ゴールデンウィーク真っ只中の2022年5月6日、月刊少年マガジン6月号にて『サンダー3』という新連載漫画がスタートした。作者は池田祐輝さん。月マガの公式サイトによれば、本作が連載デビューの新人作家らしい。
表紙には学ラン姿の中学生3人組と、犬を抱えた小さな女の子。ゆるいタッチの絵柄から日常系ギャグ漫画? のような印象を受けるが、気になるのは編集部による煽り文だ。「編集長も思わず失禁」て。マジかよ、一体どんな内容だというのか?
・無料公開中
何やらタダ者ではないオーラを放っている『サンダー3』。その第1話が現在、『サンダー3』公式Twitterと月マガ公式Twitterにて無料公開されている。同様に講談社アプリのマガポケ、コミックDAYS、さらに各電子書店でも無料で読める状態だ(2022年5月10日時点)。
なのでまずはどうにかして本編をご覧いただきたいのだが、私(あひるねこ)を含め、おそらく多くの読者が読み進めながら同じような印象を抱くはずである。で、これは何の漫画なの? と──。
・困惑の序盤
そこで描かれるのは、冴えない仲良し中学生トリオのごく普通の日常であり、特に何かが起こるワケではない。漫画家の父、イケメン転校生、オタクっぽい担任教師……。強いて挙げるなら、お兄ちゃんのことが大好きな幼い妹がやたら可愛いくらいか。
そんなストーリーとも呼べないストーリーが、お世辞にも上手とは言えない平面的な絵柄で展開されるのだから困惑するしかない。我々は一体何を見せられているのか? そもそも編集長はどこで失禁したのか? 漫画を読む前に、まずは泌尿器科へ行くのが先決ではないのか?
ところが……。
編集長の膀胱事情を案じながらページを進めていくと、『サンダー3』は途中でいきなり、何の脈絡もなく、とんでもない展開に突入してしまう。妹が突然誰かに殺される? うむ、たしかにありがちだが、そんなレベルではない。作品を根底から覆すような超超超展開である。
・予測不可能
そのカタストロフ的衝撃にネットは騒然。第1話を公開した『サンダー3』公式アカウントのツイートは、大きなバズを巻き起こすことになった。SNSを騒がせた漫画というと、最近ではジャンプ+『タコピーの原罪』あたりが思い浮かぶが、『サンダー3』の場合はもっと分かりやすくシンプルにヤバイのだ。
これ以上はネタバレになるため言及は避けるが、細かい考察を必要としない直感的なインパクトを等しく読み手に与えたという点において、『サンダー3』第1話の試みは大成功だったと言えるだろう。というワケで、とにもかくにもまずは第1話をご覧いただきたい。話はそれからである。
参考リンク:月刊少年マガジン、Twitter @thunder3_ikeda、コミックDAYS
執筆:あひるねこ
Photo:RocketNews24.