検品の自動化ソフトを提供するアダコテック、11億円を調達–累計調達額は15億円

CNET Japan

 アダコテックは4月27日、新規引受先としてリアルテックファンド、Spiral Capitalを共同リード、東京大学協創プラットフォーム開発(東大IPC)および、既存投資家の東京大学エッジキャピタルパートナーズ(UTEC)、DNX Venturesを引受先とした第三者割当増資により、合計11億円の資金調達を実施したと発表した。累計調達額は15億円。

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 アダコテックは、産業技術総合研究所が開発した「高次局所自己相関(HLAC)特徴抽出法」を用いた画像解析技術を16年に渡って研究開発している。検査対象の形状や大きさを計算する際に複雑な処理を行うDeep Learning技術とは対照的に、画素値(各画素の色の濃淡や明るさを表す値)を積和演算するのみで算出可能。市販PCで瞬時に計算できるという。

 また、位置不変性(認識対象の位置が変わっていても同じものだと認識できること)、加法性(対象が2つある場合にそれぞれの特徴の和が全体の特徴となること)という特性から、画像の中で同じものを表す領域の境界線をみつける必要がないことや(セグメンテーションフリー)、画像に複数の異常が発生した場合も個別に特徴を認識することができるといった、画像認識にとって好ましい性質を備えているという。

 アダコテックは、HLAC特徴抽出法を活用し、従来よりも効率的な異常検知を可能とするソフトウェアを提供。大手自動車会社をはじめとする累計145社が導入しているという。2021年度には海外進出もしている。

 今回調達した資金で、新規事業として組み込み型の提供モデルを立ち上げ、他社製品連携によるシナジー効果を発生させ、売上規模の拡大を進めるという。

 既存事業は、提供領域の拡大やグローバル展開を推進させるため、開発やセールス、カスタマーサクセスなどの体制拡充を実施。組織規模を3倍の60人まで増員するという。加えて、中長期的な目標である検品AIを起点とした工場内データ活用プラットフォーム構築に向けて、製造業の検品分野における技術的なグローバルスタンダードを確立し、業界全体のDXを推進していくとしている。

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