「パッケージがどれも同じに見える」: コーヒー業界改革に挑む カップレットコーヒー の G・スコルニック氏

DIGIDAY

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カップレットコーヒー(Couplet Coffee)はコーヒー豆とコーヒー関連の商品をオンラインで販売する会社で、創設からわずか数カ月しか経っていないが、鳴り物入りで市場に参入しようと試みている。

現在は、オンラインと、ロトドットコム(Lotto.com)のプレイヤーズカフェ(Players Cafe)などいくつかのパートナーで商品を販売。創設者でCEOを務めるゲフェン・スコルニック氏は4月初旬、米モダンリテールのポッドキャストに参加し、同社の立ち上げについて語った。

スコルニック氏は次のように述べている。「カップレットは大学時代に行っていたサイドプロジェクトだった。私はもう10年以上、コーヒーに夢中になってきた」。

しかしスコルニック氏は昨年から、このブランドがビジネスとして実現可能かを見極めるためのテストを行っていた。その多くは限定版ドロップや、バンブル(Bumble)がスポンサーとなったニューヨーク市の新しいカフェなどのポップアップ店舗での1回限りの小売パートナーシップを通じて行われた。当初、カップレットのランディングページでは、少量(たとえば、30)の限定版コーヒー豆バッグや、フレンチプレスなどの商品を販売する、必要最低限のキャッシュドロップ(cashdrop)のサイトだった。これらの商品はすぐに売り切れ、スコルニック氏はその原因の多くはソーシャルメディアで話題になったことだとしており、ブランドへの信頼が高まったという。

そしてカップレットは今、次の段階に進もうとしている。アーティストとの小規模なパートナーシップや、限定版商品の発売を現在も続けているが、常設店での存在感を高めようとしているのだ。同社は現在、全国の17の小売店舗で販売を行っている。オンラインでのサービスを今年初めに開始したのに加えて、同社はプレイヤーズカフェで20カ所以上のコーヒーカート店舗を開設している。スコルニック氏は、さらに多くの展開も計画していると語る。

このような企業を成長させるのは、スコルニック氏にとって新しい分野だった。同氏はまだ20代半ばにもかかわらず、過去数年間にわたり、ソフトウェア・エンジニアリング、D2Cマーケティング、投資など、さまざまな分野で働いてきた。しかし、コーヒーについて特別な経験はなかった。そこでスコルニック氏は、この分野についてより深く理解するために、自分のネットワークを拡大した。

「昨年はずっと、操業がどのように行われるか、D2Cブランドがどのように業務を遂行するか、コーヒー会社がどのように運営されるかを知り、それを理解するのを支援してくれるアドバイザーと投資家のエコシステムを作成するために費やした」と同氏は語った。これらすべては、同氏が2021年に資金調達ラウンドを開始するのに役立った。

カップレットは正式に操業を開始したが、この教育が終わりになったわけではなく、企業はこれからも成長を続ける計画だ。スコルニック氏は、さらに多くのコーヒーショップや小売業者とのパートナーシップを探し求めながら、商品ラインナップを拡大し、カップレットの本来の目的を維持することも願っている。

同氏は、外部とのパートナーシップの数が増えても、「我々は基本的にD2Cブランドだ」と述べている。

同氏との対談の要点を以下に紹介する。これは明瞭さを考慮し、多少の編集を加えたものである。

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新しいタイプのコーヒー会社を作ろうとしていることについて

「多くの人が、同じコーヒー会社を繰り返し立ち上げているような気がした。おそらく最初は1店舗を、そしていくつかの店舗を開店し、そのうち自社で豆をローストするようになる。数多くのマイクロロースターが存在し、地元で少量バッチを出すといった感じだ。そして、ブランドが違ってもパッケージはどれも同じに見える。私がコーヒーコミュニティで会った多くの人々、そしてコーヒーコミュニティ以外で会った人々も、ブランドに対して本当の意味で親近感を持っていなかった。つまり、コミュニティが欠けており、ブランドが欠けており、本当の意味でD2Cを行うことが欠けていたというのが、私の意見だ。一部の人々は非常に良い結果を残した人々もいるが、それはまだ、プレミアムな職人によるニッチなもので、ターゲット層はいつも非常に小さかった。これをもっと多くの人のためのものにするのが、私の目標だった」。

スコルニック氏はどのようにコンセプトを転換したか

「私がカップレットを最初に創設したとき、私はこの会社をテック企業のようなものにすることを望んでいた。私は最初に、コーヒー版のスティッチフィックス(Stitch Fix、オンラインファッションスタイリング)や、ミストボックス(Misto Box、コーヒーのサブスクリプション)を変化させたようなものが必要だと考えていた。しかし、私はそれに対する情熱をすぐに失った。私は、私が本当に作り上げたいのはもっとはるかに構築が難しいもの、つまり新しいブランドを最初から作り上げることだと考えた。そこで私は、何が欠けているのかを理解すれば、それを作り上げることができると考えた。そして私は数百人以上の、何年にもわたってコーヒーに関心を持ってきた人たちにインタビューした。この構想を立ち上げるには、手がかりをつかんだのだ。私は、SaaS企業で勤務したことはないが、消費者向けブランドで勤務した経験から、マーケティングを深く理解している。そのため、私はコーヒーブランドへの転向を即座に決意した」。

TikTokに注力してトラフィックを促進

「我々は従来からコンテンツが非常に得意だったため、コンテンツに力を入れた。TikTokでは何回もバイラル化しているが、2週間ほど前までは、私の顔だけだった。TikTokの投稿には私の顔しか映っていなかった。そこで私は、動画とコンテンツを作成する担当者を何人か採用し、実際には何がトラフィックソースとして前進するのかを厳選してもらうことにした。私のトラフィックの多くは基本的にTikTokからのものだった体。限定版のドロップによって、TikTokとTwitterで多くのトラフィックを生み出すことができた。私はインスタグラムにはあまり力を注いでこなかった。このため、当社は一般的なインスタグラムの広告のルートはとらない。しかし、多少のテストはもちろん行う。ただ当社は非常に小規模の企業で、昨年ようやくエンジェルラウンドを立ち上げたばかりなので、トラフィックを生み出すための投資対効果が高く有意義な方法を上手に試みていく」。

[原文:‘All the packaging would look the same’: Couplet Coffee’s Gefen Skolnick on trying to reinvent a category]

Cale Guthrie Weissman(翻訳:ジェスコーポレーション、編集:戸田美子)

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