【Hothotレビュー】1,999ドルの究極GPU「GeForce RTX 3090 Ti」登場!その実力を早速テスト

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 NVIDIAは3月29日、GeForce RTX 30シリーズの新たな最上位モデル「GeForce RTX 3090 Ti」を発表した。米国での価格は1,999ドルで、日本国内価格は32万7,800円より。

 発表に先立って、ASUSよりGeForce RTX 3090 Ti搭載ビデオカード「TUF-RTX3090TI-O24G-GAMING」を借用することができたので、新たなウルトラハイエンドGPUのパフォーマンスをベンチマークテストで確かめてみた。

TGP 450WのモンスターGPU「GeForce RTX 3090 Ti」

 GeForce RTX 3090 Tiは、Ampereアーキテクチャに基づいて8nmプロセスで製造されたGA102コアを採用するウルトラハイエンドGPUで、GeForce RTX 3090に代わるGeForce RTX 30シリーズの新たな最上モデルだ。

 GeForce RTX 3090 Tiが採用するGA102コアは、84基のStreaming Multiprocessors(SM)が有効化されたフルスペック版で、10,752基のCUDAコアや、84基のRTコア、336基のTensorコアが利用できる。

 VRAMには21Gbps動作のGDDR6Xメモリを24GB搭載しており、GPUと384bitのメモリインターフェイスで接続することで、約1,008GB/sのメモリ帯域幅を実現している。バスインターフェイスはPCIe 4.0 x16で、TGP(Total Graphics Power)は450W。

【表1】GeForce RTX 3090 Tiの主な仕様
GPU GeForce RTX 3090 Ti GeForce RTX 3090
アーキテクチャ Ampere (GA102) Ampere (GA102)
製造プロセス 8nm 8nm
SM 84基 82基
CUDAコア 10,752基 10,496基
RTコア 84基 (第2世代) 82基 (第2世代)
Tensorコア 336基 (第3世代) 328基 (第3世代)
テクスチャユニット 336基 328基
ROPユニット 112基 112基
ベースクロック 1,560MHz 1,395MHz
ブーストクロック 1,860MHz 1,695MHz
メモリ容量 24GB (GDDR6X) 24GB (GDDR6X)
メモリスピード 21Gbps 19.5Gbps
メモリインターフェイス 384bit 384bit
メモリ帯域幅 1,008GB/s 936GB/s
PCI Express PCIe 4.0 x16 PCIe 4.0 x16
消費電力 (TGP) 450W 350W

ASUSのGeForce RTX 3090 Ti搭載ビデオカード「TUF-RTX3090TI-O24G-GAMING」

 ASUSより借用した「TUF-RTX3090TI-O24G-GAMING」は、GeForce RTX 3090 Tiのブーストクロックを標準で1,920MHz(OCモード時1,950MHz)に引き上げて搭載したオーバークロック仕様のビデオカードで、450Wという大きな消費電力と発熱に対応できるよう、3基のファンを備える3.2スロット設計の大型GPUクーラーを搭載している。

 ブラケット部の画面出力端子は、HDMI 2.1(2基)とDisplayPort 1.4a(3基)。基板上部にはNVLinkコネクタや、VBIOSの切り替えスイッチが実装されている。本体サイズは325.9×140.2×62.8mm(幅×奥行き×高さ)。

ASUS TUF-RTX3090TI-O24G-GAMINGのGPU-Z実行画面

 補助電源コネクタには、PCIe 5.0世代のビデオカードで導入される12+4ピンコネクタ「12VHPWR」を採用している。最大で600Wの供給が可能とされる12VHPWRの採用によって、TGPが450Wに達するGeForce RTX 3090 Tiへの電力供給を1つの補助電源コネクタでまかなえる。

 もっとも、既存の電源ユニットは12VHPWRに対応していないので、TUF-RTX3090TI-O24G-GAMINGには従来のPCIe 8ピンコネクタ×3本を12VHPWRに変換するアダプタが同梱されていた。

補助電源コネクタ。12+4ピンで最大600Wの供給が可能な次世代規格「12VHPWR」を採用している

12VHPWRは従来のPCIe補助電源コネクタと互換性がないので、PCIe 8ピン×3系統を変換するアダプタが同梱されていた

比較用GPUとテスト環境

 GeForce RTX 3090 Tiの比較相手には、従来のウルトラハイエンドGPU「GeForce RTX 3090」のFounders Editionを用意した。

