「陰茎への電気ショック」で早漏が治り持久力が40秒から5分になったとの医学的事例が報告される

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「日本人の成人男性の1300万人、約3.5人に1人が早漏で悩んでいる」との調査結果があるように、射精に至るまでの時間が本人の意思に反して過度に短くなる早漏は多くの男性にとって悩みの種です。そんな早漏を、副作用のリスクや治療コストが少ない「陰茎に30分電極を貼り付ける」という治療を行うことで、射精までの時間を約7倍にすることができたと報告されています。

Transcutaneous dorsal penile nerve stimulation for the treatment of premature ejaculation: A novel technique – ScienceDirect
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2214388222000054

Scientists reckon they’ve got a cure for premature ejaculation.. but it involves ZAPPING the penis | Daily Mail Online
https://www.dailymail.co.uk/health/article-10707513/Scientists-reckon-theyve-got-cure-premature-ejaculation-involves-ZAPPING-penis.html

レバノン大学で泌尿器科長を務めるMohamad Moussa氏らの研究チームは、査読付きオープンアクセスジャーナルのAsian Journal of Urologyに掲載された論文の中で、射精障害に悩む28歳の男性患者の治療についての知見を発表しました。研究チームによると、この男性は1年前から女性と関係を持っており、週に2回は性交渉をしているものの、ほぼ毎回40秒以内に射精してしまっていたとのこと。

男性には勃起不全、心血管疾患や神経疾患、またはうつ病を含む主要な精神疾患などは見られませんでしたが、1年間にわたる薬物治療では効果が得られず、局所麻酔薬を使用する治療まで行っても改善しませんでした。

そこでMoussa氏らは、男性の陰茎に電極を取り付ける治療を行いました。具体的には、陰茎の付け根と付け根から2cmの位置に電極を取り付け、周波数20Hz、パルス幅200マイクロ秒、電流20~60mAの経皮的刺激を加えました。この刺激が痛みを伴うかについては、論文の中には言及がありませんが、同様の装置を用いた研究では「不快感は生じない」とされているとのこと。


この治療を1回30分、週に3回、6カ月間続けてから、性交渉の際の膣内射精潜時(intravaginal ejaculation latency time:IELT)をストップウォッチで計測したところ、IELTは40秒から平均3分54秒へと有意に長くなりました。しかも、IELTは治療を終了させた後も長くなり続け、治療開始から数えて約14カ月後の60週目には5分間に達していたとのことです。

なお、イギリスの国営医療サービスであるNHSが500組のカップルを対象に実施した調査では、「射精までの平均時間は約5分半」だということが分かっています。つまり、男性はこの治療により、40秒しかなかったIELTがほぼ平均と同じ時間まで延びたことになります。

電気ショックで射精までの時間が大幅に改善されたメカニズムは完全には分かっていませんが、研究チームは陰茎にある陰茎背神経への刺激により、射精を引き起こす筋肉が収縮するのが遅くなったのが理由だと考えています。

研究チームは今回の研究結果について、「経皮的な刺激で早漏治療に成功した1例のみの報告であるにもかかわらず、この治療法が早漏に対する安全で非薬物的な療法となる可能性が示されました」と述べて、今後のさらなる研究によりこの治療法が進展することが望まれると結論付けました。

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