの自宅に最新鋭のサウンドシステムを設置する費用を負担したことや、音響デザイナーの妻や娘、息子が「イベントスタッフ」としてGoogleに雇われたことなどが指摘されています。

また、匿名を条件にNew York Timesの取材に応えた関係者によると、Googleは以前、Fellowship of Friendsのメンバーが経営しているワイン醸造所であるGrant Marieと頻繁にワインの取引をしていたとのことです。


Google社内に、性的虐待などの疑惑を抱えた新興宗教が浸透していることに危機感を覚えたロイド氏は、Googleのマネージャーにこのことを伝えましたが、「仕事を失うからこれ以上騒がないように」と繰り返し脅されたとのこと。そして、ロイド氏は前述の通り2021年2月に理由もなく解雇されました。Google側は、ロイド氏が解雇されたのはパフォーマンスが原因だったとしていますが、ロイド氏によると仕事は順調で、解雇後に受け取った給料は昇給後の給料だったとのこと。つまり、ロイド氏は昇進の手続きが進められている途中でいきなり解雇されたことになります。

ロイド氏は訴訟について、「Googleはこの問題を知っており、幹部たちは破壊的なカルト集団、それも子どもを含む何百人もの信者の性的虐待に関与している可能性が高い集団が、社内の重要なチームに絶大な影響力を及ぼしていることを十分承知しています。しかし、彼らは見て見ぬ振りをして、声を上げた従業員を無視しています。私は、彼らの責任を追及するために全力を尽くします」と述べました。

一方、Googleの広報担当者はメディア向けの声明の中で「私たちや私たちのサプライヤーのために働く人に宗教的所属を尋ねるのは法律違反ですが、利益相反などの不正や不適切な契約などがあれば調査を行い、ポリシー違反の証拠があれば対応します」と話しました。

また、ASGの社長であるDave Van Hoy氏は「私たちは原告の根拠のない主張を否定し続けます。また、近いうちに法廷で自分たちの正当性が証明できることを期待しています」と述べました。

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