眉の迅速なトレンドは TikTok のおかげ:いまの眉トレンドは細め?太め? 【ビューティブリーフィング】

DIGIDAY

かつては完璧やスタイリッシュなどと表現されていたくっきり眉は、2010年代半ばから後半にかけて人気の顔立ちを演出する方法だった。大胆なアイメイクが注目されている今、くっきり眉の勢いは衰え気味である。

細め眉がトレンドになった背景

トレンド予測企業のスペイト(Spate)の最近のデータによると、今年の眉毛関連製品のオンライン検索は0.0%の変化で完全に横ばいとなっているが、一方でアイメイクトレンドの検索は増加傾向にある。これは、カーラ・デルヴィーニュ氏やキム・カーダシアン氏をはじめとするセレブが主導した、カルト的なアイブロウ製品を入手するために誰もがグロシエ(Glossier)やアナスタシア・ビバリーヒルズ(Anastasia Beverly Hills)などのブランドに群がった2010年代の強調眉(と太い眉)の時代とは大きく異なっている。現在、消費者はアイメイクを重視しているため、細めで手入れされた眉を選んでいる。

「ブロウに関しては手入れされた細め眉が増えている」と述べているのは、ベネフィットコスメティクス(Benefit Cosmetics)のグローバルブロウエキスパート、ジャレッド・ベイリー氏だ。TikTokユーザーらはリアーナ氏やベラ・ハディッド氏のような極細眉が2000年ごろの細眉を復活させると予測しているが、ベイリー氏の顧客はそこまで極端ではない眉のルックを選んでいるそうだ。「今の細眉は以前のものとは違う」。

ニューヨークを拠点とするジョーイー・ヒーリー・アイブロウ・スタジオ(Joey Healy Eyebrow Studio)の創業者、ジョーイー・ヒーリー氏は顧客から受けるリクエストについて「以前よりは確かに細めになっている」と述べている。「だが、細眉とは言い切れない」。同氏は普通の人たちが極細眉のセレブを真似することは勧めないという。「ベラ・ハディッド氏はスーパーモデルで、浮世離れした顔の構造をしている。ほとんどの人たちは(真似をしても)同じようにはならない」。

細め眉によってソーシャルメディア上のアイメイクトレンドが爆発する余地が作られているのかもしれない。ブロウ製品の検索は横ばいだが、スペイトのデータによると、アイライナーの検索はクリエイティブなアイルックが主流になっているためインスタグラムとTikTokでは前年比で18%増加してるという。

「アイライナーは消費者の関心をまた集めており、人気は上昇している。アイライナーはクリエイティブな方法で使われている。だが、それ以前はブロウが中心だった」と、スペイトの共同創設者、ヤーデン・ホーウィツ氏は述べている。

アイブロウの流行の変遷

これはくっきり太眉の時代からの顕著な変化である。2015〜2016年に眉は「顔のくっきりと目立つ特徴になり、誰もがそれを真似した」とベイリー氏。同氏は、その期間には大胆な眉のトレンドが同時に2つ起こっていたと指摘する。カーダシアン氏がインスピレーションになったインスタグラムの悪女的スタイルのくっきり眉と、デルヴィーニュ氏が起こした「ボーイッシュな眉」のトレンドである。

そして、これらの流行とともに製品が売れた。「2016年以前に市場で販売されていた製品は標準的なものだった」とベイリー氏。ブロウペンシルの色も限られていた。「当時は10色展開のブロウなどはなかった」。2010年代半ば、ベネフィットコスメティクスはブロウ製品を9点、それぞれ異なる色で展開し、ブロウ製品は計45点へと大幅に拡大した。

また、ヒーリー氏は自身のアイブロウコレクションでも同じような変化を目撃したという。「カーラ・デルヴィーニュ氏の眉が大流行したとき、顧客はできるだけ真似しようとしたので当社の眉毛用セラムは売り切れ続出だった」。同じことが「2015年のインスタグラムブロウ」を作るために使える同社のポマード製品にも起こった。現在、セラムはまだ人気があるが、トレンドの変化に伴ってポマードの売上は減少している。

ボーイッシュなブロウの流行

特定のタイプのブロウに注力するブランドも変化を目撃している。

2015年10月に発売されたグロシエのボーイブロウ(Boy Brow)は重要なカルト主力製品になった。それは、最小限のアイメイクでデルヴィーニュ氏の眉を実現したい顧客が飛びついたからだ。ヒーリー氏によると、これによって「ボーイフレンドジーンズの眉版」が促進されたということである。

スペイトのデータによると、ボーイブロウは依然グロシエでもっとも検索されている製品だが、検索数は前年比で33%減少しているという。グロシエは販売データを公開していない。同社製品の全体的な検索数は前年比で25%減少しているが、同社の香水への関心は相変わらず高まっている。

しかし、眉は完全に忘れ去られたわけではない。くっきりと太い眉への関心はまだ存在する。スペイトによると、眉毛を際立たせるためのパーマのような化学処理であるラミネーションは眉のトップトレンドであり、昨年から検索数が41%増加しているという。

たとえば、ベネフィットコスメティックスは同社のブロウバーでブロウラミネーションを展開しているところだ。現在、シカゴ、カナダ、シドニーのパイロット市場でサービスを提供しており、年末までにグローバルにローンチする予定がある。また、ベイリー氏によると同社のブロウ製品はまだ力強い成長を遂げているということである。たとえば、マイブロウペンシル(My Brow Pencil)は前年比で2桁の、24時間ブロウセッター(24-hour Brow Setter)は3桁の成長を遂げている。

同時に起こっている複数のトレンド

今の時代の眉には複数のトレンドが同時に起こっている。

「現在興味深いのはいろいろなトレンドが起こっている点。それは間違いなくTikTokなどのおかげだ」とヒーリー氏。「ファッション同様、トレンドのサイクルはどんどん早く、ワイルドになっている。全員が『ヴォーグ』9月号を読んだわけではないのに、同じ行動をしている」。

その例としては、スペイトのデータが示しているように、昨年と比べて「ふんわり眉」の検索数は20%、「細眉」は12%増加しており、検索ボリュームでは「細眉」は「ふんわり眉」を上回っていることが挙げられる。

楽しいアイルックもブロウに影響を与えている。ヒーリー氏は最近TikTokライブを実施したが、それはTikTokで流行中の「ユーフォリア」風キラキラ「ディスコブロウ」のトレンドに関するチュートリアルだった。「皆が社交シーンに出てきており、以前よりも目立つ大胆な方法で人生を楽しんでいる。パーティ向けの眉で」と同氏は語っている。

ベイリー氏は、近年ソーシャルメディアで話題になったドラゴン眉ギザギザ眉ウェービー眉のような「一瞬のミニトレンド」と、長期的なトレンドとを区別している。同氏は、製品開発において「ベネフィットコスメティクスは、一瞬のミニトレンドではなく、もっと大規模で本物のトレンドになるものを特定しようと試みている」と述べている。

[原文:Beauty & Wellness Briefing: The end of an eyebrow-first era

LIZ FLORA(翻訳:ぬえよしこ、編集:山岸祐加子)

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