今年 オフラインマーケティング に対し、56%のブランドはほとんど投資していない【Glossyリサーチ】

DIGIDAY

D2Cと従来の卸売ブランドのマーケティング予算にある変化が起きている。コンバージョンを促進するパフォーマンスマーケティングが支持され、ブランド構築を目的とした屋外やオフラインイベントなどのチャネルにおけるトップオブファネルのマーケティングがますます放棄されつつある。

D2Cと従来の卸売ブランドのマーケティング予算にある変化が起きている。コンバージョンを促進するパフォーマンスマーケティングが支持され、ブランド構築を目的とした屋外やオフラインイベントなどのチャネルにおけるトップオブファネルのマーケティングがますます放棄されつつあるのだ。

2022年3月にGlossyとModern Retailが117のブランドを対象に行った調査によると、テレビ、屋外マーケティング、イベントといったチャネルはすべて人気が落ちていることがわかった。78%のブランドは現在テレビマーケティングに投資しておらず、マーケティング予算のごく一部をこのチャンネルに割いていると回答したのは11%だった。一方、57%のブランドが屋外広告にまったく投資しておらず、28%が予算のわずか一部を屋外広告に割り当てている。また47%が予算のほんの一部をイベントに当てているが、22%はイベントには投資していない。

全体をみると、44%のブランドは今後1年間にオフラインマーケティングにはわずかな投資しか行わない予定であり、一方で12%はオフラインチャネルには一切投資しないとしている。

半数以上のブランドが、オフラインマーケティングを支持しない

これは、たとえば屋外やテレビが成長していたパンデミック以前のブランドのマーケティングに対する考え方とは顕著に異なっている。Facebookやインスタグラムなどのプラットフォームの広告費用が増大するにつれ、ブランドは新規顧客を獲得するための代替手段として、テレビのようなチャネルにますます目を向けるようになっていた。

ところがパンデミックの最中には人々が屋内にとどまっており、当然ながら屋外広告はあまり重要ではなくなった。さらに、多くのブランドがトップオブファネルのブランディング・キャンペーンよりも、すでにそのブランドを知っている人たちとの再エンゲージメントに力を入れるようになった。これはファッション分野のブランドについてもいえることだ。

J.クルーグループ(J. Crew Group)のCEOリビー・ウェイドル氏は、「私たちには必ずしアウェアネスの問題はない」と2月にGlossyに語っている。「いま私たちの焦点となっているのは、購買のラストワンマイルであるラインを人々に越えさせることだ」。

ブランドがどのチャネルに金をかけているかをみると、GlossyとModern Retailのリサーチによれば、ソーシャルチャンネルとインフルエンサーとのパフォーマンスマーケティングがもっともコンバージョン率が高く、多くのブランドがそこに注目していることがわかる。D2Cブランドでは、インスタグラム、インフルエンサー、Googleがもっともコンバージョンの高い3つのチャネルである。従来のブランド、主に小売パートナーを通じて製品を販売するブランドの場合は、Google、インスタグラム、TikTokとなっている。

イベント、テレビ、屋外広告は売り上げに貢献しない

D2Cブランドがブランドマーケティングをさほど重視せず、パフォーマンスマーケティングを優先している一因として、これらのブランドの多くが実店舗を開設したり、マルチブランドの小売店に製品を並べたりしているという事実が挙げられる。ダイレクトマーケティングエージェンシーのベラルディウォン(Belardi Wong)でデジタル戦略および統合マーケティングバイスプレジデントを務めるキャラ・マーフィー氏は、実店舗はそれ自体がブランドマーケティングのツールとして機能すると述べている。

「店舗が相当数あれば、有機的なブランド収益とブランド認知度がさらに高まる」とマーフィー氏は指摘した。「店舗の前を通れば、それがブランドの認知となる。棚にある商品を目にすれば、たとえ何も買わなかったとしても、それがブランドの認知になる。しかしオンラインでは、パフォーマンスマーケティングでそれを構築しなくてはならないのだ」。

[原文:Glossy Research: 56% of brands are investing little to nothing in offline marketing this year]

DANNY PARISI(翻訳:Maya Kishida 編集:山岸祐加子)


Source

タイトルとURLをコピーしました