「世界をリードする 再販市場 の構築を目指す」:パリ拠点のヴェスティエール・コレクティブのファニー・モワザン氏

DIGIDAY

パリを拠点とするヴェスティエール・コレクティブ(Vestiaire Collective)は、3月、アメリカの競合企業であるトレイジー(Tradesy)を買収。米国における購入客ベースを大幅に拡大し、ザ・リアルリアル(The RealReal)との直接対決が進んでいる。

現在、米国はヴェスティエール・コレクティブの最大の市場である。買収前でも同社の米国における流通取引総額(GMV)は増加していた。同社の共同創設者兼社長であるファニー・モワザン氏によると、2022年第1四半期は前年比で75%増加したという。

モワザン氏は「我々の抱負は世界をリードする再販市場を構築することだ」と、Glossyポッドキャストの最新エピソードで述べている。「ファッション業界とファッションの消費方法を革新したい。それが、毎朝意欲に満ちて目覚めて仕事に取りかかれる理由だ」。

同社は順調に成長を遂げている。トレイジーの買収によりヴェスティエール・コレクティブは現在1万のブランドの製品500万点を取り扱っており、年間流通取引総額で10億ドル(約1285億円)を販売する予定である。

「当社は、自分に合った予算や好みやスタイルで魅力的なものを見つけられる巨大なプラットフォームだ」とモワザン氏。

モワザン氏によると、ヴェスティエールを頻繁に利用する購入客には5タイプあるそうだ。同社の最新キャンペーンのパペットでそれぞれのタイプが説明されている。「ミス・クラシックはおしゃれな女性で、ラグジュアリー製品の購入が生きがいで信頼を重視するタイプ。ハンターはバーゲンを狙ってお買い得情報を探している人。リッチはセラーで、ヴェスティエールには、ファッションを高く評価し、彼の製品の価値を理解してくれるコミュニティがあるとわかっている。レディ・グリーンはファッション活動家。ドロップスは売り切れの商品やレア製品を求めているエッジーな女の子」。

同社は9月にB Corpの認定を受けており、持続可能性に関する具体的な目標を掲げている。そのなかには2025年までにカーボンポジティブになるというものがある。

以下、ポッドキャストの会話からハイライトをいくつか紹介する。読みやすさのために若干の編集を加えてある。

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セラーを味方につける

「セラーは多くのものを求めている。当社はデザイナーラグジュアリー製品を扱っており、セラーにとっても信頼はとても重要だ。セラーは自分たちの製品がどこで扱われ、誰の目に留まるかを気にしている。当社は80カ国、2300万人から成るコミュニティにリーチしているため、セラーにとって当社はこれらの購入者にリーチできる素晴らしい機会を提供している。財務的には、セラーから競争力の高い手数料が求められているのは明らかだ。当社のモデルは米国でもっとも競争力の高いもののひとつだと思う。平均コミッションは15%で、これはかなり積極的だ。また、ヴェスティエールでのユーザーエクスペリエンス全体もセラーから評価されている。当社では人々と関与して、さまざまなソーシャル要素を活用している。それは何よりもまず我々がファッションを愛する人たちのコミュニティだからだ」。

資金調達について

「金融界が再販に大きな関心を寄せているのは、再販が単なるトレンドでないこと、再販が継続するものだということが理解されてきているから。ファッションを消費する現実的で異なる方法のひとつだ。昨年、(投資家として)ケリングを迎えられとても幸運だった。ケリングから大きな信頼を寄せられている。これは、当社にとって素晴らしいマイルストーンであり、当社はユニコーンになった。これには感激した。その後、ソフトバンク(SoftBank)とジェネレーション(Generation)を投資家として迎えられ、エキサイティングな年だった。だが、これらのことは当社側にも達成しなければならないことが多くあるという意味だ。いまでは大規模なパートナーたちから変革を期待されており、彼らとともに成長する絶好の機会がある」。

ブランドパートナーシップの増加

「再販が業界全体から受け入れられるようになると心から信じている。どのブランドも素晴らしい職人技で目を見張るような美しい製品を生み出し続けている。それは変わらないだろうが、ある時点においてブランドが異なる製品を提供したり、顧客がリサイクルして販売できるようにするためのソリューションを提供したりするのも理にかなっている。そこで、当社は昨年「サービスとしての再販」をローンチした。これはブランドやeテイラー対象の新しいサービスであり、彼らが購入者のコミュニティを活用して循環型経済に参入できるようにするものだ。アレキサンダー・マックイーン(Alexander McQueen)でこれをローンチして、またその後にほかのパートナーシップをいくつか実施した。

嬉しい成功例としては、ドイツのeテイラーであるマイテレサ(MyTheresa)との提携がある。マイテレサの仕事ぶりは素晴らしい。マイテレサが顧客に品揃えを宣伝するときの成功率には驚くべきものがある。素晴らしい顧客らがワードローブを提供してこの循環性モデルに参加しつつある。また、1回だけ販売して利益を得て終わりというわけではなく、彼らが何度も利用してくれることを我々は非常に誇りに思っている。これは、そのような人々が自分のワードローブを消耗品ではなく資産と見なし始めており、もっと意識的な消費につなげたいと願っているということなのだ」。

[原文:Vestiaire Collective’s Fanny Moizant: ‘Our ambition is to build the leading global resale marketplace’

JILLMANOFF(翻訳:ぬえよしこ、編集:山岸祐加子)

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