アメリカンイーグル 、ファッション企業の枠を超え、配送&ロジスティクス事業を拡大:収益に対して迅速な影響

DIGIDAY

アメリカンイーグル(American Eagle)はファッション企業の域を超えつつある。その理由は、同社の配送・ロジスティクス事業の拡大である。同社は配達を改善する一手段として配送事業へ進出したが、現在、この事業は収益を出しており本格的な部門へと発展している。

アメリカンイーグル(American Eagle)はファッション企業の域を超えつつある。その理由は、同社の配送・ロジスティクス事業の拡大である。

配送企業を買収してロジスティクス事業を拡大

その拡大のきっかけは、配送スタートアップ、エアーテラ(AirTerra)の2021年8月の買収であったが、現在、この事業は収益を出しており、本格的な部門へと発展している。

アメリカンイーグルアウトフィッターズ(American Eagle Outfitters)は、2021年12月、米国全土でフルフィルメントセンターと倉庫を運営するクワイエットロジスティクス(Quiet Logistics)を買収し、クワイエットロジスティクスとエアーテラをまとめてクワイエットプラットフォームズ(Quiet Platforms)の傘下に再編成した。そして5月31日、アメリカンイーグルアウトフィッターズは、クワイエットプラットフォームズと郵便・宅配便を扱うピツニーボウズ(Pitney Bowes)とのパートナーシップを発表した。

クワイエットプラットフォームズは既存のインフラストラクチャーを通じてサプライヤーから倉庫への出荷処理をすでに行っているが、ピツニーボウズとの協働により、アメリカンイーグルは倉庫から消費者へのラストワンマイル配送の円滑化もできるようになる。クワイエットプラットフォームズの社長であるブレンド・ビーバウト氏によると、これは同社が「より速い配送サービスとロジスティクス機能を備えて、注文をより速く効率的に顧客に届ける」ことができるようになるために必要な最後の鍵だったという。

「ネットワーク内の小売業者とブランドに、当社の広範なロジスティクス機能へのアクセスを提供することによって、小売業者は自分たちの得意分野によりいっそう注力できるようになる」とビーバウト氏は述べている。

アメリカンイーグルの純収益に好影響を与えるクワイエットプラットフォームズ

12月以来、アメリカンイーグルはほかのブランドにもクワイエットプラットフォームズのサービスを提供している。現在、コールズ(Kohl’s)、スティーブマッデン(Steve Madden)、ペロトン(Peloton)など60以上の企業がそのインフラストラクチャーを活用している。

小規模ではあるが、この配送事業はアメリカンイーグルの収益に対して迅速な影響を及ぼしている。アメリカンイーグルは、5月26日の収益報告においてクワイエットプラットフォームズが純収益の伸びに3ポイント上乗せし、2022年の第1四半期において2%の伸びにつながったことを発表した。つまり、クワイエットプラットフォームズからの収益がなかったとしたら、同四半期の純収益は-1%であったということだ。

アメリカンイーグルは配達を改善する一手段として配送・ロジスティクスへ進出したが、今回の買収以来、同社の配達は35%速くなっている。同社の重役らはクワイエットプラットフォームズが独立した収入源になることを願っているという。

アメリカンイーグルの最高財務責任者であるマイク・マティアス氏は、3月の第1四半期の決算発表で次のように述べている。「クワイエットの買収については、当社のブランドにもたらすメリットやサードパーティビジネスの長期的成長の可能性などがあり、非常にエキサイティングだ」。

必要性が発明につながることがしばしばあるように、昨年はファッション業界において多くの企業が発送や配達について再考するようになった。その結果、スキムズ(Skims)はフルフィルメントセンターにおいて自律型ロボットをローンチし、ウォルマート(Walmart)は製品の移動のために船をチャーターした。アメリカンイーグル同様、ウォルマートも社内の配送ロジスティクスツールを他企業に提供しており、それは同社にとって追加の収益源になっている。

[原文:American Eagle continues the growth of its shipping and logistics business

DANNY PARISI(翻訳:ぬえよしこ、編集:黒田千聖)


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