「Ryzen 7」「RTX 3060」「144Hzディスプレイ」搭載で15万円切りのHP製ゲーミングノートPC「Victus 16」レビュー

GIGAZINE



フルHD・144Hzディスプレイ搭載したHPのゲーミングノートPC「Victus 16」のうち、CPUに「AMD Ryzen 7 5800H」、GPUに「NVIDIA GeForce RTX 3060 Laptop」を採用したアドバンスモデルに触る機会を得られたので、外観や性能を詳しくチェックしてみました。

Victus 16.1インチゲーミングノートPC
https://www.omen.com/jp/ja/laptops/2021-victus-16-1-amd.html

・目次
◆1:Victus 16の外観チェック
◆2:キーボードの詳細チェック
◆3:ディスプレイの詳細チェック
◆4:各種ベンチマーク結果
◆5:高負荷時の発熱チェック
◆6:高負荷時のファン音チェック
◆7:バッテリー持続時間&充電スピード
◆8:ゲームをプレイした感想
◆9:まとめ

◆1:Victus 16の外観チェック
Victus 16は外箱が輸送箱を兼ねており、箱に伝票が直接貼られています。


箱の中には、Victus 16本体・説明書類・ACアダプター・電源コードが入っていました。


Victus 16の天面にはアルファベットの「V」に似たロゴが記されています。


正面には何もなし。


左側面には電源端子・有線LANポート・HDMI2.1端子・USB Type-A端子・USB Type-C端子・ヘッドホン出力/マイク入力端子・SDカードスロットが搭載されています。


右側面には排熱用のスリットが空いており、その隣にUSB Type-A端子が2個ついています。


背面には何もなし。


裏面には排熱用の大きなスリットが空いています。


画面を開くとこんな感じ。


ディスプレイとキーボードの間にもスリットが空いています。


Victus 16の重さは実測2.5kgで……


ACアダプターと電源ケーブルは合わせて619gです。つまり、Victus 16を持ち運ぶ際は合計3.1kg以上の重さを運ぶ必要があります。


◆2:キーボードの詳細チェック
キーボードは日本語配列でテンキー付き。


キーボードにはバックライトが搭載されており、各キーの周囲と印字部分が白色に光ります。色や明るさは変更不可です。


アルファベットキーの横幅は約16mmで、キー同士の間隔は約2mm。


左下に配置されたCtrlキーがアルファベットキーより小さめなので、Ctrlキーを多用するゲームでは窮屈に感じました。


◆3:ディスプレイの詳細チェック
ディスプレイの大きさは16.1インチで、解像度は1920×1080ピクセル(フルHD)、リフレッシュレートは144Hzです。表面は非光沢で、自分の顔や周囲の物が映り込みにくくなっています。


最大輝度は250nit。モバイルノートPC「VAIO SX12」と並べると、写真では分かりにくいですがVictus 16の方が少し暗めに感じました。


以下のムービーでは、Victus 16に搭載されたディスプレイの視野角を確認できます。横からディスプレイを見るとかなり暗くなるので、複数人で同じディスプレイを見るような使い方には向きません。

HPのゲーミングノートPC「Victus 16」の視野角はこんな感じ – YouTube
[embedded content]

Victus 16のディスプレイはかなり揺れやすく、少し動かすだけでディスプレイがユラユラ揺れてしまいます。キーボードを打つだけなら揺れることはありませんが、アーケードコントローラーのような机の上に置くタイプの周辺機器を使う場合はディスプレイの揺れが気になりそうです。

HPのゲーミングノートPC「Victus 16」のディスプレイが揺れる様子 – YouTube
[embedded content]

◆4:各種ベンチマーク結果
Victus 16の性能を探るべく、まずは定番ベンチマークアプリ「Geekbench 5」でCPUとGPUのベンチマークを行いました。Victus 16に複数のモデルが存在しますが、今回はCPUに「AMD Ryzen 7 5800H」、GPUに「NVIDIA GeForce RTX 3060 Laptop」を採用したアドバンスモデルを使っています。また、電源モードは最もハイパフォーマンスな「最適なパフォーマンス」を選択しています。


CPUのベンチマークスコアはシングルコアが「1435」で、マルチコアが「8244」でした。


GPUベンチマークの結果は以下の通り。

  NVIDIA GeForce RTX 3060 Laptop AMD Ryzen 7 5800Hの内蔵GPU
CUDA 102218 100634
OpenCL 99751 17193
Vulcan 19654 19484


PassMark PerformanceTest」でもベンチマークを実行しました。総合スコアは「4953」で、GIGAZINEでこれまでにレビューしたノートPCの中で最も高いスコアを記録しました。


