注目を集める「 アテンション 」指標:ファネルの上下両端で期待されるその潜在力

DIGIDAY

メディアビジネスは、効果測定方法と評価指標に関する限り、一種の混沌状態にある。そうしたなか、効果測定領域のひとつのサブカテゴリーとして、アテンションという指標が注目されている。MRC認定の技術ではないが、すでにいくつかのメディアエージェンシーが試験的に運用している。

メディアビジネスは、デジタル、リニア、ソーシャル、パブリッシャーなどの別なく、効果測定方法と評価指標に関する限り、一種の混沌状態にある。ニールセンはついさきごろ買収された。その同業他社や競合する計測システムは、メディアの売買にとって自分たちは欠かせない存在だというアピールに余念がない。今年のアップフロント(米国におけるテレビ広告枠の先行販売イベント)以降、エンゲージメント、ビューアビリティ、ロイヤルティ、さらには営業成果まで、数多の評価指標が複雑に入り乱れ、ブランドとメディアエージェンシーを多大な混乱に陥れている。

そうしたなか、効果測定領域のひとつのサブカテゴリーとして、アテンションという指標が注目されている。リアルアイズ(RealEyes)、ティービジョン(TVision)、アデレード(Adelaide)ら、一部の企業がメディアプランニングやアクティベーションでもっと検討すべき指標として推進している。基本的に、アテンション指標は広告メッセージに向けられる「注意」を評価しようとするもので、興味や価値を測る十分な基準としてはビューアビリティにも勝る。パッシブ方式のアイトラッキング(視線検出)技術を用いるこの指標は、行動ベースであれ結果ベースであれ、単一の指標で全体を表現することをめざしている。

アデレードの評価指標ツール「AU」

MRC認定の技術ではないが、すでにいくつかのメディアエージェンシーが試験的に運用している。たとえば、マーク・グルディマン最高経営責任者(CEO)が率いる私企業のアデレードは、3月31日にティービジョンと非公開イベントを開催したのだが、このイベントで、アデレードの評価指標ツール「AU」を活用しているいくつかのメディアエージェンシーが、実際の活用事例とその効果について報告している。なお、このイベントには米DIGIDAYも出席した。

AUを使ってみたメディアエージェンシーの幹部たちにとって、最大の驚きはおそらく、ブランド効果とパフォーマンス効果の両方を扱う計測基準としての価値だ。このイベントには、OMDでデータとテクノロジーの最高責任者を務めるセバスチャン・エルノー氏、ハヴァスメディア(Havas Media)でマーケティングアナリティクスとデータコンサルティングを統括するケイトリン・ラッセル氏、メディアハブ(Mediahub)でP3(デジタルプラットフォームおよびデータドリブンのメディアバイイング)を担当するエグゼクティブバイスプレジデント兼ディレクターのエド・マッケルヴェイン氏らが出席していた。

「アテンション指標とパフォーマンス指標のあいだには強い相関関係があった」とエルノー氏は話す。「我々の場合、アテンション指標は最適化に活用している。目下、この指標をアクティベーションプランに組み込む方法を模索しているところだ」。エルノー氏によると、アテンション指標は、アクティベーションの段階で使うより、プランニングのプロセスに組み込むほうが難しいという。その理由について、「プランニングの段階でその効果を証明することが難しいから」と同氏は説明している。

もっぱらプログラマティックバイイングを手がけてきたマッケルヴェイン氏は、アテンション指標の導入により、クライアントのためにより効果的な投資が可能になったと述べている。「アテンション指標のおかげで、より良質な在庫を購入できるようになった」。

しかし、効果があるものは高価でもある。ブランドの買い付け担当者と仕事をするときは、この点がネックとなる。アテンション指標を活用すると、どうしてもより高額なインベントリーを購入しがちになるからだ。買い付け担当者にとっては悩みどころである。ハヴァスメディアのラッセル氏が指摘するように、重要なのはアテンション指標を適切に活用し、買い付け担当者に「予算の無駄遣いがなかった」ことを証明することだ。「高価なキャンペーンだったが、投資に見合う価値はあったと証明することにもなる」とラッセル氏は述べている。

「いずれ主要な指標となることもある」

アテンションは価値を測る指標として普及するか。アーウィン・ゴットリーブ氏はWPP傘下のグループエム(GroupM)の元CEOで、前述のイベントの登壇者であり、アデレードの投資家でもある。ゴットリーブ氏は最終的にはそうなるべきだと考える一方で、それはいま心配するべき問題ではないとも述べている。「指標として普及するか否かについて議論するつもりはない。いつの時代も二次的、三次的な指標はあった。いずれ知識の非対称性がなくなれば、主要な指標となることもあるだろう」。

「我々のバイサイド重視の姿勢は変わらないが、AUを用いて最適化をおこなう広告主が増えるに伴い、市場の進化は必然だ」と、グルディマン氏はイベント後に語った。「我々はAUの活用が普及し、良質なインプレッションが不足することを想定している。そうなれば、広告主はAUを最適化に使うよりも、AUベースで成果保証を求めるほうが得策かもしれない」。

[原文:Media Buying Briefing: Attention metrics show potential at top and bottom of marketing funnel

Michael Bürgi(翻訳:英じゅんこ、編集:長田真)


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