「何もかもを、万人向けに作る必要はない」:Amazon Live ライブストリーミング ホスト ケイティ・サンズ氏

DIGIDAY

インフルエンサーは商品を口コミで宣伝し、一夜にして完売させる特別なコツを身につけている。ますます多くの小売企業やブランドがこの点に気づくなか、クリエイターが新しいプラットフォームでその才能(とフォロワー)を活かして、より形式化された方法で商品を販売する機会が生まれようとしている。

インフルエンサーのケイティ・サンズ氏は、ライフスタイルとファッションのブログを運営し、2016年からインスタグラムで「@HonestlyKate」というアカウントで活動している。サンズ氏は2020年初頭、Amazonライブ(Amazon Live)の最初のライブストリーミングのホストのひとりとして参加し、自身のパーソナルブランドに合致するだけでなく、フォロワーにアピールして購入ボタンをクリックしたくなるようなオンラインマーケットプレイスの商品をテストし、レコメンドし、キュレートしている。

サンズ氏はインスタグラムに33万2000人のフォロワーを持ち、このソーシャルプラットフォームを使ってブログとAmazonライブの両方のファンに、各ライブ配信のストーリーやテーマの礎となっている自身の私生活を見せている。彼女はホストとして活動した2年間で、1回のライブ配信ストリームあたり1000人から2万人のアクティブな視聴者を獲得するまでになっている。

ほかのブランド、特に美容関連とファッション関連の分野は、サンズ氏との長期的な提携により彼女のフォロワーのあいだで売り上げを伸ばしている。サンズ氏によると、彼女の収入の大部分はそこから来ているという。

米DIGIDAYのポッドキャストで配信している4部構成のクリエイターシリーズ。最終回の今回は、サンズ氏が2022年のインスタグラムインフルエンサーのあり方、複数のプラットフォームにまたがる活動が必要な理由、そしてライブストリームによるショッピングインフルエンサーというかなり新しい役割に移行した思いなどを解き明かす。

以下、対談のハイライトを紹介する。なお、長さと読みやすさを考慮して編集を加えている。

インスタグラムでストーリーを語り、Amazonでは商品を販売する

私がインスタグラムでフォロワーを持つ理由は、彼らが私が何をしているのかをリアルタイムで見たいと思っていて、私に対して非常に正直で本物であることを望んでいるからだ。だから私のインスタグラムのアカウント名は「@HonestlyKate」にしている。私は、スポンサー付き製品とコンテンツの精神との橋渡しをしつつ、本当にリアルなことを伝えようとしてきた。

たとえばウェディングの分野では、私は今年22組の結婚式にゲストとして招かれているだけでなく、自身も結婚式を挙げた。そこで、ウェディングレジストリ(新婚生活の必需品リスト)に組み込むべきもの、デスティネーションウェディング(リゾート婚)に行く場合にゲストとして買うべきものなどについてのストリーム配信をいくつか実施した。特にAmazonについては、本当にさまざまなカテゴリが揃っているので、生きている世界全体がAmazon上にあるように思える。Amazonを使えば、その日の配信のトピックが何であろうと、あらゆるシーンをストリームに取り込み、(登場する商品を)カルーセルの下に置くことができる。

お金は美容に集まる。鍵になるのは長期的なパートナーシップ

私はブランドと長期的なパートナー契約を結ぶことが好きだ。1回限りのパートナー契約を結ぶこともあるが、絶対にうまくいかない。なぜなら、人々は、1年を通じて、季節を通じて、人生のさまざまな局面で、私がその製品を使い続けているのを見たいからだ。私のファンにも同様のことが言える。だから、半年から1年程度の長期的なパートナーシップを提案するように心がけている。

現在、私はさまざまな美容ブランドと仕事をしているが、美容ブランドやスキンケアブランドが新製品を出すたびに、私がなぜそれを使っているのかを説明している。パートナー契約に合意する少なくとも3か月前から最新の製品を試用してみることにしている。(毎日のルーティンのなかで)私がそれを使えるか確認したいからだ。

しかし、誰もが知っているとおり、この世界でお金を稼げるのは美容業界であり、ファッション業界ではなくなってきているのがおもしろい。特にスキンケアに集中している。(契約は)インスタグラムのストーリーで3~4フレーム、そして画像投稿、ブランドとのライブ配信などという内容になることが多く、常に幅広い。

最新のツールやプラットフォームに追いつくプレッシャーを回避する

パンデミック当初、誰もがTikTokに投稿していたとき、私も、自分のコンテンツをすべてインスタグラムからTikTokに移そうと思ったが、それは人々が見たいものではないと気づいた。パンデミック中とはいえ、より多くの種類のコンテンツを制作する時間と余裕はなかった。Amazonライブでフルタイムでストリーミング配信をし、子どものころからの寝室をスタジオに作り替えたりしていたので、手を引くことにした。いまでもプライベートなアカウントでTikTokを見ているし、チームが投稿を続けてほしいと思っていることもあって、今後(再開)しないというわけではないが、まだ決めてはいない。

インスタグラムのリールを使っているが、それは主にブランドからリールを要求されたときだ。リールはTikTokのコピーだと思っていて、個人的には好きではない。短い動画を見るのは楽しいと思うが、リールは私が作った動画を切り取ってしまうので、編集機能に何か問題があるのだと思う。でも、多くのブランドがリールを要求してくるので、「代わりに動画を作ったらどう? もっと長くてもいいし、別の方法で撮影してもいい」と言うことにしている。彼らは、彼女は今日リールを使った、彼女は今日ストーリーを使った、彼女は今日ロケーションタグを使った、というようにインスタグラム(=プラットフォーム)がポイントを与えてくれて、それがアルゴリズムをうまく利用する方法であることを知っているので、リールを使いたがる。

ブランドはアルゴリズムをうまく利用したいので、当然使い続け、アルゴリズムでより高評価を得るためにいくつかのルールを順守しなければならない。しかし、私は、クリエイターとして、自分らしさ、自分の本業にこだわっている。何もかもを万人向けに作る必要はない。誰かのための何かになればいい。

[原文:With commerce at the center, how an Instagram influencer turned Amazon Live host

Kayleigh Barber(翻訳:藤原聡美/ガリレオ、編集:猿渡さとみ)

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