バッファロー版「nasne」の録画番組をWindowsの「PC TV Plus」へ転送する【自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ!】

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 本連載では【使いこなし編】の第48回から第53回まで、Amazonの「Fire TV Stick」と、アイ・オー・データ機器の「REC-ON」シリーズを組み合わせて、録画したテレビ番組をWi-Fi経由で視聴する環境を紹介した。

 これと似ているが、バッファロー版の「nasne(ナスネ)」と、「PS5」やAmazon「Fire TV Stick」、またはスマホや「Chromecast with Google TV」の「torne mobile」を組み合わせて、自宅内のWi-Fiだけでなく、外出先のモバイル回線やホテルで提供されているWi-Fiにつなぎテレビで視聴する方法や便利な使い方などを紹介している。

 Windows PCの「PC TV Plus」と「nasne」と組み合わせた活用をしている。今回は、PC TV Plusを使ってnasneに録画したタイトルをWindows PCのディスクに転送してみる。この操作はダウンロードと呼ばれる。

Windows PCの「PC TV Plus」で「nasne」を活用中だ

 まずは、転送先となるWindows PC内に保存用のフォルダーを作成し、PC TV Plus上で[番組の保存先]に指定しておこう。このフォルダーに保存されるファイルはPC TV Plus専用で、Windowsから操作することはない。

 なお、フォルダーを作成するドライブの選択には注意が必要だ。PC TV Plusのヘルプファイルには以下のような注意が書かれているが、ポイントとなるのは、ファイルは内蔵ディスクの「C(システム起動)」ドライブに保存することが望ましいということだ。

・コンピューターの故障などにより構成部品を変更すると、別のコンピューターとみなされて保存した番組を読み込めなくなる可能性があります。番組を長期保存する場合は、ブルーレイディスクやDVD、SeeQVault対応ハードディスクへの書き出しを推奨しています。
(中略)
・「番組の保存場所」は、内蔵ハードディスクの利用を推奨しています。外付けハードディスクなど外部記憶装置を利用した場合、機器が正しく取り外されなかったときや機器がコンピューターに認識されない問題が発生するとデータを読み込めなくなるおそれがあります。
(中略)
・番組の保存場所にCドライブ以外を指定する場合、ドライブレターが変化しないようご注意ください。お使いのコンピューターの「コンピューターの管理」ツールよりハードディスクのドライブレターを固定してからご利用ください。

 ……とは言っても、ノートPCではSSDが使われていたりして、起動用「C」ドライブの容量は少なめなことが多い。外部にHDDを接続してそれを録画データ用にする方が現実的だろう。

ノートPCでは、録画データ保存用の外付けHDDを接続しておくのが現実的

 PC TV Plusを利用するとき、保存用の外部HDDを1台のみ接続して、USBメディアやカードリーダーなどを装着しないようにすれば、外部ドライブは通常「D」になる。これを変動させないようにすれば問題はない[*1]

ドライブに録画データ保存用のフォルダーを作成しておく。外付けHDDでは、ここでは「D」となっているドライブレターが常に同じことを確認して使おう

 PC TV Plusを起動する前に外付けHDDを接続し、エクスプローラーからドライブレターを確認しておけばいいだろう。可能であれば、デスクトップPCでドライブレターを固定して使うようにするといい。

[*1]……デスクトップPCの内蔵HDDでドライブレターを変更したいときは、Windowsメニューを右クリックし、[コンピューターの管理]の画面で、[記憶域]―[ディスクの管理]を表示させ、目的のドライブを右クリック[ドライブ文字とパスの変更]で[変更]を選ぶと特定のドライブレターに固定できる。接続HDDが変更されるノートPCなどでは、接続順に「DEF~」とドライブレターが決まっていくので、ほかのHDDを外した状態で外付けHDDを接続すると(内蔵ドライブにDがなければ)「D」ドライブになる

 このPC TV Plusで転送した番組の再生時には、インターネットに接続して再生有効期限がチェックされる。転送した番組の再生は、その固有のWindows PCのPC TV Plusからのみ行えるが、インターネット接続がない環境での再生や、外付けHDDを取り外した状態で放置しておいた後に再度つなぎ直した際などには、注意する必要がある。

 また、長期間保存したい録画番組は、なるべくBlu-ray DiscドライブでBD-Rメディアへ書き出しておいた方が安全だ。PCが壊れてパーツを交換すると、別PCと認識されて再生できなくなるが、BD-Rメディアへ転送しておけば、こうした制限はなくなり再生環境を選ばなくなる。

PC TV Plusで、[設定]メニューから[アプリの設定]を選ぶ

[番組の保存場所]で[変更]ボタンをクリック

作成したフォルダーを選んで[実行]ボタンを押すと、すでにあるデータの移動が始まる。転送したデータがなければすぐに終わる

 [番組の保存先]の指定が完了したら、PC TV Plusの[Video]タブで転送したい録画タイトルで[ダウンロード]を選べばいい。

[Video]タブからnasneに録画したタイトルを選んで、[番組情報]を見てみよう。このまま[ダウンロード]することも可能だ

nasneの内蔵HDDに録画されていて、ダビング10のコピー制限がかかったタイトルであることなどの詳細が分かる。[ダウンロード]をクリック

 ダウンロードと同時に再圧縮することもできるが、[長時間]モードで圧縮すると、この後BD-Rへの書き込みはできなくなるので注意しておこう。

ダウンロード時に圧縮率を変更することも可能だ。[開始]をクリックする

確認画面が表示されるので[はい]で進めよう

ダウンロードが始まる。後は完了を待つだけ。3倍圧縮の1時間番組ならおよそ10分程度かかる

 ダウンロードした番組は、[Video]タブから検索することができる。コピーワンスで保存されているので、PCから移動させるとムーブとなり、ディスクからは消去される。

ダウンロード完了後、[Video]タブで[PC]に保存されたタイトルを絞り込んでみる

保存先が[PC]で、コピーワンスで保存されていることが分かる

ディスクに保存されたファイルは暗号化されていて、これだけでは何もできない

もし、60日間の再生有効期限が切れて再生ができなくなったら、番組を右クリックし、メニューから[再生有効期限を更新する]を選べばいい。通常は起動時に自動更新される

 録画タイトルをPCにダウンロードするメリットは、nasneとは無関係に再生やBD-Rへの書き込みができることだ。つまり、PCのPC TV Plusで番組を再生しているときに、同時にnasne mobileなどでnasneに録画した番組を再生できるわけだ。また、PCでBDドライブへ書き込みたいときも、実際に書き込みを行う作業の前にあらかじめ転送をしておけば、LANでのデータ転送失敗で番組が書き込めないという事故を防ぐこともできる。

 ダビング10の番組であれば、転送後はnasneとPCの2カ所に保存されることになるので、完璧ではないにしても、万一nasneが故障したときのバックアップにもなる。ただ、PCにダウンロードした番組を再度nasneにアップロードすることはできないので注意して欲しい。

 それでも、PC TV Plusを使って別のPCへムーブすることはできるので、PCを買い換えたら、体験版の期間をうまく活用して録画番組のデータをムーブさせるといいだろう。このように、PCを第2のレコーダーとして積極的に活用して欲しい。

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