 各ビデオカードのテスト時動作仕様は以下の表の通り。ASUS TUF-RTX3090TI-O24G-GAMINGについては、VBIOSを冷却重視の「Pモード」にしたうえで、ブーストクロックが1,920MHzになる標準動作モード「Gaming Mode」でテストした。

GeForce RTX 3090 Founders Edition

GeForce RTX 3090 Founders EditionのGPU-Z実行画面

【表2】各ビデオカードの動作仕様
GPU GeForce RTX 3090 Ti GeForce RTX 3090
ビデオカードベンダー ASUS NVIDIA
製品型番 TUF-RTX3090TI-O24G-GAMING Founders Edition
ベースクロック 1,560MHz 1,395MHz
ブーストクロック 1,920MHz 1,695MHz
メモリ容量 24GB (GDDR6X) 24GB (GDDR6X)
メモリスピード 21Gbps 19.5Gbps
メモリインターフェイス 384bit 384bit
メモリ帯域幅 1,008GB/s 936GB/s
PCI Express PCIe 4.0 x16 PCIe 4.0 x16
電力リミット 450W 350W

 ビデオカードを搭載するベース機材には、Core i9-12900Kを搭載したIntel Z690環境を用意した。

 グラフィックスドライバについては、GeForce RTX 3090 Tiにはレビュアー向けの「Game Ready Driver 512.16」、GeForce RTX 3090にはNVIDIAのサイトで配布されている最新版「Game Ready Driver 512.15」を導入している。その他の機材や条件については以下の通り。

【表3】テスト機材一覧
GPU GeForce RTX 3090 Ti GeForce RTX 3090
CPU Core i9-12900K (8P+8Eコア24スレッド)
CPUパワーリミット PL1=PL2=Unlimited、Tau=56秒
CPUクーラー ADATA XPG LEVANTE 360 ARGB (ファンスピード=100%)
マザーボード ASUS ROG STRIX Z690-F GAMING WIFI [UEFI=1304]
メモリ DDR5-4800 16GB×2 (2ch、40-39-39-76、1.20V)
システム用SSD Samsung SSD 980 PRO 500GB (NVMe SSD/PCIe 4.0 x4)
アプリケーション用SSD CFD CSSD-M2B2TPG3VNF 2TB (NVMe SSD/PCIe 4.0 x4)
電源 Thermaltake Toughpower Grand RGB 1050W Platinum (1,050W/80PLUS Platinum)
グラフィックスドライバ Game Ready Driver 512.16 (30.0.15.1216) Game Ready Driver 512.15 (30.0.15.1215)
Resizable BAR 無効
OS Windows 11 Pro (Ver 21H2、build 22000.556、VBS有効)
電源プラン バランス
モニタリングソフト HWiNFO64 Pro v7.20
ワットチェッカー ラトックシステム RS-BTWATTCH2
室温 約24℃

ベンチマーク結果

 実施したベンチマークテストは、「3DMark」、「VRMark」、「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」、「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」、「Forza Horizon 5」、「DIRT 5」、「フォートナイト」、「レインボーシックス シージ」、「Apex Legends」、「オーバーウォッチ」、「バトルフィールド 2042」、「サイバーパンク2077」、「アサシン クリード ヴァルハラ」、「モンスターハンターライズ」、「エルデンリング」、「Microsoft Flight Simulator」、「Blender Benchmark」。

 今回は、フルHD(1,920×1,080ドット)、WQHD(2,560×1,440ドット)、4K(3,840×2,160ドット)という3つの画面解像度に加え、設定可能なタイトルでは8K(7,680×4,320ドット)でのテストも行なった。8K解像度については、4KディスプレイにDSR(Dynamic Super Resolution)を使って出力することで実現している。

3DMark

 3DMarkでは、DirectX 12テスト「Time Spy」、DirectX 11テスト「Fire Strike」、Vulkanテスト「Wild Life」、DXR(DirectX Raytracing)テストの「Port Royal」と「DirectX Raytracing feature test」を実行した。

 GeForce RTX 3090 Tiは、Time Spyで約7%、Fire Strikeで5~8%、Wild Lifeで5~10%、GeForce RTX 3090を上回った。DXRテストであるPort Royalでは約8%、DirectX Raytracing feature testでも約4%、それぞれGeForce RTX 3090を上回っている。

VRMark

 VRMarkでは、「Orange Room」、「Cyan Room」、「Blue Room」を実行した。

 CPUがボトルネックとなるOrange Roomでは横並びとなっているが、Cyan Roomでは約2%、Blue Roomで約9%、それぞれGeForce RTX 3090 TiがGeForce RTX 3090を上回った。

