飛行中の電動飛行機を「ホバー飛行から揚力を用いた飛行へ切り替える」前代未聞の実験が大成功

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長大な滑走路を必要とせずその場で垂直離着陸可能な電動飛行機を開発する企業「Lilium」が「飛行中の電動飛行機をホバー飛行から揚力を利用した飛行に切り替える」という前代未聞の飛行実験に成功しました。Liliumは今後も電動飛行機の開発を進め、最終的にUberのような「アプリで飛行機をどこにでも呼び出せるサービス」の提供を目指すとしています。

Lilium Achieves Main Wing Transition – Lilium
https://lilium.com/newsroom-detail/technology-demonstrator-main-wing-transition

LiliumはUberのような「アプリで指定地点にタクシーを呼びさせるサービス」の飛行機版を提供するべく電動飛行機の開発を進めている企業です。Liliumが開発する飛行機は滑走路を必要とせず垂直離着陸可能なことを特徴としており、2017年には初の飛行試験に成功していました。

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Liliumの開発した電動飛行機は既に飛行実験に成功していますが、これまでの飛行実験は空気を噴射する力を利用するホバー飛行によるものでした。Liliumの開発チームは新たに実験機「Phoenix 2」を作成し、ホバー飛行から一般的な飛行機と同様の「揚力を用いた飛行」へ飛行中に切り替える実験を行いました。

Lilium Jet Demonstrator Achieves First Main Wing Transition For All-Electric Aircraft – YouTube
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実験場に運び込まれた「Phoenix 2」。


実験場からスッと垂直に離陸します。


徐々に高度を上げ……


通常の航空機ではフラップに相当する部分の角度を変えて、前方へと加速していきます。翼には空気の流れを可視化するためのヒモが取り付けられています。


旋回も悠々とこなします。時速は約122km/hを維持。ここまではホバーにより飛行している状態です。


そしてフラップの角度を調節して……


揚力を用いた飛行への切り替えに成功しました。ホバー飛行中は空気の流れが乱れるためヒモがバタついていましたが、揚力を用いた飛行では空気の流れが落ち着くためヒモの動きがピタリと止まりました。


「Phoenix 2」は揚力を用いた飛行を数秒間維持します。


そして、再びフラップの傾きを変化させてホバー飛行に切り替わりました。


その後、「Phoenix 2」は減速しながら実験場に舞い戻り……


フラップを真下に向けて空気を噴射し、ゆっくりと着陸しました。


Liliumによると今回の飛行実験は開発チームが導き出した航空力学のモデル通りに動作したとのこと。Liliumは今後も飛行実験を続け、電動飛行機の飛行可能範囲を広げていく予定とのことです。

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