「吉野家」の鰻重と「宇奈とと」のうな重の間には一体なにがあるというのか?

ロケットニュース24

いきなり結果を書くならば、全然違った。当初は「ほぼ同じだったら記事どうしよう」と心配していたが、いい意味で誤算に終わって安心している。

そして同時に、こうも感じている。「安い商品はどれも大体同じようなもん」と思い込むのは危険だな、と。

・急成長を遂げた「宇奈とと」

説明するまでもないだろうが、「吉野家」は誰もが知る人気牛丼チェーン。一方の「宇奈とと」はうなぎ專門チェーンで、都内に10店舗を展開……と本サイトで2016年に公開した記事にて紹介しているが、公式サイトを見ると店舗が激増。どうやら急成長を遂げたみたいだ。


では、そんな2大チェーンの『鰻(うな)重』にはどんな違いがあるというのか? 気になったので、それぞれの商品を購入してみた。


・購入したもの

■吉野家『鰻重(1077円 ※テイクアウト価格。以下同)』
■宇奈とと『うな重(860円)』


──価格差は217円。サラッと書いたが、薄利多売の店で200円以上の差はデカい

しかもだ。吉野家といえば「安い店」の代名詞的存在。その吉野家より200円以上も安いというのは尋常ではない。これは恐らく、宇奈ととの方が小さめサイズなのだろう……と予想していざ開封!



見た目的にはほぼ同じだった。念のため重さを量ってみたら、たしかに吉野家の方が重い。吉野家(368g)と宇奈とと(341g)の間には約30gの差が。


まぁ容器の差もあるので厳密ではないが、吉野家の方がややボリュームがあると言えそうだ。また、うなぎだけの重さは吉野家が107gで、宇奈ととは100gと7g差。


うなぎはほんの少し吉野家の方が大きかったものの、ほぼ同サイズと言っていいだろう。加えて、うなぎの分厚さも大差なし。


・ひっくり返したら

ここまで価格以外で特筆すべき違いは無い。しかしながら、うなぎを裏返したときに決定的な違いに気づいてしまったのだ。実際に見た方が早いので、まずはこちらをご確認いただきたい。


ご覧のように、「宇奈とと」にはしっかり焼かれた形跡がある。焦げが気になる人だっているかもしれないが、脂が多い皮目の部分を焼いたら多少黒くなるのは当然。

それに対して、吉野家の方はしっかり焼かれた感が薄い。多少黒っぽい部分はあるものの、宇奈ととに比べたらお飾りレベル。

見方によっては吉野家の方が「上品」と言えなくもないだろう。だが、細かくチェックすると見るからにブヨっとしてそうな箇所が目につくのもまた事実。


この差が味にも直結していた。宇奈ととの方は「焼かれた うなぎの香り」がしっかりと感じられ、それだけ香ばしい。

一方、吉野家はブヨっと感が気になる。そして何より香りの面でパンチが弱い。もちろん吉野家のうなぎだって焼かれているだろうが、ライブ感が薄いというか。

そのため、2商品の間には揚げたての唐揚げとレンチン唐揚げくらいの差があったように思う。最近はレンチン食品の進化がめざましいが、どれだけ頑張っても唐揚げは揚げたてが一番。


・2つの間にあるもの

というわけでどっちが美味いかと聞かれたら、私的には「宇奈とと」なのだが、本企画は好きな うな重を決めることではない。2商品の間に何があるかを突き止めることだ。つまるところ、差。最後にそれを発表しよう。

結論! 「吉野家」の鰻重と「宇奈とと」のうな重の間にあったものは……


焼かれた うなぎの香り


──としたい。なんだか普通の結論になってしまったが、それだけ違いは強烈だった。あるいは、料理における香りの重要性を再認識したとも言える。


・吉野家のすごさ

ただ言うまでもなく、吉野家はうなぎ専門店ではない。牛丼屋だ。にもかかわらず、吉野家は宇奈ととにプレッシャーを与えるような低価格で『鰻重』を販売している点を考えれば、これはこれですごい。いわば、本職でないところで勝負しているのだから。

今回は安い「宇奈とと」の方が味も上という結果になってしまったが、もしかしたら他の牛丼チェーンのうな重だったら吉野家が優勢……なのかもしれない。そのあたりも気になるので、また追ってレポートしよう。


参考リンク:吉野家宇奈とと
執筆:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.

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