【グラフ09】VRMark v1.3.2020「ベンチマークスコア」

【グラフ10】VRMark v1.3.2020「平均フレームレート」

ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク

 ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマークでは、描画品質を「最高品質」に設定して、フルHD~8Kまでの画面解像度をテストした。

 GeForce RTX 3090 Tiは全ての条件でGeForce RTX 3090を上回った。フルHDでは約1%と僅差だが、WQHDで約3%、4Kで約7%、8Kでは約10%と、負荷が高くなるほど差を広げている。ちなみに、GeForce RTX 3090 Tiがスコア「5,171」でベンチマーク評価「普通」を獲得した8K時の平均フレームレートは約35fpsだった。

【グラフ11】ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク

FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク

 FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマークでは、画質プリセットを「高品質」に設定して、フルHD~4Kまでの画面解像度をテストした。

 GeForce RTX 3090 Tiは、フルHDとWQHDで約3%、4Kで約6%、GeForce RTX 3090を上回った。

【グラフ12】FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク v1.3

Forza Horizon 5

 Forza Horizon 5では、画質プリセットを「エクストリーム」に設定して、フルHD~8Kまでの画面解像度でゲーム内ベンチマークモードを実行した。

 GeForce RTX 3090 Tiは、フルHD~4Kまでは2~3%、8Kでは約8%、GeForce RTX 3090を上回った。8Kではさすがに60fpsを下回っており、滑らかな映像でプレイしたいなら画質の調整が必要だ。

【グラフ13】Forza Horizon 5 (v1.435.64.0.HV)

DIRT 5

 DIRT 5では、画質プリセットを「Ultra High」に設定して、フルHD~8Kまでの画面解像度でゲーム内ベンチマークモードを実行した。全ての条件でレイトレーシング(Raytraced Vehicle Shadows)を有効にしている。

 GeForce RTX 3090 Tiは、GeForce RTX 3090を8~10%上回っており、4K以下では60fpsを大きく超える平均フレームレートを記録している。

【グラフ14】DIRT 5 (v1.0.276742.503)

フォートナイト

 フォートナイトでは、画質プリセットを「最高」に設定して、フルHD~8Kまでの画面解像度をテストした。レイトレーシング設定の違いでグラフを分けているほか、レイトレーシング有効時は全ての画面解像度でDLSSを「パフォーマンス」に設定している。グラフィックスAPIはDirectX 12。

 レイトレーシング無効時は、GeForce RTX 3090 TiがGeForce RTX 3090を7~13%上回った。8KではGeForce RTX 3090 Tiでも26.5fpsとプレイが困難なフレームレートとなっているが、DLSSを「パフォーマンス」で有効にすれば55.7fpsまで向上していた。

 レイトレーシングを「最高品質」、DLSSを「パフォーマンス」で有効にした場合は、フルHDでは両GPUに差がつかなかったが、WQHD以上ではGeForce RTX 3090 TiがGeForce RTX 3090を2~6%上回った。

【グラフ15】フォートナイト (v20.00)「レイトレーシング無効」

【グラフ16】フォートナイト (v20.00) 「レイトレーシング + DLSS」

レインボーシックス シージ

 レインボーシックス シージでは、画質プリセットを「最高」に設定して、フルHD~4Kまでの画面解像度でゲーム内ベンチマークモードを実行した。テスト時はレンダリングのスケールを「100%」に調整したほか、グラフィックスAPIは「Vulkan」を選択している。

 GeForce RTX 3090 Tiは、フルHDで約1%、WQHDで約4%、4Kで約8%、それぞれGeForce RTX 3090を上回った。平均フレームレートは4Kでも240fpsを超えており、最速級のゲーミングモニターの表示性能を引き出すのに十分なパフォーマンスを発揮している。

【グラフ17】レインボーシックス シージ (build 8375385)

Apex Legends

 Apex Legendsでは、描画設定を可能な限り高く設定して、フルHD~4Kまでの画面解像度で平均フレームレートを計測した。テスト時の上限フレームレートは300fps。

 GeForce RTX 3090 Tiは、フルHDで約3%、WQHDで約4%、4Kで約9%、それぞれGeForce RTX 3090を上回った。

【グラフ18】Apex Legends (v3.0.3.70)

オーバーウォッチ

 オーバーウォッチでは、画質プリセットを「エピック」に設定して、フルHD~8Kまでの画面解像度で平均フレームレートを計測した。テスト時の上限フレームレートは400fpsで、すべての描画品質でレンダー・スケールを「100%」に設定している。

