ツィッターをイーロン・マスク氏が買収しようとすることの是非

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これをはじめに呟くのか、とご指摘を受けるかもしれません。どうも小室圭さんが2度目の司法試験にもうまくいかなかったらしいとの速報に、「頑張って」と言いたくなってしまったのです。司法試験に9回落ちても大統領になった韓国の方もいらっしゃいます。下世話なメディアからは2人の生活云々の記事が既に出始めていますが、私は当初から眞子様がビザも取って協力してくれる、と述べさせて頂きました。人生なんて試練だらけ。全てが既定路線じゃつまらないじゃないですか?遠くからそっと見守るのが今は一番大事だと思います。

では今週のつぶやきをお送りします。

東証プライム市場

4月4日に東証が新区分を取り入れ、東証第一部が消え、プライム市場が生まれました。「厳格化」と「より国際化」に対応することで外国人投資家を含め投資に安心安全を与えるのが本質的な目的だったと思います。それから2週間たったのですが、世間の話題にもならず、株価は4日の始値27685円から一時は26304円まであって15日の終値27093円と下落です。当初は組み換え需要があったので判断が出来ず、様子を見ていたのですが、大掛かりにやった割には大して変わらないかな、という気がします。

もっとも投資環境は正直芳しくありません。特に過去は円安=株高の方程式があったのにそれが今はないのです。日本株に投資をするモチベーションが問題になっています。新技術や新しい試みには各社努力していますが、水平展開や事業の拡大を行い、利益にどこまで貢献したか、と言えばこれは別。その間、中国、韓国どころか、東南アジア諸国をはじめ世界各地からビジネスの成功モデルが聞こえてきます。日本はG7、アジアの代表選手という意識が強すぎたかもしれません。

とはいえ、企業ニュースが少ないのは日本だけではありません。世の中には波動があり、それに乗じたビジネス展開があります。コンピューターやスマホといった波が今は収まり、次を待っています。ニューヨークの自動車ショーから推測するに次の波はEVとその関連でしょう。メタバースと仮想通貨はどうイメージするかもうちょっと時間がかかりそうです。それよりも今は戦争の終結と再建、それ以上に世界で供給不足が深刻となっている資源問題がキーでそんなネタ話をしている場合ではないというのが真相かもしれません。

ツィッターをイーロン・マスク氏が買収しようとすることの是非

DKart/iStock

イーロン・マスクという人は一筋縄ではありません。いつの間にかツィッター社の筆頭株主になっていて、同社から取締役への招聘があったものの当日にドタキャン。その話題が冷めやらぬうちに全株を54.2㌦で買収すると届け出ました。結果がどうなるか、世論がどう意見するか、ツィッター社はどう反応するか、今後数週間で新展開するでしょう。個人的にはイーロン・マスク氏がやることは他にあるはずでバカげた投資だと思う一方、彼がやればツィッターは大変革を起こすだろうと思います。

思い出すのがアマゾンの創業者ジェブ・ベソズ氏が2013年にワシントンポスト紙を250億ドルで買収したことです。金持ちはメディアがお好きというより、金持ちになると名声と社会的存在感、世論への挑戦は必然コースであり、マスク氏がツィッターに興味を持ったのはそのあたりが本質的なことだと思います。ではベゾス氏が買収したワシントンポストはといえば、これは大変貌を遂げました。新聞記者にのさばらせず、IT化を進め、黒字化を達成しました。逆に言えばベゾス氏のような強さが同紙の構造改革をやり遂げたとも言えます。

ならばマスク氏が何をどう変えるのか、そこは見ものですが、ツィッター社を変えることは可能だと思っています。2億の利用者はメタ(フェイスブック)より少ないという見方もできますが、でかすぎて動きが鈍くなるより2億人ぐらいならやりやすい規模かもしれません。言論の自由というより最近は意見の割れ方がより細分化し、大勢につくという時代は昔話になりました。問題は様々な社会事象に対してはっきり言いすぎることで人格までを否定することが往々にして生じている点は気を付けなくてはいけないでしょう。意見と正解は違うのです。ここがまだ未熟なのがSNSの世界なのかな、という気がします。

高市政調会長はなぜ不人気になったのか?

昨年の自民党の総裁選の際、高市氏を推す声が異様に高まったのを覚えている方も多いでしょう。いやそれどころかそれは俺のこと、私のことと思っている方だらけだと思います。私は河野氏かな、と思ったのですが、中国問題やらで足を引っ張られてしまいました。その後、自民党の幹事長になぜかあの茂木氏が就任したのが運の尽きだったと思います。茂木氏は唯我独尊、友達もいないという点からしても外務大臣がベストポジションだったのですが、人をまとめるのが最も苦手なポジションに人をまとめる役を押し付けた人事の責任は誰にあるのか、と思います。

高市政調会長がその茂木氏とウマが合わないから最近の人気凋落につながっているか、と言えばそれだけではないでしょう。高市節はずっと昔から変わらずです。そして不幸なことにこの方にもお友達が少ないのです。特に女性の議員からはあまり好まれないタイプだと思います。理由は「物言い」だと思います。物事の表現に感情と事実を織り交ぜてしまい、発する言葉に「好き嫌い」の情感が出過ぎているのです。ビジネスでも政治でも物事は事務的にクールに処理することと情熱的にやる時と使い分けが必要なのですが、高市氏の言動はいつも同じトーン。問題は発する言葉に好き嫌いの感情を散りばめすぎると聞く方はそれに対して明白な答えを出さざるを得ないのです。上述のツィッターなどSNSの発信と同じです。

高市氏が岸田氏、安倍氏にいろいろなことで攻め入ります。「私の主張を聞いてください」と。岸田氏も安倍氏も内心、面倒くさいと思っています。「それは個人の意見ですか、政調会長の意見ですか、それとも茂木さんも含めた党幹部の総意ですか?」と。

当初安倍氏に推されたのですが、今では安倍派に受けれすらしないのです。一時、日本で首相に最も近いポジションと言われたのですが、私にはそうは思えません。できる人と物言いがはっきりしている人は全く違います。政治家は物言いが職業ですが、人望がある人とは勝手に人がついてくるタイプです。二階さんが以前、言っていたこと、女性議員はなぜ協力し合わないのだろうと。二階さん、それを今更いうのかな、と。女性が高い人望を備えるのはものすごく難しいと思います。なぜ欧米の女性がトップを務められるのか、違いが大きいと感じています。

後記
今年は書籍を例年以上に読んでいます。ジャンル問わずです。最近読んで特に面白かったのが「旧皇族の宗家、伏見宮家に生まれて」で旧皇族の伏見博明氏のオーラルヒストリーです。いわゆる皇室の側面がわりとぶっちゃけた形で紹介されており、大変面白く一気に読んでしまいました。(薄っぺらなのに2400円もしますが。)この時期になると「なんでヒロはゴルフしないんだい?」というお誘いが多いのですが、今は大地との格闘より知識欲の方が勝っています。エンタメが少ないところゆえに自分自身に時間を注げるともいえるのでしょう。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2022年4月16日の記事より転載させていただきました。

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