CPUスコアは「23412」で、HPのクリエイター向けノートPC「HP ZBook Studio 15.6 inch G8 アドバンスド・クリエイターモデル」のスコア(24147)に一歩及ばず。


2Dフラフィックスのスコアは「486」。


3Dグラフィックスのスコアは「13036」で、同じGPUを搭載したMSIのノートPC「GF65-10UE-258JP」のスコア(12822)を少し上回りました。


メモリのスコアは「2828」。


ディスクのスコアは「25601」で、GF65-10UE-258JPのスコア(13249)を大きく上回っています。


次に、ゲームを動作させた際の快適性を調べるために「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」を実行しました。フルHD・高品質の設定でスコアは「6897」、評価は「快適」です。


バッテリー駆動時のスコアは「2439」で評価は「重い」に落ちました。バッテリー駆動時はGPUのパフォーマンスがかなり抑えられるようです。


設定をフルHD・軽量品質に変更しても、スコアが「2902」で「やや重い」という評価でした。Victus 16でゲームをプレイする際は電源に接続してプレイする方が良さそうです。


最後に、負荷試験アプリ「PassMark BurnInTest」を実行してみたところ、無事にエラーなく完走しました。


負荷試験を行った際のCPU(赤)とGPU(緑)の温度推移はこんな感じ。CPU温度は72度前後で安定し、GPU温度は54度~60度の間で安定していました。


◆5:高負荷時の発熱チェック
「『FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク』を繰り返し実行する」という高い負荷をかけた状態で赤外線サーモグラフィ「FLIR i3」を使って温度を測定しました。デイスプレイには熱があまり伝わらず、ディスプレイとキーボードの間が47.1度まで上昇しています。


キーボードは中央部分の温度が上昇しており、最も熱い部分の温度が44.3度。タッチパッドの周囲は低い温度を保っています。


右側面のスリットからは51.8度の温風が出ていました。


多くのポートが搭載されている左側面は低温が保たれています。


裏面はスリット部分が熱くなっており、最高温度は58.1度。


背面からは最高温度41.0度の温風が排出されています。


高負荷時のACアダプターの温度は46.6度でした。


◆6:高負荷時のファン音チェック
騒音計を用いてアイドル状態と「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」を実行した際のファン音の大きさを計測してみたところ、アイドル状態では33dBA~38dBAを維持し、高負荷時には59dBAまで上昇しました。高負荷時のファン音はスピーカーから出る音の邪魔になりますが、どんな音が出ているかは判断できるレベル。ヘッドセットを装着した状態では、ファン音が気になることはありません。

高負荷時の「Victus 16」のファン音を測定してみた – YouTube
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◆7:バッテリー持続時間&充電スピード
高負荷と低負荷の2条件でバッテリー持続時間を計測しました。

電源コードを抜き、「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」をフルHD・高品質でループ実行させたところ、1時間20分で99%から8%にまでバッテリー残量が低下しました。


画面輝度最低・機内モード・Windowsの省電力機能をONという低負荷な条件で放置したところ、18時間25分で99%から8%までバッテリー残量が低下しました。Victus 16は条件次第でかなり長時間バッテリーを持続させられますが、ゲーミング用途では電源と接続するのがオススメです。


バッテリー残量8%の状態で電源と接続したところ、1時間40分で97%にまでバッテリー残量が回復しました。バッテリー監視アプリ「PassMark BatteryMon」で記録したログを確認すると、バッテリー残量が40%になるまでは1時間当たり約15%の勢いでバッテリーが回復していたことが分かります。


◆8:ゲームをプレイした感想
Victus 16で「Apex Legends」をプレイしてみたところ、処理能力不足を感じることはありませんでした。さらに、「OBS Studio」で録画しつつApex Legendsをプレイしてもカクつくことなく滑らかなゲームプレイを楽しめました。


◆9:まとめ
Victus 16を実際に使ってみたところ、「画面が揺れやすい」「バッテリー駆動時にGPUのパフォーマンスがかなり落ちる」といった気になる点はあるものの、電源に接続すれば安全な温度を保ちつつ高いパフォーマンスを発揮するゲーミングノートPCでした。

ゲーミングノートPCの中にはボディがピカピカ光るものも存在しますが、Victus 16はオンオフ可能なキーボードバックライトが光るのみ。また、外装も白基調の落ち着いたデザインなので、高性能なCPU&GPUを搭載したノートPCとしてゲーミング用途以外にも使いやすそうです。

なお、今回使ったVictus 16のアドバンスモデルは、記事作成時点ではHP公式オンラインストアにて税込14万9900円で販売されています。また、Amazon.co.jpでは税込17万8000円で入手可能です。

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