 フルHDでは両GPUともフレームレートの上限に達しているため横並びだが、WQHD以上の画面解像度ではGeForce RTX 3090 TiがGeForce RTX 3090を6~9%上回った。

 4K以下では200fps以上という高フレームレートを実現しているGeForce RTX 3090 Tiだが、8Kでは62.8fpsまで大きく低下している。比較的GPU負荷の低いタイトルであっても8K解像度の描画負荷は相当に高く、画質の調整やDLSSなしで快適なプレイを実現するのは困難であることが伺える。

【グラフ19】オーバーウォッチ (v1.70.0.0.94910)

バトルフィールド 2042

 バトルフィールド 2042では、画質プリセットを「最高」に設定して、フルHD~8Kまでの画面解像度をテストする。レイトレーシングの有り無しでグラフを分けており、8K解像度のみDLSSを「ウルトラパフォーマンス」に設定した場合のフレームレートを計測した。

 レイトレーシング無効時は、フルHDとWQHDは両GPUでほぼ差がついていないが、4Kで約7%、8Kで約8%、DLSS有効時の8Kで約5%、GeForce RTX 3090 TiがGeForce RTX 3090を上回った。

 レイトレーシング有効時も、フルHDとWQHDはフレームレートが頭打ち気味で僅差となっており、4K以上の設定になるとGeForce RTX 3090 TiがGeForce RTX 3090を4~11%上回った。

【グラフ20】バトルフィールド 2042 (v0.3.3)「レイトレーシング無効」

【グラフ21】バトルフィールド 2042 (v0.3.3)「レイトレーシング有効」

サイバーパンク2077

 サイバーパンク2077では、画質プリセットを「レイトレーシング:ウルトラ」に設定して、フルHD~8Kまでの画面解像度でゲーム内ベンチマークモードを実行した。なお、8Kのみ、DLSSを「自動」から「ウルトラパフォーマンス」に変更した際のベンチマーク結果を取得している。

 GeForce RTX 3090 Tiは、フルHDで約3%、WQHDで約5%、4Kで約7%、8Kで約13%、それぞれGeForce RTX 3090を上回った。8KでDLSSを「ウルトラパフォーマンス」にしたさいには、GeForce RTX 3090を約10%上回る33.8fpsを記録している。

【グラフ22】サイバーパンク2077 (v1.52)

アサシン クリード ヴァルハラ

 アサシン クリード ヴァルハラでは、画質プリセットを「最高」に設定して、フルHD~8Kまでの画面解像度でゲーム内ベンチマークモードを実行した。

 GeForce RTX 3090 TiはGeForce RTX 3090を5~12%上回った。GeForce RTX 3090 Tiの平均フレームレートは、4K以下の画面解像度では60fpsを超えており、8Kでも28fpsという画質調整次第では30fps以上が狙えそうな数値を記録した。

【グラフ23】アサシン クリード ヴァルハラ (v1.5.0.1)

モンスターハンターライズ

 モンスターハンターライズでは、画質プリセットを「高」に設定して、フルHD~4Kまでの画面解像度で平均フレームレートを計測した。

 フルHDとWQHDではCPUのボトルネックでフレームレートが頭打ちとなっているため両GPUの差は小さいが、4KではGeForce RTX 3090 TiがGeForce RTX 3090を約7%上回った。

【グラフ24】モンスターハンターライズ (v3.9.1.0)

エルデンリング

 エルデンリングでは、画質プリセットを「最高」に設定して、フルHD~8Kまでの画面解像度で平均フレームレートを計測した。ゲームの上限フレームレートは60fpsで、高負荷時に画質を調整する「自動描画調整」は無効にしている。

 フルHDから4Kまでは、どちらのGPUも上限フレームレートである60fpsに張り付いているため差はついていない。8Kでは33.6fpsを記録したGeForce RTX 3090 Tiが、29.6fpsのGeForce RTX 3090を約13%上回った。

【グラフ25】エルデンリング (v1.03.2)

Microsoft Flight Simulator

 Microsoft Flight Simulatorでは、画質プリセットを「最高」に設定して、フルHD~8Kまでの画面解像度で平均フレームレートを計測した。グラフィックスAPIは「DirectX 11」で、羽田空港から関西国際空港へのルートをエアバスA320neoでAIに飛行させ、離陸から3分間の平均フレームレートを計測している。

 GeForce RTX 3090 Tiは、4Kで約6%、8Kで約13%、それぞれGeForce RTX 3090を上回った。WQHD以下ではCPUがボトルネックになってフレームレートが頭打ちになっているため、GPU性能の差がフレームレートに反映されていない。

