古代ローマの「精巧なペニスのペンダント」が見つかる

GIGAZINE
2022年06月10日 23時00分
メモ


by The Portable Antiquities Scheme

西暦42年から410年頃に作られたとみられる銀製の男根型ペンダントが、イギリスのケント州で発見されました。このペンダントは災難から身を守るために首からさげられていたようです。

Record ID: PUBLIC-E168F3 – ROMAN pendant
https://finds.org.uk/database/artefacts/record/id/1035209

Metal detectorist in UK finds ancient Roman penis pendant | Live Science
https://www.livescience.com/roman-penis-pendant-found-uk

発見されたペンダントは長さ約3.1cm、幅約1.2cm、厚さ約0.9cmで、重さは9.7gです。上部にはひもを通すための小さな輪があります。

by The Portable Antiquities Scheme

このような形をしたペンダントはローマ時代のイギリスで頻繁に見られましたが、今回発見されたもののような銀製ではなく、銅合金で作られているのが一般的だとのこと。考古学者のロリ・ロジャーソン氏は「銀は銅合金よりも高品質の金属であるため、ペンダントの保護能力を強化すると考えられていた可能性があります。このような形の厄払いを目的としたペンダントは、特に子どもたちのためによく使われていたと考えられています」と述べました。

これらの遺物について研究しているイヴ・ブレイヤー美術館の研究者、シリル・デュマ氏は「このペンダントは、不運の象徴である『邪眼』の影響を防ぐものです。ローマの男性、女性、子供、そして動物までもが、邪眼を追い払うためにこのようなペンダントを身につけていました」と考えを述べています。

by Wally Gobetz

ニューカッスル大学のロブ・コリンズ氏は「おそらく、このペンダントの作成を依頼した人、あるいは買った人は、高品質の金属を買うだけのお金を持っていたのでしょう。材料として銀を選んだ理由はさまざまですが、その1つは、身につける人がそれを買う余裕があり、ペンダントが展示品にもなるというものです。また、銀には魔法の性質や素材としての関連性もあるのではないかとも考えられます」と考察しました。

金属探知士のウェンディ・トンプソン氏が発見したこのペンダントはイギリスの法律で定められた宝物手続きを行っており、最終的にイギリスの博物館に収蔵される可能性があります。

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