コロナ禍で浮き彫りになった「空の路線格差」 国内線は需要回復も…「地方は戻り遅い」

J-CASTニュース

   日本航空(JAL)などが出資する格安航空会社のジェットスター・ジャパンは2022年4月14日、現行のエアバスA320型機よりも大型のA321LR型機を7月から本格導入すると発表した。

   コロナ禍が始まって2年が経ち、国内線の需要は回復が進んでいる。これを新機材の導入で取り込みたい考えだ。ただ、片岡優社長によると「コロナ以降、かなり路線によって格差が出てきている」。新機材は本拠地の成田と福岡や札幌(新千歳)を結ぶ高需要の路線に投入予定で、事実上撤退した地方路線の復活には慎重姿勢だ。


  • ジェットスター・ジャパンは22年7月にA321LR型機の運航を始める。発表会ではモデルプレーンが披露された


  • エアバスA321LR型機は、現行のA320よりも燃費効率が15%向上し、二酸化炭素(CO2)排出量を20%削減した

コロナ禍で若者が需要けん引、レジャー客の割合増える

   片岡氏によると、3月の搭乗率は84%程度を記録し、「ピーク期間中においては非常に良い好調な状況に戻ってきている」といい、

「年末年始、春休みの状況を見ると、このゴールデンウィークの予約もかなり高いだろうと予測している。最終的には、我々が期待するような高い数字を維持できると考えている」

と期待を寄せた。

   ただ、コロナ後は予約の傾向が大きく変化した。「間際の予約が多くなってきている」といい、具体的には、出発の1週間前に予約率50%だった便が、フライト当日に90%になることも「かなりある」。片岡氏は

「航空会社の立場からいくと、非常に状況が読みにくい。非常に苦労している、正直なところ」

とも明かした。感染状況が変化するため、乗客の側も先の予定が立てにくくなっていることが背景にあるとみられる。

   客層も大きく変化した。片岡氏によると、若年層が需要をけん引する一方で「年齢層が高いお客様が出控えられているのでは」。コロナ前は、VFR(友人、親族訪問)、レジャー旅行、ビジネスの割合が40%、40%、20%の割合だったが、コロナ後はVFRとビジネス需要が減少し、レジャー需要が6割を占める。

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