【グラフ26】Microsoft Flight Simulator (v1.24.5.0)

Blender Benchmark 3.0.0

 Blender Benchmark 3.0.0では、標準で用意されている3つのシーン(monster、Junkshop、classroom)をテストした。テストに用いたBlenderのバージョンは「3.1.0」で、参考データとしてCore i9-12900Kで実行したさいの結果を比較に加えている。

 GeForce RTX 3090 Tiは、GeForce RTX 3090を3~7%上回るレンダリング速度(Samples per minutes、sps)を記録した。CPUとの比較では、Core i9-12900Kを相手に15~17倍という大差をつけている。

【グラフ27】Blender Benchmark 3.0.0 (Blender v3.1.0)

システムの消費電力

 ワットチェッカーを使ってシステムの消費電力を測定し、アイドル時の最小消費電力と、ベンチマーク実行中の平均消費電力および最大消費電力をグラフ化した。

 GeForce RTX 3090 Tiのアイドル時の消費電力は84.1Wで、GeForce RTX 3090が記録した69.1Wより15Wほど高かった。

 ベンチマーク実行中にGeForce RTX 3090 Tiで記録されたシステム消費電力は、平均が583.0~599.2Wで、最大は595.5~709.5Wだった。これは、平均478.0~537.6W、最大489.2~612.4WだったGeForce RTX 3090より10~20%ほど高い数値だ。

【グラフ28】システムの消費電力 (平均/最大)

ベンチマーク実行中のモニタリングデータ

 モニタリングソフトの「HWiNFO64 Pro」を使って、「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」を4K最高品質で実行中のGeForce RTX 3090 Tiのモニタリングデータを取得。そのデータから、「温度とファンスピード」、「消費電力と動作クロック」をそれぞれグラフ化した。

 テスト中、GeForce RTX 3090 Tiの動作温度は、GPU温度が最大65.3℃(平均63.3℃)、GPUホットスポット温度が最大74.8℃(平均72.4℃)、メモリ温度は最大70℃(平均66.1℃)に達しており、ファンスピードは最大で約1,860rpmまで上昇していた。

 消費電力については、最大で439.4W、平均412.2Wを記録。GPUクロックは平均2,039MHzというブーストクロックを超える高クロック動作を実現しており、メモリクロックについては2,625MHz(約21Gbps)で一貫したクロックを維持している。

 3基のファンを搭載した大型GPUクーラーを採用しただけあって、ASUS TUF-RTX3090TI-O24G-GAMINGは400Wを超える電力を消費するGeForce RTX 3090 Tiの発熱をしっかり処理できており、安定して高いパフォーマンスを発揮できているようだ。

【グラフ29】GeForce RTX 3090 Ti の温度とファンスピード

【グラフ30】GeForce RTX 3090 Ti の消費電力と動作クロック

次世代の新機軸を取り入れたGeForce RTX 30シリーズ最強GPU

 フルスペック版GA102コアを採用したGeForce RTX 3090 Tiは、GeForce RTX 3090を1割前後上回るパフォーマンスを実現しており、新たなGeForce RTX 30シリーズ最上位モデルとして順当な性能向上を果たしている。

 性能が向上した分、消費電力も増加しており、今回テストしたTUF-RTX3090TI-O24G-GAMINGでもピーク時には400W以上の電力を消費していた。CPUの消費電力も考慮しつつ、電源ユニットの容量には十分な余裕を確保すべきだろう。

 GeForce RTX 3090 Tiは、GeForce RTX 30シリーズ最強のGPUとして、パフォーマンスを追求するユーザーにとって最上位の選択肢となる製品だ。また、次世代の電源コネクタ規格である「12VHPWR」をいち早く採用したことで、次世代ビデオカードがどのようにデザインされるのかを知る手掛かりとしても興味深い存在である。最大600Wを供給できる12VHPWRの時代に向けてビデオカードメーカー各社が、450W級GPUの消費電力と発熱にどのように対処しているのかにも注目したい。

【お知らせ】GeForce RTX 3090 Tiの超パフォーマンスを動画でも確認せよ!KTU&改造バカが速攻生評価

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 3月29日(火)22時より、GeForce RTX 3090 Ti解説のライブ配信を実施します。従来機RTX 3090との比較、巨大なカードの威容など、最新・最強パーツの情報を4K高画質映像でお届けします。解説はKTUこと加藤勝明氏と改造バカこと高橋敏也氏。

(配信終了後は即時アーカイブが公開されます)

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