サステナブル なブランド、リフォーメーションがスーパーサークルと提携し、繊維から繊維へのリサイクルを実現

DIGIDAY

3月末、クールガールのためのサステナブルなドレスと「進歩するサステナビリティ」マインドを支持するブランド、リフォーメーション(Reformation)は、繊維から繊維へのリサイクルプログラムであるスーパーサークル(SuperCircle)との新たな提携を発表した。

外部ブランドから寄付された衣類をリサイクルのために回収することが同ブランドの次の目標で、スーパーサークルはリフォーメーションが受け取ったアイテムを回収する。フォーデイズ(For Days)、ガールフレンドコレクティブ(Girlfriend Collective)、メイドウェル(Madewell)といったブランドは、現在、同様の「サービスとしてのリサイクル」というイニシアティブを実施している。

顧客が積極的に参加できるリサイクルプログラム

繊維から繊維へのリサイクルにおける最大の課題のひとつに、そのプロセスを開始するにあたって大量の衣類が必要である点が挙げられる。したがって、より多くのブランドが参加できるにこしたことはない。通常、その処理を行うには、ブランドは特定の繊維または繊維組成の衣類を少なくとも1トンは収集する必要がある。

米環境保護庁によると、米国では毎年1600万トン以上の繊維製品がゴミ箱に捨てられている。この問題に対処するため、リフォーメーションはスーパーサークル提供のリフリサイクリング(RefRecycling)をローンチしている。スーパーサークルは、靴ブランドのサウザンドフェル(Thousand Fell)のローンチ時に協力した人々が設立した体験型リサイクルプログラムである。リフォーメーションは2015年にコミュニティリサイクリング(Community Recycling)とともに、リフリサイクリングプログラムに取り組んだことがある。

このプログラムに参加するには、顧客は米国のリフォーメーションの小売店にアイテムを持ち込むか、オンラインで配送ラベルをリクエストする。スーパーサークルは、技術的なインターフェース、アイテムの収集と分類を管理する。そしてそれらのアイテムは最高クラスの繊維リサイクルパートナーに送られ、消費者の廃棄物は新たな製品に使われる新しい繊維へと変換される。責任を持ってリサイクルを行った証として、顧客は次回購入時に使用できるリフォーメーションのクレジットを受け取る。靴は25ドル(約3090円)、ジーンズは15ドル(約1850円)、セーターとアクティブウェアは10ドル(1240円)となっている。また、寄付した製品が最終的にアップサイクル、リサイクル、ダウンサイクルのいずれになったのかを、リフォーメーションのイニシアチブウェブサイトで確認することもできる。

多くのブランドと協力しシステムに還元するリサイクルを

「リフリサイクリング、スーパーサークルとのコラボレーションは、同じような繊維製品に関する同様の回収プログラムを行っているほかのブランドとコラボレーションする初めての機会だ。私たちはスーパーサークルと協力して、このカテゴリーにおける繊維リサイクルパートナーとまさしく強力な関係を築き、ほかの多くのブランドを巻き込んでいく」と、リフォーメーションのチーフサステナビリティオフィサーでオペレーションバイスプレジデントを務めるキャスリーン・タルボット氏は述べている。

リサイクルは、消費者に着古した衣服の価値を理解してもらう上で有効な手段となるサービスだ。多くの人にしてみると、リセールで利益を得ることができない衣料品については依然として利便性が勝っている。H&Mやユニクロのような従来の小売業者は、何年も前から限定的な引き取りプログラムを提供しているものの、リフォーメーション以外のD2Cオンラインブランドは今ようやくそこに向かって動き出したところである。そのため、新たな進展の可能性がある。もし企業が協力すれば、繊維から繊維へのリサイクルは、より多くのブランドで可能になるだろう。

「何年も前からブランドは多くの回収プログラムを行っているが、回収したもので何かをするためのプロダクトミニマムを達成したことがない。おそらく顧客が送り返したアイテムが少しずつ蓄積されたコンテナがあるのだろう。だが、それはまだ変化をもたらしていない。ファッションのシステムに還元されていないのだ」とタルボット氏は指摘している。「ある意味で、それは少しパフォーマンスのような印象を受ける」。

単なる引き取りプログラムではない

リフォーメーションはサステナビリティの道程において透明性を重視しており、四半期ごとのサステナビリティレポートでその進歩状況を記録している。2015年からカーボンニュートラルを実現し、詳細なロードマップを作成しているように、2025年までに気候変動に対して前向きに取り組む姿勢だ。同ブランドの各製品には、そのカーボンフットプリントを伝える説明とスコアがついており、公正な賃金環境でアップサイクルされた素材やサステナブルな素材で作られた数多くのアイテムを販売している。またリフォーメーションでは自社が与える影響をオフセットするために、カリフォルニア州やコロラド州で危機的な枯渇状態にある河川や湿地帯に1億4000万ガロン(5億3000万リットル)の淡水を供給するプロジェクトへの寄付も行なっている。さらに、顧客はストアクレジットと交換でスレッドアップ(ThredUP)のサイトでリフォーメーションのスタイルを再販することもできる。

開発途上国の中古市場は寄付への対応に苦慮しており、ファッションブランドのクローズドループサイクルというアイデアは簡単な解決策のように思える。スーパーサークルとサウザンドフェルの共同設立者スチュアート・アーラム氏は次のように述べた。「これは単なる引き取りプログラムではない。リフォーメーションは、自分たちが作った衣服にただ責任を持って顧客のためにその処分方法を提供しているだけではないのだ。リフォーメーションは、自分たちのブランドの中古衣類を新しい衣類に変えることで、革新の限界を積極的に押し広げており、コットンをリサイクルコットンの糸に、ポリエステルをリサイクルPETの繊維に変えるという大規模なポストコンシューマーリサイクルをリードしている。我々は今年、世界でもっとも革新的な10から15のブランドと選択的に協力しているが、リサイクルプログラムを強化するため、そうしたブランドにスーパーサークルのプラットフォームに参加してもらっている」。

「スーパーサークルプラットフォームでは、顧客が(寄付を)追跡して、最終的にどこに送られたかを確認することができる。それによって私たちも多くの可視性やトラッキング(情報)を得られる。その目的はプログラムの効果を理解し、ブランドとしてよりよく理解できるようにすることにある」とタルボット氏は述べている。

リフォーメーションは、寄付されたアイテムがまずは修繕され、リセールまたはリユースされるようにしたいと強く考えているが、このソリューションが、消費者にインセンティブを与える方法で、寿命がきた衣類のプロセスに対処できることを期待している。また同ブランドは、スーパーサークルのパートナーである工場や繊維メーカーと協力して新しい素材を調達することで、衣服の寿命を考慮した将来的なコレクションをデザインできるようにすることを計画している。

[原文:Reformation partners with SuperCircle to enable fiber-to-fiber recycling]

ZOFIA ZWIEGLINSKA(翻訳:Maya Kishida 編集:山岸祐加子)

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